現代のライフスタイルに合わせたベンチの活用法
2021.9.19
家具を選ぶ時のポイントは様々です。
サイズや素材、価格といった要素以外にも気を付けておくと良いこと。
それは、今の暮らしだけを見て選ぶのではなく、先々の住まい方を見据えた家具選びをすることです。
その方が、長い目で見て無駄の無い、経済的にも良い買い物となります。
例えば新築やリノベーション、引越しといった住み替えで新しい住まいに合わせた家具を揃える場合は、間取りや内装から家具選びを行うことが多いでしょう。
ただ、今後の住み替えや家族構成の変化が全く無い、とは誰も言い切れないでしょうし、むしろその可能性が多い人も少なくないはずです。
そのため、今後状況が変わっても使い続けることができる「使い勝手の良い」家具を選ぶこと=多様性を求めることはエコロジーやSDGsといった考え方にもリンクしながら賢い家具選びとなってきます。
今回はそんな「多様性」あるいは「使い勝手の良さ」を考えた際に導入したい家具の一つに挙げられる「ベンチ」についてのお話です。
ベンチの歴史と使い勝手の良いものとは
「ベンチ」というと公園や駅にある幅の長い長椅子を想像される人も多いのではないでしょうか。
多人数が横並びに座れる長椅子を総称して「ベンチ」と呼びます。
ベンチの発祥は古く、古代ギリシャの時代まで遡ります。
私たち日本の暮らしの中でも古くから長椅子の形状をもった座具はあったようです。
庶民の間でもポピュラーに見るようになった長椅子と言えば「床几(しょうぎ)」と呼ばれるもの。
飲食店の店先などで木の板に脚を取り付けた長椅子に座り、またその板の上に飲食物を置きテーブル兼用としても使われました。
ベンチは大きく「背もたれの付いているデザイン」と「背もたれが付いていないデザイン」に分かれます。
駅や公園にあるベンチの多くは背もたれのついたデザインで、後ろに背中を預け、寄りかかる事が可能です。
対して背もたれの付いていないベンチも昔から存在します。
上述の「床几」もまさにそれで、またいで座ことができるなど、自由な座姿勢がとることができるのが特徴です。
そして今回のテーマである「使い勝手の良い」ベンチはまさしくこの「背もたれが無いもの」となります。
ベンチは着座人数の余裕が生まれる
ダイニングスペース、つまりダイニングテーブルがある場所にはダイニングチェアを合わせることが一般的です。
チェアだけでなく、ベンチを合わせるケースも多くあります。
チェアは一脚に対し、座ることができるのは当然一人。
つまり、チェアの数=着座人数となります。
ベンチの場合は座る人数を固定しないため、一台で複数人が座ることができるスペースを作ることが可能です。
例えば小さいお子さんがいる家庭の場合、大人であれば2人しか入らないスペースでも、ベンチがあればお子さんが3~4人で横並びに座れたりもします。
お子さんは着座していてもじっとしていられないことも多いもの。
そんな時に後方からも出入りできるようなベンチはやはり使いやすいものとなります。
コンパクトスペースを実現するベンチ
ゲストを招きやすく、後述のようにスペースをコンパクトにまとめることもできるので若い世代を中心にベンチの導入を検討する人は多くいます。
テーブルで食事や作業を行う際のチェアへの出入りには、チェアを前後に出し引きする「椅子の引きしろ」を考えなくてはなりません。
これが十分でないと出入りが窮屈になり、ダイニングスペースそのものが非常に使いづらいものとなってしまいます。
しかし、間取りによってはテーブルと部屋の壁までの距離があまり取れず、椅子の出し入れが困難になることもあります。
そんな時に背もたれの無いベンチであれば、引きしろを考慮せずにダイニングをレイアウトすることが可能です。
その際に気を付けたいのがベンチの総幅とテーブルの脚間。
テーブルの脚とベンチの間が片側10~15センチ離れているものでないと左右から足が抜けにくくなります。
4本脚のテーブルでベンチを導入する際にはその点もしっかりと考慮しておくのが良いでしょう。
リビングテーブル代わりにも、飾り棚の代わりにも
シンプルな背の付いていないベンチは、「テーブルがそのまま小さくなったような形状」ともいえます。
こういったデザインを活かして、様々な使い方をすることが可能となります。
例えばリビングにおけるソファ前のリビングテーブル代わりとして。
ソファの前にリビングテーブルをレイアウトするのは定番ですが、少し物を置く、あるいは飲み物や軽食を置く、といった用途において、一般的なサイズのものは少々大げさすぎる場合があります。
また、そのせいでテレビ前の回遊スペースが圧迫されることもあるかもしれません。
そんな時、長細い形状のベンチであれば、ソファ前のテーブルとしてサイズも適当で、スペースを広くとることもできます。
もちろん、本来は座るためのものですからゲストが来た際には椅子として活躍してくれる、フレキシブルな2つの役割を果たしてくれるのです。
あるいは、対面式のキッチンでカウンターがダイニング側についている場合、カウンター下には何もないデッドスペースとなるケースがあります。
その様な場所にベンチを置く事で、ちょっとした飾り棚として活用することも可能ですし、玄関先に配置して、クローク兼靴を履くためのスペースとしてもよいでしょう。
このようにベンチは多目的な用途があり、当初の役割を終えたのちも他の場所で活躍する余地が十二分にある家具です。
もしくは当初から様々な役割を想定した導入でも良いでしょう。
家具蔵では無着色の無垢材で5種類のデザインのベンチを展開しています。
使い込むほどに味わいを増し、傷すらも味になる無垢材は長い期間の使用にもぴったりです。
ユーティリティ性の高い家具であるベンチ、導入を検討するならこういったものをお勧めします。
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