料理がより美味しい、無垢材テーブルでお食事を
2019.8.25
日本におけるテーブルの歴史
アニメ「サザエさん」に代表される昭和の食卓のイメージ。
それはいわゆる「卓袱(ちゃぶ)台」での食事ではないでしょうか?
卓袱台とは主に畳の上で利用される、円形の天板に折り畳みが出来る脚をそなえた座卓の食卓を言います。
よく頑固親父が怒りにまかせて食卓に並べられた料理や食器とともに卓袱台を一気にひっくり返すシーンはテレビのお笑いコントでも有名です。
卓袱台以前には長く日本人の食卓の主流は銘々膳=(一人一人の膳)でした。
銘々膳は今でも旅館での宴会などで見られる、個人個人の食事が膳に盛られ、食後には食器・箸が入った箱が膳になる箱膳の事です。
江戸時代の食卓はこの箱膳が主流でした。
ちなみに箱膳は、膳とそこに格納された食器の管理は原則として、使用者にまかされていました。
食事の後は食器を湯茶ですすいだ後、布巾でぬぐい、箱膳に食器を入れて自分で膳棚に戻します。
食器を洗うのは、主婦や使用人が一括して一ヶ月に2~3日おき、決まった日に行われました。
食事の後にお茶碗にお茶を淹れて飲むことが皆さんもよくあるでしょう。
これはこの箱膳の湯茶で食器を濯ぐ事に由来しています。
その後、衛生観念も変遷し、卓袱台が主流になると毎回の食事後に全員の食器を一括して洗うようになりました。
卓袱台は、核家族化していく狭い住居の都市居住者にとって限られたスペースを有効に使用できるメリットがありました。
そのうえで副菜の多様化と、毎回食器を洗う必要のある油の多い料理の西洋化にも対応していることから箱膳に変わり普及していきました。
住まいの間取りという観点を踏まえれば、箱膳は旧来の土間の流し、膳棚、囲炉裏の間など江戸時代の住居空間の構成に即したものです。
対して、卓袱台は「茶の間」と家族を中心とする「都市的住居空間」に即したものと言えます。
卓袱台は昭和戦前期から戦後の高度経済成長期においてが全盛期でした。
テーブルへの変遷
1956年に日本住宅公団が2DKの集合住宅を供給するようになり、1970年代からは椅子とテーブルが卓袱台に代わって台頭を見せます。
また、食卓の雰囲気は「箱膳→卓袱台→テーブル」と3つの段階で、大きく変遷があります。
それはどの様な内容でしょうか?
箱膳=(銘々膳)の時代は、もっぱら父親が必要なことを話し、他の家族は食事の際の会話は禁止である場合が多くありました。
テーブル時代に入ると家族間の会話は自由となり、話題の中心は父親から母や子供へ移りました。
卓袱台の時代は箱膳とテーブルの中間でとなります。
そしてテーブルの時代では会話も自由となりましたが、共働きや子供も習い事などで忙しく、家族それぞれが違う時間と場所で、自分の好きな食事をとる「個食」「孤食」化も進んでいます。
時代の変遷とともに、食卓での会話自体が成り立たなくなってきたことはあらためて考えなければいけない時代であるともいえます。
食事が美味しく感じられる理由
食事は味も勿論重要ですが、「おいしい」と感じるには実は味だけでなく他の要素もとても大切です。
たとえば、採れたてのキャベツやレタスはとても甘く美味しく感じられますが、2日目、3日目になるに従って、新鮮味がなくなり美味しくなくなります。
しかしキャベツやレタスの栄養素とその成分が変化している訳ではありません。
緑黄色野菜は健康に良いとされますが、栄養学的には「βーカロテンが豊富だから」健康に良いのです。
しかしβカロテンは2~3日で分解されるものではありません。
化学的にはβカロテンは比較的、丈夫な構造で融点も180℃程度です。
つまり、キャベツやレタスの栄養分は変わらずとも、味は落ちていきます。
つまり味覚は「栄養学より敏感だ」ということです。
人は自分の体に良いものは鋭く見分けることができます。
腐敗し食べ物の臭いはとてもイヤなものですが、それは「腐っているから食べてはいけません」ということを味だけではなく、臭い(臭覚)でも感じることができるようになっているからです。
たとえば、カゼをひいて鼻が詰まっていると味が分からなくなりますね。
これは五感の順序が「触覚─臭覚─視覚─聴覚─味覚」となっており、臭覚が効かなくなってしまうと味覚も感じにくくなってしまうからです。
飛行機に搭乗している際のお弁当の味付けが地上よりも濃くなっているのも、ジェットの音と気圧が異なる事が要因です。
つまり味覚はまわりの環境に敏感なので注意が必要になります。
高級なレストランの食事より家の料理がそこまで美味しく感じない原因。
それは食材や料理の腕はもちろんの事、大きな要因としては「家の食卓が雑然として、テレビがついている」環境のせいとも言われます。
無垢材テーブルがおすすめの理由
そこで料理をさらにおいしく感じさせてくれる環境を整備するアイテムとして、おすすめなのが無垢材のテーブルです。
無着色の無垢材は自然のままの色味と質感を持っています。
木目も自然の杢目はひとつとして同じものはありません。
その為、料理の素材のポテンシャルを最大限に引き出してくれる背景として最適です。
またガラスのテーブルで気になるカチャカチャとした食器の音等も気にする事なく、食卓を囲む事が出来ます。
そして使う時間が長いほどに経年変化と言って色味が変わってきます。
傷がついても、その傷自体も経年変化するために着色の家具と異なり、長く使う中で色が落ちてしまったり、剥がれてしまう事がありません。
その住まいと、暮らしとともに、家族の歴史を紡いでいくものとなるのです。
そんな長く付き合うことのできる食卓、家具蔵で見つけてみてくださいね。
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