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銘木の一枚板にどのようなものがあるか

2019.11.28

 

一枚板として使用されるのは最低でも樹齢100年を数える巨木です。

なかには樹齢200年から300年、もしくはそれ以上のものもあります。

その圧倒的な生命力と天然木の持つ独特の質感を感じることのできる一枚板の家具は使うほどに味わい深い変化があり、同時にその温もりは使い手に安心感を与えてくれます。

一枚板として使用される天然木は多種類ありますが育つ環境や時間などにより、それぞれまったく違う表情を持った家具となります。

今回は数ある銘木のなかでも「ケヤキ」「ナラ」「タモ」についてお話しします。

 

 

明瞭感が特徴の「ケヤキ」


ケヤキは古くは「ツキ」と呼ばれ、これは「美しいもの」の古語に由来します。

また、一説には強度に優れ、立ち姿も見事なことから「強木(つよき)」から転じたとも。

赤みを帯びた木肌に鮮やかに描かれる明瞭で力強い木目。

それと辺材ともいわれる「白太(しらた)」もその木肌と明確なコントラストを描きます。

その色合いは時間とともに深みを増し、また、磨くことで光沢が生まれます。

強度があり耐杤性にも優れた、沖縄を除くほぼ日本全土に分布する、日本を代表する銘木の一つです。

箒のように空高くまで枝葉を伸ばしながらその樹径も太くなっていくケヤキの周りは、あまり他木は育ちません。

それは根を深く広く成長させ、周囲の水分をほぼ自身で持って行くためです。

なので、いわゆる「1本立ち」の状態になることも多い木ですが、これが「ここを掘れば水源がある=井戸をつくることができる」として、集落のランドマーク的な存在になっていったことが、現在も神社や寺院のご神木となっていることが多いことと無縁ではありません。

時間を掛け、ゆっくりと大きく成長していく非常に寿命の長い木で、なかには樹齢1000年という木もあります。

日本一とされる山形の「東根の大ケヤキ」は樹齢約1500年と言われています。

その扇状に広がる樹姿の美しさや、病中害に強いその性質から街路樹として使われるケースが多く日本全国に「けやき並木」がありその地域に根付いています。

材としては家具や内装材としては勿論の事、建材、漆器素地などにも使われています。

日本の家具作りでは古くから親しまれており和家具が広まった江戸時代には「江戸指物」などに桑や桐などと共に多く使用されています。

その明瞭な木目から漆塗りをするとまた違った木目の表情を楽しむことができます。

古来より続く人との関係、大きな立ち姿の安心感と強度。

住まいのアイコンともなるダイニングテーブルとして選ぶ理由は十二分といえます。

 

 

最も進化した樹木「ナラ」


ナラ材の木目や年輪を見ると、目が非常につまっているのがわかります。

こうしていわゆる放射組織を形成することで、自らを守り、ナラだけで構成された「純林」を造ることが可能になるのですが、このいわば「種の保存」ともいうべき特性に優れているのが、ナラが「最も進化した樹木」といわれる所以です。

また「水を貯める」といういわゆる保水力に優れていることも生き物として長く生きるためにとても有利なこと。

木材の表情は「板目」「柾目」というように、挽き方によって呼び名が変わりますが、その性質を活かして柾目どりしたナラ材は水が漏れないと言われるほどで、ワインやウイスキーの樽用の材としても重宝されています。

その時に生まれる放射組織の名残であり虎斑杢(シルバーグレイン)なども私たちの目を楽しませてくれるものです。

また、何よりも私たちになじみ深いのはブナやクヌギ、カシワと同じようにドングリが成る木であるということ。

この恩恵を求め、ナラの木の下で様々な生物たちが共存しています。

小鳥、リス、ウサギ、キツネやクマからもちろん人間も。

また、落ち葉の量が多いので地表面で豊かな土壌を育みこの中にはたくさんの微生物が活動しています。

そのことからナラの周りには多くの植物が育ち、それらも生態系の形成に一役買っているのです。

「最も進化した」木でありながら、「皆が集まる木」でもあるナラ。

家族が集まるダイニングテーブルにはぴったりの木かもしれません。

 

人とともにある「タモ」


主に寒冷地域に分布し、河川や湿地など土壌が柔らかく水脈が豊富な土地に多く生える「タモ」。

太陽に向かって真っすぐに、しかも早いペースで成長することから、「糸柾」といわれる細く、まっすぐ伸びた美しい木目を生み出します。

タモは古来より人と深く関わりあってきた木です。

タモの仲間であるトネリコもまた、ヨーロッパでは古くから神話性を持って語られてきました。

日本でも、聳え立つような立ち姿と天を覆うような枝の張り方から、御神木として崇め続けている地域も数多く存在しています。

また、道具材としてもアイヌ民族の住居であるチセの屋根材として、さらに農耕器具、弓などの武器など生活の核となる重要な用途に使用されていました。

硬くて丈夫はもちろんのこと、名前の由来の一つとされる、撓む・撓るという特異な性質を見抜いて活用されていました。

また、タモそのものが自然環境を保持してくれる事がひいては人の暮らしを守ってきた側面があります。

湿った土壌は場合によって土砂崩れの危険性を孕んでいますが、タモはそうした地の地下奥深くに幅広い根を張り、斜面の土砂崩れを防いでくれています。

タモはナラやブナなどのように群生はしないで、川などに沿った位置に配列して生長しているので、一層そうした災害を防いでいると言えるでしょう。

そのことからも「守り神」的な存在であったことがわかります。

くすんだ褐色ともいえる色合いはナチュラルな雰囲気に富み、その木目感は涼やかそのもの。

コーディネートもしやすい「神様の宿る木」、家庭の中心となるダイニングテーブルに使うのはどうでしょうか。

 

今回は銘木の中で代表的な樹種3つを紹介しました。

まだまだ色々な樹種を家具蔵では取り扱っています。

自分にぴったりの銘木でできたテーブル天板を探しに家具蔵へお越しください。

 

家具蔵の一枚板テーブル詳細はこちら

 

                                                                                           


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