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家具の「高さ」

2021.9.10

 

 

「高さ」は家具選びを行う際に重要な要素。

それはデザイン性やつくり、風合い、金額と実に様々な観点から成立するものになります。

しかしそれらの要素のなかでも「使い勝手」というのは、非常に大切なポイントでしょう。

特にデスクの机面やキッチンのワークトップなど「作業をする家具の使い勝手」はその高さに左右されます。

この高さ設定を誤ってしまうと作業がしづらいだけではなく、肩こりや腰痛など身体へも影響を及ぼすのです。

今回は作業を行う際に使い勝手の良い家具の「高さ」についてみていきましょう。

 

 

デスクの高さはこうみる


 

 

一般的なデスクの高さはどれくらいの高さでしょうか。

いわゆる教育用机のJIS規格表を参考にすると、家具蔵の無垢材デスクの高さである「H(総高)72センチは」身長170センチ前後(日本人男性の平均身長位)が想定されています。

ただ、実際にデスクを使用する場合、使用者の体格はそれぞれであり、また用途によっても適正な高さは変わります。

特に書きものや手作業をする場合とパソコンを用いた作業をする場合で多少の差異があります。

この2つの用途に関してより具体的にご説明しましょう。

 

デスクでの書きものや作業時の適性の高さ


書きものや作業時の適正な高さは人間工学による数式で算出されています。

それは「【座面から机面の高さ】=【座高】×1/3」

日本人の標準座高値は【身長】×0.55で算出されるので、これを基に椅子の座面高を42センチとした場合、身長ごとの机面の高さを算出すると以下のようになります。

【筆記作業時の机面の高さ】

身長150センチ=座高82.5センチ=想定される机面の高さ69.5センチ

身長160センチ=座高88センチ=想定される机面の高さ71.3センチ

身長170センチ=座高93.5センチ=想定される机面の高さ=73.1センチ

身長180センチ=座高99センチ=想定される机面の高さ75センチ

 

パソコン作業時の適正な高さ


パソコン作業時の適正な高さは1971年にアップル社が指針を作って以来、時代に合わせて変更を重ね、現在に至っています。

椅子に座った状態で腕を90度かそれ以上曲げた位置にキーボードがくるようにすると快適に作業ができます。

ただ、椅子の高さが変えられることが前提になっているため、椅子の高さを42センチとした場合、身長ごとの適正机面高は以下のようになります。

【パソコン作業時の適正な高さ】

身長150センチ=座高82.5センチ=想定される机面の高さ66センチ

身長160センチ=座高88センチ=想定される机面の高さ67センチ

身長170センチ=座高93.5センチ=想定される机面の高さ70センチ

身長180センチ=座高99センチ=想定される机面の高さ72センチ

デスクの高さは、作業時においてとても重要なものです。

カイロプラクティック医院で実際に起こった症例として、仕事中に度々腰痛を感じるようになった60代の女性への処方は、仕事で使用しているデスクの高さを変えることでした。

早速、いつも使用しているデスク(アメリカ製の高さ76センチ)を変更したところ、すぐに腰痛は無くなり、その後は快適に過ごす事ができたのです。

このことは身体とデスクの高さが合っていなかったことによる分かりやすい事例ですが、体に見合う高さ設定をすることの重要性を再認識するようなエピソードといえるでしょう。

家具蔵の無垢材デスクは受注生産。

そのニーズに合わせて高さも調整できますのでお気軽にお声がけください。

 

 

キッチンの高さはここをみる


 

 

キッチンは毎日のなかで多くの時間を使い、そのなかで屈んだり、左右に動いたりと様々な動きが発生している場所でもあります。

そのため、その作業面の高さもまたたいへん重要です。

今回はキッチンを大きく3つの箇所に分けて高さを考察してみます。

1.ワークトップ(作業台)

2.シンク

3.コンロ

例えば、料理を作る際には材料を洗い、切り出し、焼く・煮る・蒸す・炒めるなどの作業が行われます。

その場合、動きの流れは「シンク→調理台→コンロ」といったものでしょう。

あるいは、麺類を茹でる際は「シンク→コンロ→コンロ」など、その作業内容に応じて様々なパターンでこの3つの場所を行き来することとなります。

そして、この3つの場所にはそれぞれ使いやすい「高さ」が存在します。

●ワークトップ(作業台)

およそ30年ほど前まではキッチンの高さは「80センチ」が主流でしたが、日本人女性の平均身長が伸びたことが考慮されてかセンチ高い80センチが規格として取り上げられるようになりました。

更に1999年になってからそこに「90センチ」が加わり(BL認定基準※優良住宅部品認定基準の変更)、現在では8センチ、85センチ、90センチが一般的な規格となっています。

85センチの高さというのは「身長÷2+5センチ」というシステムキッチンメーカーの算出法からきており、女性の身長を16センチ程度(日本人女性のの平均身長は158センチ程)とした場合に当てはまる高さとなります。

最近では、前かがみの姿勢が続くと腰痛や頭痛の原因になるとの理由から、姿勢を重視した「身長÷2+10センチ」を推奨するケースも増え、90センチの高さを勧めることも多くみられるようになっています。

●シンク

システムキッチンのシンクの深さはおよそ18~23センチ。

その多くは19センチか20センチのものになっています。

シンクの底の位置を実際の身長から判断すると、前に立ち、シンクに手を入れて底に指が届くところが丁度良く、これが低すぎると腰が痛くなったり疲れたりしてしまいます。

シンクの「縁」の高さは、ワークトップの高さと同じが通常ですが、シンクにおいて実際に作業する位置は

水の飛び跳ね等も踏まえ少し下になる為、じつは5センチ程度高い方が腕や肩などの負担が減るのです。

●コンロ

コンロの高さも一般的にはワークトップと同じ場合がほとんどです。

ただ、実際に作業する高さは(ガスキッチンの場合は)ゴトクの上に鍋を置いた高さとなり(IHでも鍋の高さは発生します)、カレーやシチューなどの背が高い鍋での作業の場合は、少し背伸びするようなケースも考えられます。

男性の料理人が多い業務用のキッチンの高さが一般的に80センチであることを考えると、160センチ程の女性が85センチの高さのコンロを使用するということは明らかに高い位置での作業を強いられることを意味します。

また、ワークトップの項で触れた、姿勢重視の身長÷2+10センチの場合、身長160センチの女性の場合、コンロの高さは90㎝になり、更に高い位置での作業となるのです。

 

 

以上のようにキッチンにおける3つの作業位置は、それぞれの使い勝手から適正な高さが異なることがわかります。

人によって感じ方や何を重視するかも異なりますが、最近では、システムキッチンメーカーもいわゆる「段差式キッチン」を取り入れており、そのニーズも高まってきています。

家具蔵の無垢材キッチンはフルオーダーも可能です。

無垢材という木のキッチンの良さはもちろん、それぞれの方のニーズに合わせた仕様で製作することができます。

「キッチンスタジオ」では、有資格者によるキッチンのご提案、ご相談を無料にて行っております。

新築・リフォーム・リノベーションの際のキッチンについてのご相談もお気軽にどうぞ。

 

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