ハードメープル材家具のコーディネート術
2020.2.19
無垢材家具に使用される樹種はナラ(オーク)、ウォールナットなどをはじめとして、非常に多岐にわたります。
それぞれに色味や木目などの表情、手触りに違いがあり、選ぶ樹種によっては家具になって空間に置いた際にその雰囲気はガラッと変わります。
ハードメープル材は、その中でもひと際明るく、清潔感のある「白木」と呼ばれるものの代表格です。
空間を明るく広く見せたい、という方にもお勧めのハードメープル材の魅力と、ハードメープル材で作る家具が、空間をどのような雰囲気に演出してくれるかをお伝えしていきたいと思います。
ハードメープルってどんな木?
メープルという言葉で「メープルシロップ」を連想される方は多いと思いますが、日本語で言うとハードメーブルは何の木にあたるでしょうか?
正解は紅葉が美しいことで有名な楓(かえで)の木です。
ただし家具材としてみたときは、日本原産のものはカエデ材と呼ばれる別物で、北米から輸入したカエデ材をメープル材と呼ぶ傾向があります。
カナダ東部~アメリカ北東部にかけての五大湖周辺に広く分布しているメープルは、カナダの国旗にその葉が描かれていることでも有名です。
中でも太古から人々の暮らしに密接なかかわりを持っているのが、シュガーメープル、ブラックメープル、ロックメープルに代表される硬質なハードメープルです。
メープルシロップはこのシュガーメープルの樹液から採取されますが、メープル材もこのシュガーメープルの木が材料となっています。
北米ではホワイトアッシュと同様に、生活道具や建物などに盛んに使用されてきました。
北の銘木・ハードメープルの魅力とは
ごく稀に(2000本に1本程度の割合で)、「鳥目杢」(バーズアイ)と呼ばれる小鳥の目のような渦巻状の斑点が木目の中に表れることもあり、非常に稀少価値の高い材として、通常の20~50倍という価格で取り引きされます。
まさに世界の銘木にも匹敵する、北の大地が育んだ奇跡の木材と言えるでしょう。
厳しい寒さや雪の重みに耐えて生長した北米産のハードメープルは、衝撃や摩擦に強く、ダンスホールのフロア、ボウリング場のアプローチやピンなどに使われることでも知られています。
また、明るい乳白色から独特の飴色に変化していく美しさ、緻密な木理に見られる絹糸のような光沢は、清潔感と透明感にあふれ、ピアノの枠組材やバイオリンの背板などとしても賞用されています。
耐衝撃性が高く、元プロ野球選手バリー・ボンズ氏が愛用のメープル材のバットで年間73本塁打の新記録をマークして以来、野球のバットの素材としても引っ張りだこになっています。
ソフトメープルとハードメープルの違いは?
「ハード」メープルというくらいですから、反対に「ソフトメープル」も存在します。
ハードメープルとソフトメープルは一見すると同じような木肌で色味も見分けがつきません。
その理由として、実はソフトメープルは樹種名ではなく、ハードメープルと呼ばれるシュガーメープルなどと比べて、やや軽くて軟らかいシルバーメープルやレッドメープルの総称なのです。
一般的にハードメープルよりも約25%材質が軟らかいものがソフトメープルと呼ばれ、強度を求められない用途で使用されることもありますが、家具材として何十年も使う目的であれば、ハードメープルを選んだ方が良いと言えるでしょう。
床の色味との相性
メープルの透き通るような白い木肌の家具は、明るい床に合わせて置いて、空間全体を明るく華やかに演出してくれるのは勿論です。
また以前は床と家具の色合いを合わせて統一感のある空間を目指すのが一つのセオリーでしたが、最近では敢えて床と家具を同じような色味にせず、濃いめの色合いの床にメープルのような華やかな色合いの家具を置くことで、空間に明るさや立体感を生み出し、お部屋全体を広く見せるという考え方が主流になってきています。
つまり床の色などに関わらずに、お部屋を暖かく明るい感じの雰囲気にされたい方にお勧めの樹種がハードメープルです。
圧迫感を生まない収納家具にもおすすめ
ハードメープル材の明るく艶やかな木肌は、一般的な白いクロス壁との相性も抜群。
濃いめの色合いの樹種で天井まで届く壁面収納や造作家具を作ると圧迫感が生まれがちで空間が狭く感じられてしまう、という方には、大きな収納を作っても壁の色と近く、圧迫感を生みにくいメリットもあります。
収納家具など含め、トータルで空間をコーディネートする際にも大活躍してくれる樹種と言えるでしょう。
家具蔵では今回ご案内したハードメープルをはじめ、チェリー、ウォールナットなど多様な樹種からお好きなものをお選びいただき、熟練の職人による受注生産を行っています。
そのすべてが無着色で、使うごとに変化していく木肌の色は、選ぶ樹種によってさまざまな表情を見せてくれます。
当然それによって「こう見える」というセオリーはあり、家具蔵全店には家具の知識だけでなく、木の知識とコーディネート術に長けた専門スタッフが常駐しています。
是非お近くの店舗まで足をお運びになり、実際の木肌など見て触れて体感してみて下さい。
ハードメーブルの無垢材家具を使用した暮らしの事例はこちらから
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