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テーブルとチェアの「快適な高さ」の選び方

2021.3.30

 

 

レストランなどで食事をしている時。

知り合いの家に招かれたとき。

あるいは自宅で過ごしていて。

チェアに座り、テーブルを使用する際に

「何となく落ち着かないな」「食事がしづらいな」

など感じた経験はないでしょうか。

その理由として多いのはテーブルとチェアの高さのバランスが合っていないケースです。

勿論、フィーリングも併せ持つ分野なのでいわゆる「好み」も存在します。

しかし、より心地のいい食事の時間を過ごすための、ちょうどいいテーブルとチェアの高さのバランスというものは確実に存在します。

今回はテーブルとチェアの快適な高さ選びについてお話していきます。

 

 

「差尺」という考え方と基準


 

 

チェアに座って食事をする、あるいは作業をする際に不自然に肩が上がってしまっていたり、逆に背中が丸まってしまう…。

これがいわゆる「テーブルの高さとチェアの座面高が合っていない」状態です。

このバランスが良ければ、たいていの人が自然な肩の高さと姿勢で食事や作業を行うことができます。

このために必要なのが「差尺」を合わせる、という考え方。

差尺とはこの場合、テーブルの天板上までの高さと、椅子の座面との高さの差を指します。

実はこれには基準があり、その計算式があります。

これに沿えば、互いの丁度良い高さが割り出すことができる、というわけです。

その計算式は「座高÷3-2センチ」といわれています。

座高は「身長×0.55」というのが目安です。

例えば、身長が160 cmの方であれば、座高は160×0.55=88(センチ)となります。

上記の計算式で適正な差尺を計算すると、88÷3-2=約27.4センチが適正な差尺になります。

日本人の一般的な伸長から考えていくと、この差尺は27あるいは28センチ~30センチ程度が良いと言われています。

 

家族によって異なる体格をどう考えるか


 

この差尺が適正であれば作業性に優れ、疲れにくいテーブルとチェアの組み合わせとなります。

しかし、人の身長はそれぞれ異なり、家族でもそれは同様です。

180センチの人と150センチの人が同じテーブルで快適に過ごすためには同じ差尺で良いのか?

正解は「良い」です。

この差尺が適切な「27あるいは28センチ~30センチ程度」となっていれば、皆が快適に疲れにくく過ごすことができるようになります。

 

チェアとテーブルは「チェアから選ぶ」


 

 

差尺がとても重要な要素になるのであれば、どちらか基準になるものを決めなければいけません。

これはどちらから選んでも間違いはないのですが、おすすめはチェアから選ぶことです。

チェアは身体を預け、姿勢を支えるものという意味でチェアからのダイニングセット選びを勧めることも多いですが、これには「キチンと足が床に着く高さを設定する」という意味合いもあります。

自身の身体による荷重を極力分散させ、疲れにくくすることが快適な着座姿勢への第一歩です。

仮に足裏が床に着かないチェアの場合、本来足裏からも抜けていく体圧が他の箇所にかかり、その分疲れやすくなってしまいます。

つまり、チェアは足裏が床に付く座面高が推奨されます。

それに合わせた差尺をもとにテーブルの高さを決めると作業性が良いわけです。

試座してみて、自分の脚が床に着かない場合はそのチェアの脚をカットし、座面高を低くします。

ここでのポイントは全てのチェアを同じ座面高に設定すること。

例えば数脚のうち一脚だけテーブルに対して座面高が低いものがあるとします。

チェア単体では快適な座り心地でも、他の人と比べて低くしたチェアに座る人の作業性は損なわれます。

この場合、基準となるのは家族などのなかで「一番小柄な人」。

その人のチェアに3センチの脚カットが必要なら、他の人も同じ程度の脚カットを施した椅子を使い、そこからテーブルの高さを決めることが快適な作業性を持つテーブルとチェアの組み合わせになります。

 

テーブルから決めてはいけないのか?


 

 

もちろん、大きな面となり住まいの顔となるのがテーブルです。

どうしてもこれを使いたい、またはチェアだけを買い替えたい場合もあるでしょう。

その場合はテーブルの高さを基準とした座面高のチェアを選びます。

仮にテーブルの高さが74センチなら先程の基準に照らし合わせるとチェアの座面高の理想は44~46センチ。

この場合、足が床に着かないケースはよくあります。

しかし、無理に椅子の座面高が低いものを選ぶのはテーブルの高さと合わないことになりますので得策でありません。

この場合は差尺を優先するべきです。

とはいえ、疲れにくく作業性も良いのがベストです。

であればやはりチェアから決めていくのがお勧めなのです。

もうひとつ、チェアから決めた方が良い理由があります。

テーブルは既製品・在庫品であっても高さが選べるものもありますが、チェアはそうではないということ。

デザインも座り心地もお気に入りのチェアの脚の長さが調整できないケースは多いですが、テーブルの場合は意外と融通が利くので、やはりチェアから決めた方がモノ選びの自由度が変わってくる、というわけです。

 

ダイニングにおける快適な作業と過ごしやすさ、そして疲れにくさはチェアの座面高とテーブルの高さのバランスが重要です。

チェアのみ買替えの方、あるいはテーブルを買替えの方、もしくは両方を検討中の方。

今回の内容を頭の片隅に置いておいてもらえると、きっと家具選びに役立ちます。

忘れてしまっても大丈夫。

私たち家具蔵も、そうした個々に異なる事情とを今回紹介したような基準値と経験をもとに最適な組み合わせをご提案します。

お気軽にお問い合わせください。

 

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