テレビとソファの「適正距離」とは
2021.2.9
現代人は疲れ目の人が多いと聞きます。
スマートフォンの普及で、どこでも動画の視聴やネット検索が可能になったおかげで私達の生活は便利で快適になった反面、目には負担をかけてしまっています。
2014年から2019年の5年間で1か月の平均動画視聴時間は約4倍になったそうです。
(2014年は1時間51分、2019年は7時間13分)
そこで、家でテレビを見ている時くらいは少しでも目に負担がかからないような視聴距離で楽しめると良いはずです。
今回は意外と見過ごしがちな、テレビの視聴にちょうどよいテレビとソファの距離と高さについてご紹介します。
テレビを買ったからテレビボードも欲しい、最適なテレビボードの高さがわからない、家具一式を買うのにソファとテレビボードの配置する最適な距離がわからない、という方、まずはこのコラムを参考にしてみて下さい。
最適な視聴距離とは
テレビには見ていて疲れにくい「最適視聴距離」というものがあります。
近くでテレビを見ると目が悪くなるよ!なんて小さい頃によく言われたものですよね。
最適視聴距離は「テレビ画面の高さ×3」が目安です。
例えば、50インチのテレビだと画面の高さは約600ミリです。
計算すると600×3=1800ミリ必要です。
この1800ミリというのはテレビの画面から頭の位置までの距離で大丈夫です。
一般的な6畳の短辺の距離でテレビボードとソファを置くとこのくらいの視聴距離を保てます。
もし、せっかく家具店に来たもののお住まいのテレビのサイズが分からない場合は、その計算も可能です。
テレビのインチサイズはテレビ画面の対角線の長さを表しています。
「1インチ=25.4ミリ」なので42インチと仮定して計算すると約1070ミリ。
また縦横比が決まっていて16:9(ワイド)または4:3(ブラウン管)が一般的です。
ここから縦と横の長さを計算することができます。
ちなみにテレビのインチサイズを入力するだけで計算してくれるサイトもあります。
テレビの最適視聴距離は家具選びや住みやすい部屋のレイアウトに関わってくるので必ず確認するようにしましょう。
最適な視聴高とは
最適な高さのテレビ台を選ぶポイントを紹介します。
人の目線は自然と水平方向よりも少し下を向いていると言われています。
テレビを見るときも水平方向より少し下、具体的には10~15度下に画面の中央がくるような目線にすると目が疲れにくいと言われています。
映画館で一番前の席からの目線は、少し見上げるので疲れるという感覚をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
大切なのは10~15度下に目線を合わせることなのですが、計算するのは大変です。
そのため、一般的な人の目線の高さがだいたい何センチくらいになるかを覚えておくとよいでしょう。
そして目線よりも300ミリ~500ミリ下にテレビの画面の中央が来るのがベストです。
・座っている時の目線高さ(ソファ座面高約350ミリ) …約1100ミリ
・座っている時の目線高さ(チェア座面高約450ミリ) …約1200ミリ
・座っている時の目線高さ(床に座っている時) …約800ミリ
※サイズは目安で身長によって変わります。
例えば、50インチのテレビの画面高さは約600ミリなので、600÷2=300ミリが画面の中央となります。
よくあるテレビ台の高さで480ミリというサイズがありますが、床からテレビ画面中央までの高さが480+300=780ミリとなります。
もし、座面高約350ミリのソファに座って視聴する場合の目線高は1100ミリなので、1100-780=320となります。そのため、目線よりも320ミリ低い位置にテレビ画面が来ることになり、適正となります。
逆に高さが500ミリ以上のテレビ台だと座面高350のソファでは目が疲れやすくなる可能性があります。
テレビ台を選ぶ際には、テレビをどこに置く予定なのか、家族がどこに座ってテレビを見ることが多いのかを一度考えてみると良いでしょう。
テレビボードの適正な幅
せっかくテレビとソファの距離と高さについてお話ししてきたので、最後にテレビとテレビボードの幅についてもお話ししたいと思います。
テレビの幅も高さ同様、インチ数でだいたいのサイズが決まっています。
一般に販売されているテレビボードもよく何インチ用と記載がありますよね。
テレビボードを選ぶポイントは先にお話ししたように、どこに座って見るかによってテレビボードの高さを選ぶことです。
また、テレビやAV機器の重さに耐えられるか、配線がスムーズに出来るか、熱を逃がす構造になっているか等ということも重要です。
そして、もう一つのポイントは横幅のサイズのバランスが良いかという点です。
例えば、幅1300ミリのテレビボードに65インチのテレビ(幅1450ミリ)を乗せてみるとテレビ台よりもテレビが大きくなるため、頭でっかちになり、とてもバランスが悪く見えます。
逆に同じ幅のテレビ台に32インチのテレビ(幅800ミリ)を乗せてみると安定はしていますが、何かテレビボードがもったいないような気もします。
最後に42インチのテレビ(幅1100ミリ)を乗せてみると一番バランスが取れているように見えます。
可能であれば両脇50~100ミリほど、テレビより大きいサイズのテレビボードを選ぶことをお勧めします。
ただし、テレビの両脇にスピーカーや観葉植物、写真立て等をレイアウトする場合は両脇を100ミリ以上空ける場合もあります。
見落としがちなテレビの視聴距離や高さ、そしてテレビボードとテレビのバランス。
毎日目にする場所だからこそ、家具の素材やデザインだけでなく、使い心地も大切にするとより快適な空間になるはずです。
家具蔵各店ではお住まいの間取りやお持ちの家具、AV機器に合わせたプランを経験豊富なスタッフがアドバイスさせて頂きます。
お気軽にお立ち寄り下さい。
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