オイル塗装とウレタン塗装の違いを知る
2021.9.20
目次
皆さん、家具には色々な塗装があるということはご存じでしょうか?
実は塗装の違いで、家具の雰囲気は大きく変化し、塗装の種類によってメンテナンス方法も異なります。
家具を選ぶうえで「家具の塗装」を知っておくことは、とても重要なことなのです。
今回のコラムでは、そんな塗装の種類をご紹介していきたいと思います。
なぜ塗装をするのか?
そもそも木材には、どうして塗装を施すのでしょうか。
自然から切り出したような無垢の素材であれば、塗装などせず、無塗装のまま使用する方が、最も“自然”と思われます。塗装は木材の「保護」という重要な役割を果たしています。
木材の表面は、まるでスポンジのような繊維構造になっています。
その為、液体が付着するとすぐに木材繊維の奥深くまで浸透してしまい、結果的に液染み汚れになるという仕組みです。
もしも、無塗装の無垢材家具の上にワインやコーヒーをこぼしてしまったとしたら…
おそらくワインやコーヒーの色素が染み込んでしまい、せっかくの家具にシミを残してしまうことでしょう。
また、日々の生活で生じる黒ずみ汚れもつきやすくなります。
家具は、簡単に買い替えるものではありません。
お気に入りの家具をいつまでも永く使い続けたい、という願いを「塗装」が満たしてくれるのです。
それと同時に、無垢そのままではなく、「美しく仕上げたい」そんな意匠的なニーズにも塗装が応えています。
時間を経るに従って味わいが増し、愛着が深まるのが無垢材という自然素材の大きな魅力。
その魅力を引き立てる役割のひとつを「塗装」が担っているのです。
塗装選び
一口に塗装と言っても、多くの種類があり、その目的や効果は色々あります。
しかし、これさえ選んでおけば大丈夫というようなオールマイティーな塗装方法はありません。
それだけに塗装によって、どんな仕上がりになるのか、どのような効果が得られるのか、などの情報を掴んでおくことで、無垢材に対する満足度と楽しみが大きく拡がることでしょう。
木製家具の塗装の種類は大きく分けて5種類
家具の塗装を大きく分けると「UV塗装」「ラッカー塗装」「ポリエステル塗装」「ウレタンクリアフィニッシュ(ウレタン塗装)」「オイルフィニッシュ(オイル塗装)」の5種類に分けられます。
今回のコラムでは、その中でも代表的な「ウレタン塗装」と「オイル塗装」について深掘りしていきましょう。
ウレタンクリアフィニッシュ(ウレタン塗装)
家具店で販売されている家具でよく目にするのが、ウレタン塗装です。
家具以外にもフローリング材などにも使われている、塗装の代表格と言っても良いでしょう。
ウレタン塗装は、ポリウレタン樹脂という硬い塗膜を吹き付けて、木の家具の表面に保護膜を作り木の家具を守ります。
また、ウレタン塗装は自分でメンテナンスが出来ない為、しっかりとアフターメンテナンスをしてもらえる家具店であることを確認してから購入することをお薦めします。
ウレタンクリアフィニッシュのお手入れ
汚れやキズに強い塗装なので、日々の生活ではそれほど神経を使わなくても大丈夫です。
水拭き、お湯拭きが可能で、日頃のお手入れはこれだけで十分です。
また、油汚れが付いた際には中性洗剤を水で薄めてから拭き、水拭きをして最後に乾拭きをします。
(1リットルの水に対し、小さじ1杯くらいが目安)
家具蔵では、厚生労働省が定めた揮発性有機化合物(VOC)を含まない、安全性の高い塗料を使用しています。
奥行きのある上品な質感、確かな保護効果、お手入れのしやすさが魅力です。
日々のメンテナンスも楽なので、気軽に使えるのが一番の魅力です。
オイルフィニッシュ(オイル塗装)
オイル塗装はオイルフィニッシュ仕上げとも言います。
植物性のオイル(油)を木の表面から導管に染み込ませて内部に浸透させ、オイルが内部で固まることで塗膜の代わりになる塗装のことを言い、表面に膜を張っていないので、木の風合いをそのまま生かした塗装になります。
木の表情をしっとりと浮かび上がらせてくれるので、木の質感を大切にした家具によく使われます。
また、塗膜もないので、触った時の感触は木が持っている本来の触り心地をそのまま感じることが出来るのも大きなメリットの1つです。
水拭きを繰り返すとオイル成分が揮発し抜けてくるため、定期的に1~2年おきにオイルを塗りこむ必要があります。
手間暇がかかりますが、だんだんと艶が増し自然の風合いが楽しめるのがオイル塗装の家具です。
オイルフィニッシュのお手入れ
1年ほど経つとオイルが抜けることによる色の変化や表面のカサツキが出てくることが有る為、年に1~2回程度オイルを塗布するのがおすすめです。
オイルを塗り込み、木に油分を補充することで深みのある色合いが戻り、細かなキズやシミも目立ちにくくなります。
シミや汚れが気になった時は、薄めた中性洗剤で表面を拭き、汚れとまだ付着しているオイルを拭き取り、柔らかい布で水分を拭き取って下さい。(乾いた後カサツキがあればオイルを塗布しましょう。)
また、目立つ染みや傷がある場合は、表面を研磨し、オイルを塗り込むことをおすすめします。
研磨することにより表面のキズやシミがきれいになります。(深いキズなどは研磨でも修復できないことがあります。)
ただ、適切なやり方で行わなければ、表面の木目が潰れてしまい、美しい表情を損ない、削りすぎて凹凸が出来てしまうことがあるので、定期的に責任を持って出来る方には、良い選択の一つとなるでしょう。
いかがでしたか?
実は「家具の塗装」といっても色々なものがあり、使う材料や使う人の好み、また使い方によって選ぶ必要があるのです。
まずは、塗装の特徴を知って、自分に合った塗装の家具を選んでみて下さい。
家具蔵各店でも、実際の材料・塗装例を交えながら、お客様の暮らしのスタイルに合った塗装を、詳しくご説明させていただきます。
スタッフ一同、心よりお待ちしております。
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