ダイニングテーブルをウォールナットにするメリットとは
2021.3.1
世に無数にあるダイニングテーブル。
その素材も様々で例えば一言で「木製」といっても私たち家具蔵が扱うような無垢材や合板を使用した木質系素材等、多岐にわたります。
そのなかで常に高い人気を誇る「ウォールナット」。
無垢材でもそれ以外のものでもこのウォールナットのテーブルは常に高い支持を得ています。
今回はそんな「ウォールナット」にスポットを当ててお話を進めていきましょう。
ウォールナットとは
ウォールナットには様々な亜種が存在しますが、その中でもっとも有名且つ最高級とされているのが「アメリカンブラックウォールナット」です。
その名の通り、主にアメリカ北東部(北米東海岸北部から五大湖周辺)に分布するクルミ科クルミ属の木です。
御存知のようにクルミは古代から人間や動物の貴重な食糧となってきた木の実です。
その歴史は古く、化石としてもかつて集落のあった周辺から出土しています。
アメリカでは昔から家の周辺にウォールナットを植えてサイクロンから家屋や人命を守る防風林としても活用してきました。
人の生活と深い関わりがある証拠に、原木を仕入れて製材しているとクリスマスで使用された電飾や鳥の巣箱等の成長過程で木に取り込まれた異物が出てきます。
狩猟で使用する散弾銃などの銃弾が出てきて製材機の刃を傷めてしまうこともあるので、注意深く板にしていくことが重要です。
ウォールナットが家具材として人気があるのは加工性・安定性・強度に優れ、美しい木目と色調があるためです。
17世紀後半、王政復古によりチャールズ2世がイングランド王として即位します。
「陽気な王様」と呼ばれ、社交や芸術を愛した博識ある国王のもと、ウォールナットが家具史上に大きな発展をもたらしました。
粘りがあり加工性や接着性に優れるウォールナット材は、当時の家具職人たちにも好んで使われました。
それまで家具材として多用されていたのはオーク材でしたが、ウォールナット材を使用するようになったことで、自由で精巧な造形が可能となり、曲線やねじれを駆使し、「カブリオールレッグ(猫脚)」などの新しい造形が生まれます。
高貴な印象を与える独特の杢などの美しさと相まって、富の象徴として王族や貴族の間で愛され、艶やかなビクトリア調やロココ調家具となったのです。
ヨーロッパの家具市場では、ウォールナット材による製品が人気を独占し、「ウォールナットの時代」と呼ばれました。
ウォールナットの魅力とは
イングランド王を含め、中世から多くの人々を魅了してきたウォールナット。
現在でも高い人気があります。
何故ウォールナットはそれほどまでに人気があるのでしょうか?
加工性に優れた材になるのがウォールナットですが、それが市井の人を魅了する理由の全て、と考えるのはちょっと弱いものがあります。
それにはこんな理由があるようです。
1.美しい色合いのグラデーション
他の木にはあまり見られない特徴として、ウォールナットは色素が豊富な木です。
特に紫色の色素を持つ木は北半球ではウォールナットくらいだと言われる程珍しいものでもあります。
この豊富な色素があることで、様々な色が混在する住まいの空間をしっかりとまとめ上げてくれる力があります。
一枚板テーブルのような自然形状で白太(表皮に近い若い部分が白く残っている箇所)があれば、さらにグラデーションは豊かになり、木が成長してきた歴史を感じることが出来ます。
2.繊細かつ力強い木目
木材の個性を最も表すのは木目です。
ウォールナットは風が強い地域で育つことが多く、脂分も多分に多い木ですので、そうした特性がデザインともなり、独特のラグジュアリー感に自然の表情を上手く溶け込ませたものとなるのです。
また、この木目感が和洋中を問わない空間への万能性を生むことも忘れてはいけないポイントです。
3.経年変化が美しい
着色をしていない木材はすべからくその色味を変化させていきます。
経年美化とも呼ばれるこの変化、多くの木材は使い込む程に紫外線等の影響を受けて色合い濃くなっていきますが、ウォールナットは例外で強い濃い色合いから明るい色合いに変化します。
着色家具にありがちな色褪せではない、自然の変化は使い込むごとに風合いも優しくなり、一方で木目も際立ち、さらに美しさを増していくのです。
4.高級感のある落ち着いた空間になる
ウォールナットの持つ落ち着いた色感は例外なくその空間に高級感をもたらし、周囲の雰囲気を引き締めます。
それにより、落ち着いた雰囲気の空間が作り上げられるのです。
ウォールナットの落ち着いた色合いは空間が過度に明るくまぶしさを感じるようなことも防ぎます。
シックで落ち着きのある大人の空間を作り上げることのできる材がウォールナットなのです。
5.「選択肢」が広い
ウォールナットの持つ表情が空間を選ばないことはお話ししました。
それは色合いにおいても同様です。
黒を基調とした色感は内装を選びません。
それゆえ、どんな住まいでもウォールナットの家具は高い支持を得ているのです。
同じく家具材や内装材でも人気が高いウォールナットは多くの場所で使われています。
いつもの空間に家具をプラスする際にもウォールナットなら統一感のある、間違いのない選択肢となることでしょう。
ダイニングテーブルをウォールナットにするメリット
これまで挙げてきた数々の魅力を持つウォールナット。
毎日の暮らしの中心となり、空間においての面積も多分に占めるダイニングテーブルにウォールナットを使うことは先程あげた「ウォールナットの良さ」をそのまま享受することとなります。
そしてその魅力を余すことなく楽しむのであれば、無着色で仕上げた無垢材テーブルを選ぶのが一番です。
無垢材は傷みができても直すことが可能で、非常に頑強。
それでいて使い込むごとに良い風合いが出てきます。
洋服のように一生使えるクオリティがあってもトレンドに左右されることで箪笥の肥やしとなることも少なくないものと違って、普遍的なものの多い家具という存在。
であれば、そこで一生にわたって使用できるようなものを選ぶのが賢い買い物と言えます。
そのうえで今までもそしてこれからも高級材の代名詞であり続けるであろうウォールナットを選ぶことが間違いのないテーブル選びへの近道かもしれません。
家具蔵のウォールナット材の無垢材家具のある暮らしの事例はこちらから
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