本物の家具にも負けない
豊かな建築を
vol.03 チェリーのリビング・ダイニング 東京都 堀川邸
鶴崎智也建築設計事務所
鶴崎智也さん
建設会社勤務を経て、2001年に有限会社鶴崎智也建築設計事務所を設立。 住宅設計・監理、共同住宅設計・監理、店舗設計を手がける。 建築ジャーナル『東京の建築家とつくる家』『LiVES』他、メディアにも多数掲載。
「家づくりに正解はありません。住まい方がそれを導き、決めるのかもしれません。堀川さんの場合は、家具が決まっていたのも大きなポイントでした。 家具と比べたら、大きな建築は精密さからしてまったくもって敵いません。ただ、器としては負けないように。家具もそうですが、建築も細部が大事です。 本物のものづくりは、ちょっと触ったり、裏側を見るだけですぐにわかってしまいますからね。 この土地の豊かな自然をテーマに、「家具に見合う家をつくりたい」というご主人の熱い想いにも応えた建築になったと思います」。この家を設計した鶴崎智也さんはこう語ります。
所々に小さな窓を設けて、光を取り入れている。
太陽の光と心地良い風、清々しい緑に包まれた外観。
玄関へのアプローチを兼ねた車庫の奥がドライエリア。
リビングは「モデルノシリーズ」を中心に。チーク材の床とチェリー材の家具が自然になじんでいる。外のデッキの先は遊歩道の深い緑。
奥の和室との間に屋外デッキが入り込んだ形。テーブルの向こうに渡り廊下が続く。
手前の椅子が奥様の特等席。視線の先にあるモミジの大木がある。外のデッキの先は遊歩道の深い緑。
無垢材をふんだんに使用した木組みによるテレビボード。複数の周辺機器にも対応でき、すっきりと収まる。
現代のライフスタイルに合うデザインと使い勝手が魅力。接合面も段差なく仕上げられており、木の優しさが一層感じられる。
車庫から入る玄関には「コートスタンド エミネント」。奥は書斎。
吹き抜けの大空間の中でもソファ上部には天井を設け、守られたような落ち着きをつくる。鶴崎さんの設計センスが光る細やかな配慮だ。
家具蔵のダイニングテーブルに魅了され、ここから家づくりがスタートしたという堀川邸。
水に強いチーク材を天井と壁に使用した地下のバスルーム。