料理しやすいキッチンとは
2020.4.4
新築やリフォームでキッチンを新調する際に
「いったい何を基準にすればよいのか?」
と迷われる方も多いでしょう。
デザインやイメージが先行しがちですが、基準は料理がし易い、片付けがし易いプランであることが基準になります。
この基準に対して「耐久性」「デザイン性」「メンテナンス性」「予算」等を考慮することで
「素敵なキッチンだけど実際は使い勝手が良くなかった…」等々の失敗を回避することができます。
いわゆる「ベースプラン」が必要です。
ではこのベースプランをまとめる為に何が必要か。
まず実体験から紐解いてゆくのが何よりもベターです。
今使っているキッチン、または実家のキッチンなどについて、もっとこうだったらとか、この不満を解消したらもっと使い易くなる、と感じていることを拾い出して検証しましょう。
ポイントはキッチンの「タイプ」「サイズ」「動線」です。
キッチンのタイプ(スタイル)
キッチンの基本タイプは「オープンタイプ」「セミオープンタイプ」「クローズドタイプ」に分かれます。
例えば使用されているタイプがオープンタイプで壁付けのキッチンだとすると
「今度は対面式にしたい、またはアイランドにして家族ともっとコミュニケーションを取りたい」
或いは
「クローズドタイプ(独立型)から開放的なキッチンにして、皆が使い易くしたい」
というようなご要望を叶えるスタートラインは、基本のタイプを決めることからになります。
新築、リフォームに関わらずキッチンから全体のプランを考えることで、暮らしの中心となるLDKがまとまり易く、快適空間となります。
キッチンのサイズ
対面型のI型キッチンを一例としますと、「幅2400ミリ」「2550ミリ」「2700ミリ」が基本サイズです。
I型の場合はキッチンカウンターの左または右にシンク、シンクの逆側に加熱機器を取り付けますので、それ以外のセンター部分が調理スペースとなります。
例えば左にシンクがある場合、シンク左脇は100mm程の取り付け代(しろ)がありますが、水ハネが心配なので
もっとスペースを取りたいと考える方も多いでしょう。
しかし最近の水栓は水ハネを防ぐことができるよう、泡沫状のシャワー水栓もあります。
シンクのサイズもゆとりのあるタイプが多いので、まずは調理スペースを少しでも広くすることで、下ごしらえや調理、料理がし易いキッチンになります。
またキッチンの奥行は650mmが基本とされていますが、同じ高さでダイニング側にカウンターを伸ばして900mmにすることで、奥行方向にゆとりが生まれます。
ダイニング側から手伝いができますので、これも料理がし易い(フォローできる)という点でポイントになります。
そして何より大切なのが高さです。
高さは最も使う人の身長から導き出しましょう。
最適な高さは「身長÷2+5センチ」です。
例えば身長が160cmの人の場合は85センチが適正な高さということです。
オーダーキッチンは高さを設定できます。
システムキッチンメーカーのものは、85センチ前後で選択が可能です。
高さが合わないキッチンは料理中の負担が、身体に影響します。
料理は立ち仕事、腰痛の原因になることもありますので要注意です。
キッチンの動線
最後に動線です。
こちらもI型を例に検証します。
料理をするときの一連の流れを想像してみましょう。
まず、冷蔵庫から食材を取り出して、シンクで洗います。
つぎに調理スペースで刻み下ごしらえ。
加熱調理、盛り付け、最後に配膳、というのが一連の流れになるかと思います。
この流れは右利きの場合は右に、左利きの場合は左に流れていくようにすると、無理と無駄が無く、スムーズな作業が可能になります。
そして「冷蔵庫」→「シンク」→「コンロ」を頂点として結んだ三角形を「ワークトライアングル」と呼び、この総和が3600ミリ~6600ミリとなるまでが作業性の良い目安となります。
この数値はキッチンのタイプや幅で異なります。
I型で2550ミリですと総和が5100ミリ前後となるのが、使い易いワークトライアングルの数値です。
また、キッチンの背面には食器棚や家電収納カウンターがあります。
動作や移動を考えると、キッチンとの間隔は850ミリ~900ミリ、2人以上で使用する場合は1000ミリ~1200ミリを目安にします。
基準をクリアした後に、はじめてデザインやカウンター素材、機器(機能性、安全性、メンテナンス性)等々の選定を行うのが「料理のしやすい=使い勝手の良いキッチン」の目安となります。
逆からイメージしても決して悪くはないのですが、日々使うことになるキッチンです。
基準となるプランをしっかりと固めたうえで諸々を選んでいきましょう。
自分に合ったキッチン新しいキッチンプランをお探しの方、キッチンからLDK全体を変えたい方、快適な住まいと暮らしを考えたい、等々のご相談は最寄りの家具蔵キッチンスタジオまでお気軽にお問い合わせください。
キッチンスペシャリストの資格を持つスタッフはじめ、経験と知識豊かなスタッフがお話を伺います。
関連する記事
最近の投稿
- 姿勢の改善にはチェア選びから 2024年11月22日
- チェリー材の家具を選ぶ際には“ここ”を見る 2024年11月20日
- “重たく見えない”無垢材家具の取り入れかたとは? 2024年11月18日
- “サステナブルな”家具選びとは? 2024年11月16日
- 年末年始営業と価格改定のお知らせ 2024年11月14日
- ダイニングテーブルの高さの「標準」と「適切な高さ」は違う? 2024年11月12日
- リビングテーブルは使い方や空間に合わせて選ぶ 2024年11月10日
- “一脚あると便利”なスツールはこう使う! 2024年11月8日
- ダイニングセットを購入するなら“椅子から選ぶ”その理由とは? 2024年11月6日
- キッチン収納 “スライドレール“の違いや構造とは? 2024年11月4日
カテゴリー
- 家具の選び方・置き方 (1,574)
- インテリア&住宅情報 (639)
- 人と木と文化 (397)
- ニュース&インフォメーション (440)
- オーダーキッチン関連 (406)
- 一枚板関連 (635)
- オーダー収納関連 (617)