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「少しずつ、理想の住まいへ」~吉祥寺店納品記~

2019.7.9

梅雨明けが待ち遠しい今日この頃。

昨年の関東は6月末には梅雨が明けていましたが、今年はどうでしょうか。

スッキリしない天気の中でも吉祥寺店はじめ、各店にたくさんのお客様がご来店頂けるのは幸せなことです。

先日も以前から家具蔵の椅子をご愛用頂いているお客様に新しい家具をお納め致しました。

今回はそんなお客様のお住まいにお伺いした際のお話を少しご紹介。

 

H様と家具蔵の出会いは2014年の2月。

使用中の椅子が壊れてしまい、新しい椅子を探して家具蔵にご来店頂いたのがきっかけでした。

ご主人と奥様が共通していたのは

「ゆったり寛げて、食卓にいる時間が心地良くなる椅子が欲しい」

という思いでした。

そのため、アーム付きの椅子2脚をご紹介。

ハーフアームの椅子は「アームチェア アルコⅡ」。

昼間は家事で立ち座りが多い奥様用。

ハーフアームなので出入りがとてもスムーズ。

ホッと落ち着く一時には短いひじ掛けながらもしっかり体を支えてくれます。

フルアームの椅子は「アームチェア ヴォーグⅡ」。

こちらは夜な夜な晩酌を楽しむご主人様用。

程よい背もたれの傾斜と前まであるアームのおかげでゆったりリラックス。

気付いたら居眠りしてしまうこともしばしば…。

5年間お二人にご愛用頂いた椅子はチェリー材ならではの深く美しい飴色に。

「お客さんが来ると必ず座ってもらって自慢するんだよ」

と笑いながら言って頂けるととても温かい気持ちになります。

 

そんなH様に今回お納めしたのは2種類の収納。

長年お住まいになった家を建て替えすることになり、既存の造作の収納を取り壊すことから、再び家具蔵にご来店頂いたのでした。

お二人のご要望は

・筆記用具、薬、雑誌などの雑多なものを収納したい

・圧迫感は極力おさえたい

・お気に入りの食器を飾りたい

の3点でした。

そのため、自由設計でサイズだけでなく扉や引き出しなどの仕様、素材なども自分好みに決められる「ユニットボードプログレス」をご提案。

食卓の近くには腰高のサイドボードを設計しました。

引き出しの中に筆記用具やお薬を。

扉の中には雑誌やA4ファイルなどが収納されています。

テーブルのすぐ側で椅子に座りながら物が取り出せるのはとても便利。

また、高さを抑えることで圧迫感を無くし、お気に入りの絵画や天板の上にご家族のお写真を飾り、ディスプレイゾーンにもなっています。

 

もう一つの収納はソファ近くに配置。

食器を飾りたいというご要望から目線の高さにはガラス扉を。

引き出しにはカトラリーを収納します。

板戸の中にはソファに腰掛けながら読書する際に使う文庫本や雑誌などが。

圧迫感が出来る限り出ないように、身長よりも少し低めの高さに。

 

この2種類の収納は異なる素材を使用しています。

食卓側のサイドボードがナラ材、リビング側の食器棚がウォールナット材です。

実は素材を変えたのには理由があります。

H様のお住まいはダイニングとリビングが一続きの間取り。

食卓は白木の一枚板のテーブルで、ソファはアンティーク家具で焦げ茶色の塗装がされたものでした。

そのため、H様は

「食卓とリビングの家具の色が合わない。新しく買う収納は食卓側とリビング側のどちらの色に合わせたら良いのだろう」

というお悩みを抱えていました。

そこでご提案したのが「樹種によるゾーニング」という手法です。

白木のテーブルがある食卓には同じ白木のナラ材を。

焦げ茶色の塗装が施されたソファの近くにはシックなウォールナット材を合わせます。

すると、同じ一部屋なのに食卓とリビングのゾーンが何となく分けられているように感じます。

一方で、自然素材同士なのでゆるやかに繋がっているようにも感じられる心地良い空間が生まれます。

「必ずどちらかの色に合わせなければいけないと思っていたの。でも、本物の木を使い、自然の色の家具だからこそバラバラにならずに繋がっている感じがするんですね。」

と奥様も大満足。

「次はどんな家具をお願いしようか検討中。その時間も楽しい。」

とご主人様も笑顔。

そんなお二人の喜んでいるお姿が見られただけでも家具屋冥利に尽きるというものです。

これからH様はお庭を手入れして外と内、どちら側からも素敵だと思える住まいを目指していくとのことでした。

少しずつ、でも着実に理想のお住まいに歩んでいくお二人。

今回収めた収納が経年美化でより深みが出た頃に、またお邪魔させて頂きたいと思わずにはいられない体験なのでした。

 

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