ダイニングテーブル、裏面を見ていますか?
2021.10.27
ダイニングテーブルを選ぶ際に通常は天板と脚のデザイン、全体のフォルムなどを真っ先に注目すると思います。
それも非常に重要なことですが、ある程度好みの樹種、デザインが絞られてきたら、もっと詳細な部分も含めて
見て確認する必要があります。
テーブルの「ある部分」をチェックしてみることをおすすめします。
それは、「ダイニングテーブルの裏面」を見ることです。
実はダイニングテーブルの裏面の作りが各家具メーカーによって違いが最もでてくるからです。
「天板の裏なんて脚がついているだけじゃないの?」と思われるかもしれませんが、
無垢材のテーブル天板に限ってはそうとは言い切れません。
作り手の思いや長く使うための工夫が随所に施されている部分だからです。
「ダイニングテーブルの裏面」をみるポイントが大きくわけて3点あります。
反り止めが無い綺麗なつくり
ダイニングテーブルの裏面をみますと無垢材でつくられているタイプのほとんどが天板を安定させるために反り止めが何本か入っているものが多いです。
反り止めの種類には木製のものと金属製のものがあります。
木製のものは強度をだすため厚みが5、6センチ程度ある木片を板の木目に垂直に交わるように取り付けます。
木製の反り止めをつけるのに蟻桟といわれる伝統的な方法と木片をビスで直接固定する方法の2つがあります。
木製の反り止めは比較的大きくなってしまうため場合によっては椅子などを収納する際に邪魔になってしまうことがあります。
また、出っ張りがあり、足を組んだりするとぶつかったりお子様がいるご家庭ではテーブルの下にもぐる際は当って危険な場合もあります。
金属製の反り止めは多くの場合天板裏に溝を掘り込みそこに金属辺を埋め込みます。
天板の裏に突起がでるわけではないので天板の裏はスッキリしますが裏とはいえ、見た目はあまりすっきりしないのが現状です。
それに対して反り止めがなくつくられているタイプは天板の側面(木口面)の部分が工夫されているケースがあります。
そのタイプのひとつは板同士の接合部分をそれぞれ指(フィンガー)状に削り出し
互いに組み合わせていく技法、つまり「フィンガージョイント」と呼ばれる技法で作られているものがあります。
接合面積が平面と比べて約2倍になり抜群の強度が得られます。
また、上からの圧力に耐えパーツのズレや段差を防ぐこともできます。
これらは、すべて原木の乾燥技術の高さが伴うものであり、細かいところでもしっかり確認した方が、良いでしょう。
無駄が無いつくりを実現
ダイニングテーブルの側面をみますと天板下に幕板と呼ばれる補強材が入ることがあります。
幕板は意匠性の意味合いもありますが、本来の目的は天板の補強にあります。
一般的なテーブルのつくりに多い幕板は天板下のスペースが狭くなるため足が組めなく、結果居心地が悪くなる原因のひとつになっています。
また、アームチェアのアームの部分が幕板にあたり中に納まらないケースがあります。
結果使わない時にチェアのスペースをとってしまい部屋の空間を狭くしてしまいます。
それに対して徹底した乾燥と熟練の職人技による高品質なテーブルでは、幕板などの補強材を必要としないタイプがあります。
補強材が無いことで脚まわりがスッキリとしますので使い勝手の良いテーブルになります。
また、椅子の納まりも良くデザイン的にも見た目にもシンプルであり、必要最小限の構造体で構成された造形は無垢でありながら圧迫感がなく部屋の大小
天井の高さを問わず、日本の住環境にマッチします。
肌触りがよいつくり
ダイニングテーブルの裏面をみますと裏面の塗装がされていないケースがあります。
塗装されていないものは当然ざらざらしていて快適性が低くなってしまいます。
「木は呼吸している」と比喩表現されることがありますが木は湿気が多い時には湿気を吸い、乾燥している時には吐き出す性質があります。
よって、目に見える表面だけ塗装を仕上げますと、その吸湿のバランスを崩してしまい木の動きへと繋がってしまいます。
天板の表面と側面、裏面の計6面に仕上げを施すことによって室内環境から受ける影響が均一になり、より高い耐久性と快適さが実現できます。
天板と脚の組み方
●ノックダウンのタイプ
用途に合わせて脚の付け替えと高さを調整できます。
ダイニングテーブルから座卓へ変更、座卓からダイニングテーブルへ変更することができます。
搬入しやすく、収納もしやすいです。
ノックダウンのタイプの中では高さ、大きさや形に合わせて木のどこの部分を使うと強度がとれ
天板と脚のバランスが良いかを計算しつくして製作する必要があります。
付け替えが容易で短時間ででき、かつ強度があるジョイント部分の構造になります。
ノックダウンは、デザイン、強度を考え、バランス良く納めていく技術になります。
●固め込み
天板と脚を一体化することにより、全体が流動的で美しいフォルムに仕上がります。
搬入も考え、ノックダウンか固め込みか適切に選択することも大切になっていきます。
これまでダイニングテーブルの裏面のつくりをお伝えしてきましたが、ダイニングテーブルの表面だけではつくりの違いがわかりづらくなっています。
テーブルを検討される際は、是非表面だけでなく、裏面も触れてみてください。
関連する記事
最近の投稿
- 姿勢の改善にはチェア選びから 2024年11月22日
- チェリー材の家具を選ぶ際には“ここ”を見る 2024年11月20日
- “重たく見えない”無垢材家具の取り入れかたとは? 2024年11月18日
- “サステナブルな”家具選びとは? 2024年11月16日
- 年末年始営業と価格改定のお知らせ 2024年11月14日
- ダイニングテーブルの高さの「標準」と「適切な高さ」は違う? 2024年11月12日
- リビングテーブルは使い方や空間に合わせて選ぶ 2024年11月10日
- “一脚あると便利”なスツールはこう使う! 2024年11月8日
- ダイニングセットを購入するなら“椅子から選ぶ”その理由とは? 2024年11月6日
- キッチン収納 “スライドレール“の違いや構造とは? 2024年11月4日
カテゴリー
- 家具の選び方・置き方 (1,574)
- インテリア&住宅情報 (639)
- 人と木と文化 (397)
- ニュース&インフォメーション (440)
- オーダーキッチン関連 (406)
- 一枚板関連 (635)
- オーダー収納関連 (617)