奥深き「オーダーキッチン」の世界 ~その15~
2020.6.17
これから新築やリフォームを考えている方は、キッチンをどのようなものにしたら良いのか悩まれている人も多いかも知れません。
家具蔵のキッチンブログ「奥深きオーダーキッチンの世界」では、これまで様々な媒体で取り上げてきたケース・スタディを改めて振り返りながら、木のキッチンを実現された様々な方のプランと隠れたエピソードなども交えてご紹介してきました。
前回(6/15掲載・その14)は、建築家によって設計され、長年暮らした住まいのキッチンのリフォームに際して、思い切った発想の転換によるプラン変更を行いキッチンの様子を激変させたことにより、家で過ごす家族の時間が大きく変わったという、素敵な木のキッチンをご紹介しました。
ナラ材の明るい木肌に爽やかな陽光が差し込む木のキッチンは、同じ材料で製作されたテーブルや椅子、収納家具とのバランスも見事でした。
昨今の流行でもある、色調の濃い面材を見慣れた目にはとても印象的。
新しい発見のあるキッチン・インテリアの貴重な実例かも知れません。
さて、今回ご紹介するのは…。
家の新築に際して、キッチンはもとより間取り全体の配置計画に悩まれていた時に、偶然立ち寄った家具蔵表参道店 との出会いから始まった、東京と和歌山を結ぶ家づくりと木のキッチン・プランニングのお話です。
偶然の出会いに恵まれた家具ショップとの家づくり
和歌山県の南紀白浜から程近い、遠く海を見渡す高台の一角に新築されたS様の住まい。
昔から自分の好きなインテリアに囲まれた暮らしへの憧れがあったという奥様は、 東京に住むお嬢様と気晴らしに家具でも見ようかと表参道を散策し、偶然家具蔵に立ち寄ったことが出会いとなりました。
その品質の高さやスタッフのきめ細かい対応に安心した奥様は、そこから自然にご自宅の新築に関するお話をするなかで、キッチンを含めた家具やご新居のトータルインテリアをご提案するという流れとなりました。
それまで工務店に任せて進めていた間取りについて、いろいろと悩む事も多かったという奥様。
家具蔵のスタッフに家具選びの一貫としてキッチンも含めたプランの相談をすることになりました。
通常、家づくりでは、プランや設備の選定から始まって、床や壁の素材や色合いの選択を含むインテリアエレメント全てについて施主の意見が求められることが多く、施主は「本当にこれで良いのか」と悩むことになります。
特に様々な家具や照明、カーテンとのバランスまでトータルで考える事は意外と難しい作業でもあります。
「専属のインテリアコーディネーターが付かない私たちの家づくりにとって、家具蔵のトータルインテリアのサポートサービスはとても頼りになりました」
と話す奥様。
担当した建築士の資格を持つスタッフは事前に何度も現場に入りながら、工務店の設計士、現場監督と協力して無垢材キッチンや造り付けのオーダー収納家具を的確に取り付ける段取りを組みました。
東京と和歌山という距離に関してもしっかりとしたサポートにより不安は無かったとのこと。
「家の完成が近くなり、いよいよ家具が届くという日の前は、もうすぐあの無垢材家具とオーダーキッチンに会える!と楽しみでなりませんでした。家づくりの最初の時期から考えると相当長い時間と労力が掛かっていますが、もちろん待った甲斐があったと思っています。新しい家、新しい家具とキッチンと過ごせる今は、本当に夢のような毎日です」
と嬉しそうにお話される奥様の笑顔がとても印象的でした。
当初は手元を隠す立ち上がりを想定していましたが、ピアノ教室を開かれていて、レッスン後に生徒さんたちとキッチンまわりでお喋りをする事も楽しみのひとつである、というS様。
そこでフルフラットのアイランドが相応しいという事になり、途中からプランを変更しました。
間取りに対してのサイズ、調理の動線なども考慮したアイランドキッチンに奥様は
「うちにはこのスタイルが大正解でした!」
と大変満足されているとのことです。
この家を訪れるお客様は、なぜかこの無垢材キッチンカウンターの前に居ついてしまうそうです。
カウンターチェアに座った人と調理中も楽しい会話が弾みます。
無垢材テーブルを中心にレイアウトされたダイニングはリビングと一体でありながら適度に壁に囲まれ、程よい距離感と落ち着きを見せてくれる空間です。
「それぞれ違う事をしていても気にならないのがいい」
という家族の団欒スペースです。
無垢材が適材適所に多様されたキッチンとダイニングの位置関係。
チェリーとウォールナットのコントラストが美しいアクセントとしてヒノキの明るい床材に映えています。
写真左側にはゆったりとしたリビングスペースが拡がります。
玄関収納も家具蔵表参道店に展示してあるものに一目惚れをして同じものをオーダー。
大切なお客様を迎える家の顔ということもあり、本物の素材感のある物にしたかったということから実現しました。
壁には姿見(鏡)も同じチェリーの無垢材を枠にして製作しています。
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