無垢材でつくるオーダーキッチンの魅力
2020.10.2
毎日の「食」を型作り、暮らしの中心ともなる「台所」。
そんな場所で使用するキッチンは近年、対面型のキッチンが一般的になったこともあり、住まいの中でその存在感を大きく発揮しています。
そんなキッチンも多種多様な選択肢がありますが、そのなかでも憧れともいえる存在が「オーダーキッチン」。
その最大の魅力はやはり何といっても全てを自由に設計できる点です。
対面型やアイランド型といったキッチンの種類からはじまり、ワークトップやカウンタートップで使用する素材、デザインに至るまでまさに自分の手足となってくれるような思い通りのものが実現します。
さらには引き出しなどの収納スペース、あるいは食洗機やグリルといった機能面など、各自のニーズにピッタリな思い通りのキッチンに仕上げることができます。
調理スペースだけがきっちりと独立した、従来のクローズドタイプのキッチンはやはり根強いニーズがあります。
クローズタイプのキッチンには、調理の過程で生じる音や臭気あるいは来客に見せづらい部分などを、効果的にカバーできるメリットがあるからです。
そのうえで、上記のように最近のキッチンはオープンタイプが主流になりつつあります。
そこで起こることはキッチン単体で考えるのではなく、ダイニングやリビングと一体的にデザインする必要性=つまり家具としての存在価値も求められるということ。
例えば、リビングやダイニングのインテリアが無垢材や木のものでレイアウトされている場合には、キッチンについても同じ木材で統一したい、こんなニーズも今や珍しいことではありません。
オーダーキッチンであれば、これらオープンタイプからクローズタイプまで、幅広いニーズにしっかり対応することが可能です。
そのうえでダイニングテーブルやダイニングチェアは風合いと長い期間の使用を可能にする無垢材のものが近年主流になりつつあります。
木製のオーダーキッチンは空間や使い手のニーズを十分に満たしながら、空間全体の統一感も作り上げることができるのです。
無垢材オーダーキッチンのメリット
キッチンのパネルや取手の部分に使用する木材を他の家具と同じウォールナット材やチェリー材、あるいはハードメープル材やナラ材など、いわゆる「無垢材」でつくる。
厳選された素材を採用し、他の家具と調和させることで、統一感のある理想的なLDKスペースが実現できます。
そして、無垢材ならではの魅力。
それは「調湿効果」。
無垢材は天然木から切り出された後も、無数の細胞から成り立つ「多孔質」という構造によって、空気中の湿度が高くなると水分を吸い、逆に空気が乾燥すれば水分を吐き出すという、調湿作用を続けています。
このような性質を持つ無垢材を取り入れることで、キッチンのように湿気の多い水回りであっても、快適な環境をキープすることが可能になるのです。
木製オーダーキッチンのもう1つの魅力は、ナチュラルで健康的な空間を実現できることです。
まず天然木には紫外線をよく吸収する性質があるので、人の目に与える刺激を少なくすることが可能です。
また無垢材を多用した室内では、マイナスイオンが多く発生することが実験等で確認されており、人間の心拍数を安定化させて、様々なリラックス効果があることで知られます。
さらに無垢材から発散される香りについても、テルペン類という成分によって、ストレスの低減や呼吸器の安定化の他、ダニやカビの繁殖を防ぐといった、健康や衛生面での効果が期待されています。
無垢材オーダーキッチンで得られるもの
そして何よりも、時間の経過と共に増していく風合いや温もりなどを味わえる点は、無垢材を使用した木製キッチンにおける最大の魅力。
使い込むほど手に馴染む道具のように、木製のキッチンにも親しみや深い味わいが生まれ、日常生活の風景の中へ自然と溶け込んでいきます。
なお、無垢材の種類ごとに、色や風合いの変化は異なるため、それぞれの特徴をあらかじめ知ることも大切です。
例えばチェリー材においては、淡いピンク色から鮮やかな赤褐色へと、ウォールナット材は経年とともに色が明るく木目も鮮やかになってくるなど、材によっては劇的な変化を遂げます。
木製のキッチンをオーダーする際には、無垢材それぞれの特徴を知ることで、インテリアとのコーディネートにもグッと幅が広がります。
オーダーキッチンで気を付けること
もちろんキッチンはデザインだけでなく、機能性や実用性も十分に兼ね備えていなければなりません。
この点、キッチンで作業をする人の使い勝手を考えれば、収納スペースの充実度については、見逃せないチェックポイントの1つと言えます。
一口に収納スペースといっても、調味料ボトルのような小物から、鍋やフライパンといった大きな調理器具まで、用途にマッチした機能的な収納スペースを用意する必要があります。
その際には、引出し収納の数や高さをはじめ、包丁やカトラリー類の出し入れのしやすさ、あるいはダストボックスの配置場所などを、キッチンで作業する人の目線から、きめ細かく決めていくことが肝心です。
さらに室内の間取りやスペース、あるいは日常生活でキッチンを使用する人々の動線を考えながら、I型やL型または対面やアイランド型など、幅広いタイプから選び抜くことが大切です。
特に、ガスコンロやIHヒーターのあるクックトップを起点として、冷蔵庫とシンクを結ぶワークトライアングルの計算は、使いやすいキッチンを実現するためには、とても重要なポイントになります。
その上、キッチンカウンターやダイニングとのシームレスな連続性についても、十分に考慮することが必要です。
作業する人の効率性や負担軽減に役立つだけではありません。
そこで食べる人・片づける人それぞれと同じ食卓を通じて、豊かなコミュニケーションの時間を共有することができるようになるからであり、それがキッチンという場所において何よりも大切だからなのです。
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