適材適所を見極める職人の確かな目
1.伐採
伐採はおもに秋から冬にかけて。樹木の活動が落ち着き、幹の中の水分や樹液が少ない状態になるのを待って行われます。これは虫喰いや腐れ、木材になった時の狂いを防ぐためです。
2.原木からの買い付け
山から下ろされた原木を、目利きの職人が厳しくチェック。納得のいく良材のみを選び抜きます。永い年月を生き続けてきた木は、さまざまな性質と表情を持ち合わせています。それら1本1本の個性を見極め、その木をどのように活かすかを思い描きながら買い付けます。
3.製材
製材は、丸太の割れ具合やコブ、ナリの状態で木の性質を見極め、木目を予測しながら挽き方を決定します。家具になるか、木屑となるか、職人の経験と勘が、その木の運命を左右します。
4.乾燥
製材後は、約1年をかけて含水率が12~13%になるまでゆっくりと自然乾燥。その間は、風通しを良くするための桟棒をはさみながら積み重ねて保管していきます。さらに、現代の気密性の高い室内で、エアコンや床暖房などにさらされる木にとっての苛酷な使用状況を考慮し、含水率が約6~7%になるまで機械乾燥と養生。製品になった後の生活環境に適応できるよう管理を徹底します。
5.木取り
乾燥を終えた木材は、木目の流れや節の状態を読みながら、パーツごとの型板を当てて墨付け。木目がまっすぐな部分は脚に、節の周辺のカーブした部分はチェアの笠木に…という具合に、適材適所を見極めてパーツを木取りしていきます。