一枚板天板、いま「注目の」素材とは?
2021.9.24
目次
一枚板天板の希少性と人気の理由は
一枚板とは、高樹齢で大きく育った1本の木から無垢材を切り出し、それを繋ぎ合わせることなく仕上げた、一枚の板・天板のことを呼びます。
「世界にたった一つしか存在しない」唯一無二の希少価値があり、その木の生物としての生きざま全てを感じることもできるのが大きな魅力です。
空間にこの一枚板でできた「一枚板テーブル」をレイアウトすると、まるで空間全体にエネルギーが宿るような、そこにいる人達も「力」をもらえるような気持ちにもなれる存在です。
一枚板はその希少価値や独特の魅力から高い人気を誇ります。
今注目の一枚板天板の産地は「アフリカ」
一枚板天板に使用される樹種は広葉樹(幅の広い葉を持つもの)・針葉樹(針のような細い葉を持つもの)の違いを問わず、非常に多くのものが存在します。
そのどれもが自然が生み出した表情がデザインにまで昇華し、それもまた選択の際には大きなポイントとなってきます。
ウォールナットやケヤキといった、どこかで一度は聞いたことのある有名なものからあまり耳馴染みの無いものまで、それぞれにはそれぞれの良さがあり、また語るべき特徴を持ち合わせて、私たちを惹きつけるのです。
そのなかでどういったものを選ぶのが良いのか、という基準になるものもまた「人それぞれ」です。
インテリア性、サイズ、価格、あるいは一目惚れやその木のエピソードへの共感。
そうしたものを加味しながら選ぶ一枚板天板ですが、今まさに注目を浴びる樹種の産地があります。
それが「アフリカ」です。
アフリカ材の魅力は「美しさ」「大きさ」「選びやすさ」
アフリカ材が注目される理由として、まず挙げられるのが「木目や色調の美しさ」があります。
赤味がかかった色から、紫、黒に近いダークな色味や、もはや「柄」といえるような個性的な色調を持ったものまで、その表情はじつに様々。
アフリカ材は熱帯雨林で生育している木が多く、雨季と乾季があります。
日本とは全く違う気候や環境の中で育つため、木目も力強いものからユニークなものまでバラエティに富んでいる、というわけです。
また、テーブルとして使用するのに欠かせない「奥行」がしっかりと確保された板が多いのも特徴です。
アフリカ材は巨木になる木が多く、それでいて通直(まっすぐ)に成長する木も多いため、テーブルとして使いやすい奥行800ミリ~900ミリの一枚板に出会える可能性も高くなります。
見た目の美しさだけでなく、使い勝手の良さも兼ね備えているということはインテリアであると同時に「道具」としても優れたものになるということです。
そして「選びやすさ」。
一枚板は希少価値の高さから価格も年々高くなってきています。
特にウォールナットやケヤキのようにネームバリューのある有名な木は、その数の少なさも相まって、価格が高騰する傾向にあります。
そんな中、アフリカ材は無垢材家具専門店でも扱っている会社は少なく、知名度もまだウォールナットやケヤキほどではないものも多くあります。
ですが、木目や色調の美しさ、その堅牢さはいわゆるメジャーな銘木と較べてもなんら遜色は無く、そのうえで現状はまだ比較的買い易い価格で流通しています。
しかし、グローバルな情報化社会。
このアフリカ材の魅力がより知れ渡った時、流通する数量や価格も今とはまるで異なるものになることは否定できません。
そして、その中で赤丸急上昇の樹種が「サペリ」です。
今、注目のサペリ材とは
「サペリ」と聞いて、ピンとくる方はあまりいないかもしれません。
ですが、このサペリはインテリア業界において今まさに大注目の樹種なのです。
サペリは、アフリカの主に赤道付近のコンゴ、ウガンダ、コートジボアール、ガーナ、ナイジェリア、カメルーンなどの熱帯雨林地域などに分布しています。
国内でも家具材として使われることが多くなり、このサペリの魅力が少しずつ浸透してきています。
サペリは表面に独特の美しい縞目模様があり、「リボン杢」(後述にて説明)といった独特な雰囲気をもった杢もまた、魅力のひとつです。
この杢を楽しめるのは、私たち家具蔵が手掛けるような無着色で仕上げる無垢材ならではです。
樹高も非常に高く、40m~60m程の高さで大木となります。
(この樹高40~60mは、建物に例えると15~20階建の建築物に相当します!)
とてつもない大きさに育つ木であり、熱帯雨林の中で一際大きく葉を茂らせている木があれば、それはサペリである可能性が高いのです。
「サペリ」と「マホガニー」の関係
そんな熱帯雨林の中でも大きな存在感を放つサペリですが、なぜインテリア業界で注目されることになったのでしょうか。
主な理由はまず、「世界的銘木であるマホガニーと似た色調と木目を持つ」ことが挙げられます。
世界的にも有名な木で「マホガニー」という木があります。
ギターやバイオリン等の楽器やアンティーク家具等に興味のある方はご存知かもしれません。
非常に木目が美しく、光沢があり、色調としては辺材が灰白色・心材は橙褐色または紅褐色で、経年変化で使い込むほどに深い濃暗赤褐色に美しく表情を変えていきます。
キューバやホンジュラスが主な産地であり、なかでも「ホンジュラスマホガニー」は世界屈指の銘木です。
その人気から非常に手に入りにくいものとなったマホガニーですが、それが中南米から遠く海を隔てたアフリカに分布するサペリに注目を集めることとなりました。
サペリにはマホガニーと同じように光沢のあるストライプ状の木目が出ることがあります。
これを前述の「リボン杢」といい、この濃淡のはっきりした帯状の木目は、テーブルやその他の家具になった際に照明や自然光でキラキラと美しく輝く表情を見せてくれます。
まさに自然が織りなす芸術もいうべき、コントラストが楽しめます。
色調もマホガニーとよく似ていて、使い込むほどに深い赤褐色に変化していくのはまさしくマホガニーさながら。
「サペリマホガニー」という異称も納得です。
インテリアとの親和性の高いサペリ
サペリの使い始めの色味は、赤褐色ですが、使い込むほどに、色味は濃くなり、茶褐色へと変化をしていきます。
エイジングする中で少しずつ表情を変えていきますが、基本的に落ち着いたトーンの色調を持った樹ですので、どんな内装の空間にも合いやすいものとなります。
ビビットな色調のインテリアアクセサリーで空間にアクセントを加えても良いでしょうし、アフリカ系の観葉植物を入れても統一美を楽しめるのではないでしょうか。
サペリそのものがインテリア性の高い樹ですので、季節に合わせて、ファブリックや小物など季節感を演出することで、インテリアをより一層楽しめるはずです。
家具蔵各店に、サペリの一枚板、そしてそれと合わせるチェアの展示が多数ございますので、是非お気軽に見にいらしてください。
きっと素敵な一枚に出会えると思います。
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