ウォールナットのテーブルがもたらす「心理的な効果とは」
2021.6.23
ウォールナット、正確には「アメリカンブラックウォールナット」は家具やインテリアはもちろんのこと、内装材や工芸品、楽器などの素材としても高い人気を誇り、世界中で使われています。
世界三大銘木のひとつであり、古くから高級材として名を馳せてきました。
落ち着きのある深い色合いや、黒紫色または赤紫色といった多様な色をまとうウォールナット。
その複雑に交わる美しいグラデーションが洋の東西を問わず好まれ、不動の人気を誇っています。
ウォールナットを良く知らなくても、その濃茶の色合いを空間コーディネートに取り入れることを検討したことがある人は多いのでは?
そのくらい、家具材としては有名で定番的な存在でもあります。
そして、リビングダイニングの顔となるダイニングテーブル。
そのダイニングテーブルをこのウォールナットでつくられたもので選んだ場合、空間の印象や住まい方はどのように変わるのでしょうか。
今回は、ウォールナットが住まいに与える影響力、そして「与えてくれるもの」をみていきます。
ウォールナットの魅力
ウォールナットが高級感があるといわれる理由は、美しい木目と深みのある色合いによるところが大きいでしょう。
着色しない無垢材のウォールナットは濃い茶色のほか、時に黒紫色、赤紫色(紫の色素を持つ木は、北半球ではアメリカンブラックウォールナットのみ)などが見られることもある深い色合いが特徴です。
その色味は一様ではなく、辺材から心材にかけての様々な色がグラデーションを描き、美しい模様の表情を形成します。
木目自体も複雑に入り組んだそれが、鮮やかなデザイン性を持って私達の目を楽しませてくれるのです。
そして、人の手に触れたり、日差しを浴びたりするうちに次第に色合いが変化していきます。
はじめは濃い茶色、そして時間の経過とともに明るくまろやかな茶色へと変化していく様は劇的ともいえるほど。
さらに落ち着きのある、モダンでシックな雰囲気は保ったまま、使い込むほど光沢も増していきます。
そんな経年による美しい変化も人気の秘密です。
いわゆる無垢材のウォールナットを模した「ウォールナット風の色」に着色された家具を見たことのある人もいるでしょう。
着色の家具ではウォールナットを真似て表面を整える商品があるくらい、その色合いには人気があります。
ただ、その表情の変化と風合いは無垢材でないと出せません。
ウォールナットの家具を購入する際には着色せずに製作しているものを選ぶのがベストです。
「明るさ」を引き立てるウォールナット
ウォールナットはこげ茶の印象が強く「空間のイメージが暗く、重たくなってしまいそう」と悩む人もたしかにいます。
かといって、部屋の印象を明るくするために、白系の家具ばかりを置くとどうなるでしょう。
じつは、部屋を明るくするにはコツがあります。
壁や天井は大体の場合において白系の色合いが多いもの。
そのうえで、単純に同じ白系などの明るい色の家具を置いてしまうと、逆に落ち着かない雰囲気になることも。
「明るさ=白系」という発想は過度に空間を明るくしすぎてしまうことに繋がりかねないのです。
そこで、部屋の明るさを引き立てるような色と質感の家具を置くことがポイントになります。
ここでウォールナットの出番です。
黒に近い色調を持つウォールナットがそこに入ることで、内装そのものの明るさを助長し、また、光を反射して部屋全体を明るく感じさせてくれます。
ダイニングテーブルはチェアやソファなどに比べ、表面積も広いことで見える部分も多く、また、その分照明の反射も受けやすくその効果はてきめんです。
床や建具が茶系であればウォールナット材の家具をレイアウトするのは王道です。
建具と家具を合わせることで統一感を出すことができます。
一方で白系の床材や内装と合わせることで空間に広がりを感じさせ、実際よりも広く見せることができる。
そんな効果も期待できるのです。
ウォールナットが空間と暮らしに与える「癒し効果」
●色が与える影響
ウォールナットは黒に近い茶色に分類され、そのことで色学的な見地からは黒と茶色の両方の色の影響を与えてくれると考えられます。
黒は「落ち着き、高級感を与える」という効果があります。
茶色は「安心感や信頼感を与える」効果があります。
つまりウォールナットが持つ色は暮らしの中で「落ち着きや安心感を与える」ということになります。
家族が集うダイニングテーブルは賑やかな場所でありながら、そこに集まることで安心感と癒しが得ることができます。
また、パーソナルな時間を過ごしたい時には落ち着いた気持ちで過ごしたいものです。
そこにウォールナットのテーブルがあることで、色の効果がその心理的感情を助長してくれます。
●木目が与える影響
無垢材ウォールナットには天然素材が持つたくさんのメリットがあります。
その中でも、魅力のひとつとして「木目」があげられます。
無垢材は一本の原木から切り出すため、人工の工業製品では味わうことのできない、天然木のありのままの姿が現れるのです。
そこに現れる天然由来の木目が、私たちの暮らしに癒しをもたらしリラックス効果を生み出します。
ウォールナットは空に向かって真っすぐに成長し、日照条件など生育環境に恵まれている場合は比較的整った木目を持ちます。
しかし、生育する環境によっては波状や糸巻状の木目と混じり合うことによって独特な美しい表情を作り出すことも多々あります。
ご存知の方も多いかと思いますが、ウォールナットはアメリカ東部~中部にかけて南北に連なるアパラチアン山脈に自生しています。
厳しい寒さのもとでゆっくりと時間をかけて成長します。
そのため、雨や風・雪が積もることで木目の表情に変化が生まれ、ウォールナットならではの縮杢(ちぢみもく)などが現れます。
厳しい自然界を必死になって耐えた証は、その木の装飾性を高めるとともに暮らしにエネルギーを与えてくれることでしょう。
また、その木目には「1/fゆらぎ」と呼ばれる動きのパターンがあるため、人の目に優しい刺激を与え、気持ちをリラックスさせてくれます。
家具蔵では、一枚板天板をはじめウォールナットの魅力を味わうことのできるテーブルをデザインなども多数ご用意しています。
ウォールナットの落ち着いた色味と、唯一無二の木目は、これからの暮らしに癒しと心地良さをもたらしてくれるはずです。
住まいの顔になるダイニングテーブルにウォールナット材を選んでみてはいかがでしょうか?
コーディネート方法は私たち家具蔵スタッフがお手伝いいたします。
関連する記事
最近の投稿
- 姿勢の改善にはチェア選びから 2024年11月22日
- チェリー材の家具を選ぶ際には“ここ”を見る 2024年11月20日
- “重たく見えない”無垢材家具の取り入れかたとは? 2024年11月18日
- “サステナブルな”家具選びとは? 2024年11月16日
- 年末年始営業と価格改定のお知らせ 2024年11月14日
- ダイニングテーブルの高さの「標準」と「適切な高さ」は違う? 2024年11月12日
- リビングテーブルは使い方や空間に合わせて選ぶ 2024年11月10日
- “一脚あると便利”なスツールはこう使う! 2024年11月8日
- ダイニングセットを購入するなら“椅子から選ぶ”その理由とは? 2024年11月6日
- キッチン収納 “スライドレール“の違いや構造とは? 2024年11月4日
カテゴリー
- 家具の選び方・置き方 (1,574)
- インテリア&住宅情報 (639)
- 人と木と文化 (397)
- ニュース&インフォメーション (440)
- オーダーキッチン関連 (406)
- 一枚板関連 (635)
- オーダー収納関連 (617)