住まいと収納を考える
2019.12.3
「片付けなくても片付く家」の3大要素
家を新築する、リフォームする、その際に見直すべき「収納」。
ものが片付かない、収納場所が足りないとなる前に設計段階からポイントを押さえる事でしっかりと片付く住まいを作る事が出来ます。
家族で使うモノ、個人で使うモノが共存し、収納場所が使う場所にフィットしていない等、線引きがあいまいになるといわゆる「散らかりやすい」状態になります。
住まいづくりに際し、収納をしっかりと設計する事で、意識的に片づけなくても片付きやすい住まいになります。
今回はその点についてお話しします。
美しく片付いた住み心地の良い住まいを実現する為には下に挙げる3大要素を精査した設計が必要です。
それは「動線」「収納」「インテリア」。
シンプルな動線と機能的な収納システムがインテリアに組み込まれている必要があります。
動線上の最適な場所に効率的な収納を設ける事が「意識的に片づけなくても片付く家」の土台になります。
収納についての情報を設計士と共有する
新しい住居に必要な収納量を決める「収納診断」をしましょう。
自分で持ち物や収納の問題を把握する為に、現在の住まいの収納を写真に撮り、設計士と相談する事が大切です。
また散らかりがち=収納場所が決まっていないものも把握し、次の住まいではそのもの達の住所=収納場所をしっかりと決めてあげる事も大切です。
少し恥ずかしいかもしれませんが、この工程を踏める事でお互いの理解度やコミュニケーションも円滑になります。
また自分で荷物を把握する事で、要・不要を見直す機会にもなります。
「適所収納」を徹底する
「片づけなくても片付く収納」の鉄則は「使う場所の近くに、モノの住所を決める事」です。
おすすめの方法は、持ち物のリストを作成し、しまう場所も併せて記載すること。
この時に場所が定まらないものはしっかりとこの段階で検討します。
入居前には新居の収納に奥行きを合わせたかごを用意し、自分でその中にモノを分類し、引き出しの様に使用する準備を整えます。
こうする事でモノの指定席が決まり、新居の棚の使いやすさも向上します。
棚は奥行きを代える事が出来ませんが、可動式にする事で棚の高さは変えられます。
かごは奥行きを一定にしたうえで、幅と高さは数種類を用意する事がポイントです。
暮らしから考える動線と収納
「すっきりと片付く家にしたいので、収納をたくさん作れば解決出来る」
それは間違ってはいませんが、正解というわけでもありません。
先ほどからお伝えしている通り、片づけやすい家の仕組みを作る事が大切です。
家族全員が毎日必ず利用する「キッチン」と「サニタリー(洗面所・浴室・トイレ)」は住まいの中でも、最も人とモノが行きかう場所になるからこそ、生きた収納を計画する事が大切です。
キッチンは単なる「食事を作る場所」ではなく、調理以外にも「ゴミをまとめる」、「コーヒーを淹れる」、「買ってきたものを収納する」などの行為がほぼ切れ目なく続く場所です。
共働き等で住まい手が多忙な場合は、調理と同時に洗濯や身支度を同時並行で行うこともあるでしょう。
その為、家事動線の中核として他のスペースとのつなぎ方を検討する必要があります。
調理台から家電まで、シンクからゴミ箱までなど、各作業動線は「0~2歩以内」に抑えると使いやすいキッチンになります。
対面型にした場合、背面にカウンター収納を設けるとこの動線を網羅出来ます。
キッチンとカウンター収納の間の通路はキッチンに立つ人数をベースに検討します。
主に一人であれば、狭い方が効率的の為、ぎりぎり人がすれ違う事が出来る、750~800mmがおすすめです。
反対に2人で立つ事が多い場合は850mmまで広げましょう。
収納は開き扉よりも引き出しをベースにした方が、ひとめで見渡せるだけでなく、収納量も多く効率的です。
サニタリーは他の居室と異なり、家族が個別に使う場所。
そして日に何度か使用する場所でもあります。
洗濯・洗面・入浴・歯磨き・手洗いと行為も多岐に渡ります。
その為、収納すべきものの量や種類も必然的に多くなります。
住まいの中でもプライベート性の高い空間になる為、配置する場所と動線には留意が必要です。
浴室があり、高温多湿になりやすい場所なので浴室内部にはなるべくモノを少なくするのがポイントです。
脱衣所はプライベートな部分を含む為、扉を設けて人目を区切ります。
壁面には大き目の首脳棚を設けて、シャンプーのストックや洗濯用雑貨、バスタオルまでを収納出来るように工夫しましょう。
濡れたバスタオルは、そのまま洗濯機に入れてしまうと傷みやカビの元になる為、他の洗濯物も仮に干しておける一時物干しを設ける事もおすすめです。
いかがでしたか?
今回の収納計画の一例、住まいを検討する際は、ぜひ参考にしてみて下さい。
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