ウォールナットのダイニングチェア、異樹種のテーブルと合わせる場合は?
2021.3.19
目次
無垢材でつくられたものに限らず、いわゆる木の家具、というものは同じ色合い、または同じ木の種類で合わせるのはいわゆる「王道」です。
空間の統一感、という意味では間違いが無く、特にダイニングテーブルとチェアという対になる家具であれば、それが当たり前…、と思われるかもしれません。
ところがそれがそうでもないのです。
事実、テーブルとチェアを別の木の種類=違う色合いでコーディネートする例は存在します。
今回は、その「組み合わせの成功法」について、人気のウォールナット材のチェアからみていきます。
なぜテーブルとチェアを別の樹種にするのか
そもそもの話として、同じ木の種類でテーブルとチェアを揃えるのであれば、このような話題は出てきません。
ではなぜ、こういったコーディネートが存在するのか。
それは「空間にアクセントをつける」というインテリアテクニック的な話である場合もあります。
また、家族やパートナー同士で好みの樹種を統一できない場合の折衝案ということもあります。
ですが前者の場合でも後者の場合でも、上手くコーディネートすることで同一樹種でまとめるよりも、より上級者の雰囲気漂う空間が成立します。
色合いの違うものの組み合わせのコツとは
こういった「異質なもの」の組み合わせは無垢材、且つ無着色であるからこそ成立するといえます。
無着色で仕上げた無垢材家具は自然から生まれた色合いを持ち、それらは様々な色素から生まれたもの。
そういったものは基本的に合わせを選びません。
様々な植物が存在する森の中で調和が破綻しないのと同じことです。
ただ、そのなかでも互いの持つ色合いの強弱はあります。
その際に覚えておきたいのは「テーブルよりもチェアの色合いが濃い組み合わせとする」ことです。
例えば濃い色のテーブルに明るい色のチェアを組み合わせたとしましょう。
悪くはないですが、テーブルのほうが面積が広く、チェアに対して主張が強くなってしまいます。
一方で明るい色のテーブル×濃い色のチェアの組み合わせ。
この場合、テーブルの側面に位置するチェアがテーブルの明るい色合いに対して差し色となり、その組み合わせを引き締めてくれます。
そうすることで全体のバランスもとれ、互いが引き立つものとなるのです。
テーブルと異樹種のチェアはウォールナットがおすすめ
この場合、テーブルの樹種をある程度考えずにどのような樹種のチェアを選ぶのかというと、濃茶色、と表現されることも多いウォールナットです。
黒に近いその色合いはおおよそどのような樹種のテーブルとも相性がよく、また、空間をビシッと引き締めてくれる、そんな存在と言えます。
いわば高級材の代名詞であり、あまりにも有名なウォールナットですが、その人気の秘密はそのコーディネート性の高さにもあるといわれています。
洋服と同じように、いわば「黒」ともいえる色合いは空間や合わせを選ばない万能性があるのです。
ウォールナット同士でまとめれば落ち着いた雰囲気に。
異樹種で合わせてもウォールナットのチェアなら想定よりもグッと良い雰囲気の空間を作ることが可能です。
次からはその代表的な合わせを見ていきます。
チェリー材のテーブルと合わせる
ウォールナットと同様に人気の高い樹種、チェリー。
その赤みの強い温かな色味と、やさしい風合いは多くの固定ファンを持っています。
このチェリー材のテーブルにウォールナットのチェアを合わせる。
チェリー材は最初は淡い薄桃色をしているので、そのコントラストも強く映ります。
それでも決してウォールナットが浮くことはありません。
そして徐々にテーブル赤褐色に色を変えていくと同時に、ウォールナットも色を明るく変化させていきます。
そのことでお互いが似た雰囲気になり、さらにその風合いは良くなっていきます。
コントラストを楽しみながら徐々に同じ雰囲気になっていくのを楽しむ。
2度楽しめるのがこの組み合わせです。
ナラ材のテーブルと合わせる
いわゆるドングリが生る木で、ひょっとすると「オーク材」という方が通りがよいかもしれません。
もちろん、オーク材のテーブルと合わせてもウォールナットは映えますが、家具蔵で主に扱っているのは「ナラ」ですので、今回はナラでお話していきます。
ナラはナチュラルな色合いを持ち、テーブルもチェアもナラでまとめると素朴さや温かさ、そしてやさしい雰囲気が同居した印象となります。
これはこれで良いのですが、ここでチェアをウォールナットにすることで、クッキリとお互いの輪郭が鮮やかになってきます。
いわば「白×黒」に近い見え方でしょうか。
ナラの素朴で優しい感じをウォールナットの落ち着いた色合いが引き締めることでお互いが際立つ組み合わせになります。
ナチュラルな空間にアクセントを加えたい、そんな際にはおすすめ組み合わせです。
サペリ材のテーブルと合わせる
ここ数年、人気が高まっている樹種のひとつ、サペリ。
聞きなれない名前かもしれませんが、アフリカにルーツを持ち、有名な「マホガニー」と並び称される銘木です。
赤褐色の木肌と、帯状に現れる濃淡のある光沢が特徴で、この表情がウォールナットと合わせることで一層美しさを増してきます。
こちらもウォールナットのほうが基本的には濃い色合いになるので、ウォールナットのチェアがテーブルを引き締めることでより高級感のある組み合わせとなるのです。
いかがでしたか?
厳選された無垢材から無着色で作る家具は、その木の持つ個性を生かしながらも異樹種とも調和します。
そこにはこうしなければいけない、というルールはありません。
しかし、「こうした方が良い」というセオリーは存在します。
今回のお話もそのひとつ。
少し変わったコーディネートを楽しみたい方、せっかくなら色々な素材を使いたい方、間違いのないセレクトのお手伝いをいたします。
お気軽に家具蔵までお声掛けください。
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