伝統と革新が共存する銀座で選ぶ職人家具
2020.2.14
老舗が軒を連ねる銀座の街に、グローバルなラグジュアリーブランドが増えはじめたのが1990年代半ばのこと。
伝統を守りながらも挑戦を続ける老舗と、歴史に支えられつつも新しいモードを発信するラグジュアリーブランドの
共存は、現在では銀座の街づくりにおいて欠かせない存在となっています。
そこで今回は多くの人で賑わう銀座の街の歴史と家具の関係、そして現在の様子をみていきましょう。
家具の歴史
日本の家具の歴史は古く、奈良時代までさかのぼると言われています。
そもそも船大工がそのルーツであり、次第に宮大工へと変わった後に家具職人になっていったという説があります。
奈良時代から平安時代の家具や調度品を使っていたのは、いわゆる貴族です。
日本において家具や調度品を使う層は平安時代まではその貴族が主でした。
調度品の多くは漆塗りに蒔絵が施されていたり、または螺鈿(らでん)で彩られたりといった作りのもので、優雅な暮らしに見合った贅を尽くしたものであることが想像できるでしょう。
蒔絵や螺鈿は現代に至っても受け継がれている伝統工芸品の一つですが、奈良時代にはすでに今の中国から伝わっていたとされています。
当時は調度品だけでなく、建築装飾にも使われたと伝えられており、当時の贅沢な暮らしがうかがい知れます。
江戸時代に入ると、武士など貴族以外の層にも家具や調度品は浸透していきます。
使われていたのは座椅子や脇息(きょうそく)、座卓などの他に文机、箪笥や長火鉢などで、貴族のような蒔絵や漆塗り、螺鈿のような贅沢なものではありません。
しかし、暮らしの中で欠かせないものとして重宝され、現代もそのまま使われている家具の原型の多くはこの頃に出来上がったと言われています。
脇息(きょうそく)は、肘を置いて休息を取る際に使うもので、一般の生活の中で使われることはそうありませんが、座椅子や座卓、文机や火鉢などは、その後長い間日本で使われ続ける家具として残ることになるのです。
江戸時代以降、さまざまな発展を遂げた家具の一つに箪笥があげられます。
船中で使われていた船箪笥は、荒波での長旅にも耐えられるよう、頑丈な木に金具という作りで、商売に必要な印鑑や帳簿、筆や硯などが収められる引き出しが完備していました。
明治時代から大正時代にかけて、婚礼の際に嫁入り道具として婚礼箪笥や鏡台などを持たせる習慣が広まり、家具はさらに庶民の暮らしに浸透することになりました。
銀座と家具
銀座で家具が商品として扱われるようになった正確な時期を把握するのは難しいですが、1930年代には銀座にデパートが立ち並ぶようになり、衣類や日用品などを中心に上質な商品が手に入るようになりました。
ファッションをはじめとした欧米文化が根付き始めた頃であり、家具も少しずつ欧米風のものが使われるようになった時代です。
とはいえ、テーブルやソファ、椅子など欧米風の家具が見られたのは上流の家庭が主であり、一般庶民の家庭ではまだまだ和家具が主流でした。
それでも、デパートやレストラン、カフェには欧米風のテーブルや椅子が置かれるようになり、庶民にとっても身近な家具として浸透していきました。
戦火で多くのものは焼けてしまいましたが、銀座では、現代もさまざまな老舗が残っています。
そして、家具店の中にもいくつかの老舗を見ることができます。
銀座といえば、上質な素材の商品が置かれているという印象を持つ人は多いでしょう。
確かに質のよい素材を使ったものが多く扱われています。
ただし、上質な家具とは単に高価であるということではありません。
良い家具とは、職人やデザイナーがこだわりを持ち、丁寧に仕上げた家具であること。
その事が良い家具と言われる条件の一つではないでしょうか。
高価なものは多いですがそれは素材だけにかかる金額ではなく、デザインをおこす時間や、職人が作り上げていく時間の価格なのです。
現在の銀座の様子
今や多くの外国人観光客で大きな賑わいを見せる銀座。
世界に発信を続ける「トーキョー」を象徴する街として、日本古来の文化と最先端のトレンドが同居する街としてのステータスを築き上げています。
例えば銀座のシンボルの一つともなっている「東急プラザ銀座」。
銀座・数寄屋橋の新たなライフスタイル・プレイスとしてオープンしてから今年3月で5年がたとうとしています。「Creative Japan ~世界は、ここから、おもしろくなる~」
という開発コンセプトのもと、伝統工芸である江戸切子をモチーフに取り入れた光溢れる外観デザインは訪れた人を魅了します。
その他にも「Ginza Six」などの新業態が続々増え続けているのも記憶に新しいところ。
ここでも新しいショッピング体験の提供に加え、国内外に向けた文化コンテンツの発信企画や、来街者がパブリックに使用できるスペースを設置するなど、銀座の街は進化し続ける一方、歌舞伎座や築地市場なども近接するたいへんユニークな地域でもあります。
伝統と歴史が共存する銀座に家具蔵が出店してから今年で11年がたちました。
これからも皆様に愛されるお店を目指してスタッフ一同精進してまいりますので、引き続きご愛顧くださいます様お願い申し上げます。
新たなライフスタイルにも対応した新商品なども続々ラインナップ。
木のぬくもりを感じることのできる暮らしをご案内します。
スタッフ一同、皆様のお越しをお待ちしております。
関連する記事
最近の投稿
- 姿勢の改善にはチェア選びから 2024年11月22日
- チェリー材の家具を選ぶ際には“ここ”を見る 2024年11月20日
- “重たく見えない”無垢材家具の取り入れかたとは? 2024年11月18日
- “サステナブルな”家具選びとは? 2024年11月16日
- 年末年始営業と価格改定のお知らせ 2024年11月14日
- ダイニングテーブルの高さの「標準」と「適切な高さ」は違う? 2024年11月12日
- リビングテーブルは使い方や空間に合わせて選ぶ 2024年11月10日
- “一脚あると便利”なスツールはこう使う! 2024年11月8日
- ダイニングセットを購入するなら“椅子から選ぶ”その理由とは? 2024年11月6日
- キッチン収納 “スライドレール“の違いや構造とは? 2024年11月4日
カテゴリー
- 家具の選び方・置き方 (1,574)
- インテリア&住宅情報 (639)
- 人と木と文化 (397)
- ニュース&インフォメーション (440)
- オーダーキッチン関連 (406)
- 一枚板関連 (635)
- オーダー収納関連 (617)