ウォールナットの人気と家具材に相応しい理由とは?
2021.10.1
目次
知名度と人気の高いウォールナット
「ウォールナット」という名前は家具に詳しい、あるいは家具が好きでよく見ている、という人以外でも一度は耳にしたことのあるものではないでしょうか。
もしくは既に愛用している、そんな人もいることでしょう。
ウォールナットという樹種は今や多くの場所で高い知名度を誇り、そしてその人気も確立されたものとなっています。
ウォールナットと「クルミ」の違いは
多くの家具販売店で取り扱いがあり、家具以外にも床材をはじめとした内装材や、高級車のダッシュボードにも使用されるウォールナット。
このウォールナットは「クルミ」の一種であり、お馴染みの形状をした実が成ります。
ただ、木材として考える場合は、ウォールナットとクルミは、それぞれ別々の木として明確に分類されています。
一般的に木材での「クルミ」とは「オニグルミ」(クルミ科クルミ属)のことを表し、全体的に赤っぽい色合いが特徴です。
一方でウォールナットはそれぞれの産地によっても多少の違いはありますが、その色味のトーンは黒に近いもの。
色合いだけでも明確な違いがあります。
今回はそのウォールナットの代表格でもあり、200を超える種類のなかでも最高峰ともいわれる「アメリカンブラックウォールナット」に焦点を当て、その人気の理由や魅力に迫っていきます。
ウォールナットが人気を得た背景
「アメリカン…」の名が示すように、その産地は北米であるアメリカンブラックウォールナット(以下ウォールナット)。やや赤みを帯びた色合いであるユーラシア大陸産のものとの違いは、やはり色味にあります。
数あるウォールナットのなかでも「黒」の要素が一番強いからこそ、その名を冠し、その色調こそが中世の時代より多くの人に、そして場面に愛されてきた由縁です。
その加工性や高貴な印象から17世紀後半より「富の象徴」として王族や貴族の間で愛されたことが、現代に続くウォールナット材の隆盛の始まりです。
ヨーロッパの家具市場ではウォールナット材のものが人気を独占し、「ウォールナット時代」と称される時期があったほどでした。
歴史的な建造物にも使用され、時代を代表するデザイナーにも愛されていたことは数々の写真や映像で確認することができます。
その価値はいまや普遍的なものとなり、ここ日本においても高い知名度と人気を誇るものとなっているのです。
加工性と装飾性に秀でるウォールナット
ウォールナットと聞いて、誰もが思い浮かべる魅力のひとつはなんと言ってもその「色味」です。
しかし、家具を提供する側、いわゆる「作り手」にとってその大きな魅力は「優れた加工性」にありました。
この「優れた加工性」こそが、ウォールナット材ならではの自由で精巧な造形を可能とし、そのことが多くの人々に受けたことで家具デザインの歴史に大きな影響を与えています。
部材として活用できる部分も多く、それは無駄が少ないという特徴に繋がることも作り手目線からすると非常に優秀なものに映ったのでしょう。
また、その色味は複雑で美しい木目によって、さらに際立つものとなっています。
「ブラック」と称されるほどですから、その色合いは前述のように「黒」に近いものです。
しかし、そのなかには様々な色素が入り混じり、ひとつの材の中でもじつに豊かなグラデーションを描いています。
この濃淡が独特の美しさと高級感を演出し、「墨流し」とも呼ばれる美しい木肌と相まって多くの人々を魅了してきたのです。
色合いを明るく変えていくウォールナット
無着色で製作する無垢材家具はどれも一様にその色合いを変えていきます。
その変化の度合いや速度は樹種によっても異なりますが、大抵のものは当初よりその色合いを「濃く」していきます。
しかしウォールナットはその逆で、徐々に色合いを明るくさせていくことにもまた大きな特徴があります。
これは紫外線による影響が大きく、紫外線を吸収することでウォールナットに含まれるタンニンが酸化し、赤褐色を経由して黄味がかった明るい茶褐色へ変化するのです。
そのことでまるで水墨画を思わせるような複雑で美しい木目も際立ち、使い始めとは異なる表情を楽しむことができるのは現代に生きる私たちにとってもやはり非常に魅力的に映ります。
落ち着いた雰囲気は決して損なわず、それでいて長く使用することでより美しさを増すことも長い間高い人気を誇る理由の一つと言えるのです。
どんな家具とも相性の良いウォールナット
そんなウォールナット材はどんな家具とも相性が良く、例外なくその空間を落ち着きと威厳のある、そんな場所へと変えてくれる存在であり、それぞれに違った魅力も併せ持つものとなります。
例えば一枚の板の中にその木の持つ様々な魅力を凝縮させた一枚板天板なら、ウォールナットにおいても前述したような色合い・グラデーション・木目の美しさだけでなく、白太(しらた)と呼ばれる木の一番外側の部分と内側の黒い部分のコントラストも楽しむことができ、それでいて人の手では決して表現できないような複雑な形状の「耳」を愛でることも可能です。
ダイニングチェアならその色合いはどんな樹種のテーブルとも高相性であり、また、堅牢性は丈夫さが求められる日常のツールであるベッドフレームやソファにもピッタリです。
収納家具に使えば、高級感をもって、その空間を一段上の雰囲気に押し上げてくれるでしょう。
デスクであれば、その色合いは目にも優しく、疲れをいやしてくれるものとなるはずです。
私たち家具蔵ではブランド創設当時から一貫して厳選したウォールナットの無垢材家具を無着色でご案内しています。
各店の展示も、鮮やかな経年変化の跡がわかるものから作ったばかりのものまで揃えていますので、その魅力を存分に感じることができるはずです。
ウォールナットの魅力を感じに、一度お立ち寄りいただければ幸いです。
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