家具の街横浜でオーダー家具に出会う
2021.7.28
「横浜」と聞くとどのようなイメージが浮かびますか?
海や港はもちろん、近未来的な街「みなとみらい」での観光やショッピング、中華街や山手・元町のどこか異国情緒漂う空気感など、新旧の時代や東洋と西洋がうまく融合した魅力的な街を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
都心からのアクセスも良い一方で気軽に観光気分を味わうことができ、ハイセンスな街としても老若男女問わず人気の街、横浜。
実は、横浜は私たちが現在毎日使っているテーブルや椅子など洋家具発祥の地でもあるのはご存知でしょうか?
横浜の歴史と家具の繋がりを紐解いていきましょう。
横浜家具のはじまりは幕末
旧エリスマン邸
家具が好きな人なら「横浜家具」という言葉を耳にされたことがあるのではないでしょうか。
横浜家具の歴史をたどると、時代は幕末までさかのぼります。
1855年黒船が浦賀(神奈川県横須賀市浦賀)に来航し、1859年には横浜港が開港しました。
横浜港の開港とともに多くの欧米人が来日し、日本国内(居留地と呼ばれた横浜市山手・山下地区)に住居を構えて居留するようになります。
それに伴い、生活必需品である欧米スタイルの洋式家具も海を渡って日本にやってきました。
しかしながら幕末の日本は床座で食事をするスタイルが主流であり、洋式のテーブルや椅子はほとんど使われていませんでした。
渡来した人々は必要になった家具を買い足そうにも買い足せず、自分たちの持ってきた西洋家具を見せ、横浜港の船作りの職人や馬具職人に見様見真似で修理を依頼します。
1863年に英国人ゴールマンが家具職人・原安造に椅子の修理の依頼をしたのが最初ではないかと言われています。
山手と山下の外国人居留地に挟まれた横浜元町の腕の良い職人たちは、異国の家具の修理や製作を通じて西洋家具作りを習得しました。
それを機に横浜での洋家具製造技術がスタートし、日本と西洋の文化が融合した独自の横浜家具が誕生します。
居留する人々は国内でそれらを愛用するとともに、帰国する際にはその技術と質の高さを自国で喧伝し、横浜家具は世界でも高い評価を得ることになります。
こうして横浜は家具の産業が盛んな地域となり発展したのです。
横浜家具と元町商店街には深い関係が
更に横浜で技術を習得した職人達が東京をはじめ全国各地に散らばっていき、西洋の家具を日本に定着させていきます。
1868年に施工された日本最初の本格的ホテル、東京の築地ホテル館で使用した家具は、設備品以外、すべて横浜製でした。
そのことからも短期間のうちにかなりの進歩があったことが伺えます。
横浜の職人技術の大成はその後の日本の洋家具製造技術に大きな役割を果たしたのです。
山手・山下の外国人居留地に挟まれた横浜元町は現在「横浜元町ショッピングストリート」として多くの店舗が軒を連ね多くの人でにぎわっています。
初めて見る西洋の家具の修理さえも請け負った職人に敬意を表し、家具蔵横浜元町店のある元町ショッピングストリートを山手側に1本入った通りは「クラフトマンストリート」と呼ばれています。
今でも横浜元町近辺にはクラフトマンシップに添う丁寧なものづくりを行う専門店が多いのも、そんな歴史とのつながりが由縁です。
横浜家具の特徴とは実は「日本伝統の技術」
横浜家具は西洋の文化であったテーブルや椅子を、もともと日本にあった伝統的な木工技術を活かして作った家具です。
ヨーロッパでは古くから「家具は子へ孫へと受け継がれていくもの」という文化や考えが根付いています。
ですから壊れたら買い替えるのでなく、修理をして使い続けます。
修理をするには削ったり、組み直しが効く木材が有効です。
また、長く使うには強度が重要です。
例えば椅子の座面と脚など、家具の接合部分。
釘などの金物を使えば簡単ですが、そうしたものでの接合部は木組みのものと比べると格段に壊れやすくなってしまします。
木と木の接合にはなるべく釘は使わずに「ほぞ接ぎ」と言われる、昔ながらの日本の木工技術が使われています。
横浜が開港された時、日本ではすでに釘を使わずに木を組んで様々な物を作る木工技術が確立されていました。
その技術を西洋から入ってきた家具作りに活かしたのです。
このようにして日本の伝統技術と西洋から新しく入った文化を職人が融合させ生み出したのが横浜家具なのです。
横浜でオーダー家具に出会う
横浜家具は分業をせず、材料選びから仕上げまでを一貫して行うことも特徴です。
そのため、横浜家具を検索すると「オーダー」という言葉をよく見かけます。
家具は住まう人や空間に合わせてサイズや仕様もそれぞれ違うはずです。
既製品で間に合う場合もあれば、デザインは好きだけどサイズが…、もう少し引出しの数が多ければ良いのに…、など、どこか妥協して購入した経験をお持ちの方もいることでしょう。
その場合、愛着は湧きにくく、一部が壊れてしまえば躊躇なく捨て、また新しいものを購入する…、そんなこともありえます。
オーダーメイドの家具なら自分の要望を反映させることができます。
自分の暮らしを見つめなおし、考えた上でオーダーした家具であれば、またそれが1点1点丁寧に製作された家具ならひと際愛着も沸き、手を入れながら大切に使いますよね。
家具蔵横浜元町店でも熟練の家具職人たちが一点ずつ丁寧に仕上げる無垢材の家具をオーダーで製作しています。
愛着を持って末永く皆様にお使いいただきたい。
そんな職人の想いを代弁する店舗が横浜元町ショッピングストリートにあります。
緑あふれる店内には温かみのある多様な樹種から作られた様々なカテゴリーの無垢材家具を多数展示しています。
みなさまをお迎えする店舗入り口の無垢材チェアには通りかかる方たちが代わる代わる腰掛け、あまりの心地よさに顔を見合わせられる姿もしばしば。
横浜元町ショッピングストリートからは気候の良い時はみなとみらいや横浜駅まで海沿いを歩いて向かうこともできます。
皆様も開放的な港を中心とした山下公園や、石畳みの趣あふれる横浜元町ショッピングストリートを歩きながら住まいのアイデアを膨らませてはいかがでしょうか。
きっと心地の良い時間となりますよ。
家具の街横浜にお越しの際にはぜひ家具蔵にもお立ち寄りください。
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