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「表参道店から~ケヤキ一枚板入荷のご案内~ その4」

2020.1.28

自然を愛で、その心情を最小の語句と掛詞を駆使して一つの精神世界を短歌や俳句に託すことの出来る日本人にとっての欅の存在というは、自然の素晴らしさへの敬意と自然の中で活かされている感謝の念を実感させてくれる、天からの贈り物なのではないでしょうか。

多くの方を魅了して止まない欅のテーブルは、まさに垂涎の的でしょう。

良材を見出すことが難しくなっている欅ですが、極上の無垢材一枚板天板が入荷いたしましたのでご紹介します。

 

竹箒を逆さにしたような特徴的な樹形の欅(ケヤキ)。

日本を代表する広葉樹であるという事は誰もが認めている事だと思います。

太古の昔からその立ち姿に魅了されてきた日本人は、他の樹とは意識的にその存在を区別して欅に敬意を払ってきました。

欅は万葉の歌にも詠まれるほど、その立ち姿は見事としか言いようがありません。

西日本には樟や椨(タブ)のような大木が存在しているのですが、絵になる華やかさや荘厳さには欅に一日の長が感じ取れます。

 

欅と日本人との関わり


日本ではもともと縄文人たちによって広葉樹がふんだんに使われ、高度な木工技術を築いていました。

時代が経過し、渡来人たちが力を付けて点々とした集落から次第に村・都へと権力集権がまとまりつつあった時代に広葉樹は乾燥に時間が掛かるということや、一旦伐採してしまうと数百年使用が出来なくなるといった問題が浮上してきました。

そこで日本的合理性として、生長の早さや生長場所がそんな山奥ではなく、運搬に比較的便利な針葉樹を選んだことは当然の成り行きであったのでしょう。

そうした中で欅は仏教文化が伝わるまでは、蝦夷地などで材として使われた以外に、ほとんど材としての有用性を失ってしまいました。

但し何百年にも渡って生長していく寿命の長さと、その神々しいまでの立ち姿から各地で御神木として崇められたり、村や集落の拠点決めの際に水脈の目安となることから人々に畏敬の念を持って大切にされてきました。

材として本当の真価を発揮したのはずっと後の平安時代以降の話で、特にノコギリが発達してからとなります。

生命力みなぎる木目や装飾的に活用できる様々な杢は他の材を圧倒し、唯一無二の孤高の存在として現在でも広葉樹の王として君臨し続けています。

欅という呼び方はこのころから呼ばれたとされています。

古代では、槻(つき)と呼ばれていましたが、語源としては、材としての「けやけきき」と言われています。

「けやけし」という形容詞の活用ですが、美しい・珍しい・一際優れている・目立つ・類稀な樹と言う事になります。

尚、欅が関東地方に多いのは、農家などを中心に上州などの空っ風対策として屋敷林(防風林)として多く植えられ、関東の黒土という土壌によく適したことがその理由ではないかと言われています。

元来欅は、関東ローム層は苦手の筈ですが、環境適応能力が思いのほか高いようです。

樹形の美しさ、雄々しい逞しさも欅の特徴のひとつで、竹箒を逆さまにしたように四方八方に枝葉を広げた様は、まさに広葉樹の王様に相応しい貫禄に満ち溢れています。

 

巨木としても有名な欅の一枚板


日本各地で高樹齢の大木を見ることのできるケヤキ。

なかでも山形県の「東根の大ケヤキ」は樹齢1500年(1957年認定)が最も有名で、日本一のケヤキの巨樹です。

国の特別天然記念物にもなっています。

群馬県の「原町の大ケヤキ」、山梨県の「三恵の大ケヤキ」とならんで「日本三大ケヤキ」とも呼ばれています。

 

今回の入荷は、高樹齢の欅の安定した樹形である2番玉から取った、長尺の美しい欅の無垢材一枚板。

流れるような杢目と赤身と白太の明確な「源平」が魅力です。

源平というのは、役割を終えた芯材の部分の赤身と活発に細胞分裂をして生きている部分の白太の色味のコントラストを表現したものです。

昔、源氏が白旗、平家が赤旗を掲げて戦ったことに由来しているようです。

見れば見るほど見事な欅の無垢材一枚板は、表参道本店・一枚板ギャラリーでご覧頂けます。

 

家具蔵表参道店・一枚板ギャラリーへのアクセスはこちら

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