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キッチンの素材に「木」がお薦めである理由とは?

2022.2.1

 

 

キッチンの印象を決めるのは「素材や色」


 

 

キッチンの印象を決めるもののひとつに「素材や色」といった意匠の部分があります。

一言で「素材や色」といっても、その対象は天板や本体の面材、設備など多岐に及びますが、いわゆる「雰囲気」を大きく左右するのは天板と本体についての素材や色合いでしょう。

例えば天板は、ステンレスや人工大理石、またはクォーツなど素材も様々で、その色や模様もまた多様です。

ですが、さらに大きな印象を与えるのが本体の素材です。

間続きのLDKスタイルが主流である現代の住空間では、キッチン単体として考えるのではなく、リビングダイニングの内装・インテリア・家具との連動性、統一感がとても重要です。

 

 

同じ「木」の素材でもたくさんのバリエーションがある


 

 

床や建具などの建築部分、家具も含めた空間全体のトータルコーディネートを考えた場合、キッチンだけが「浮いて」しまわないようにしたいと思うのは当然のことです。

最近は色合いだけでなく、素材や風合いにもこだわる人が多く、オーダーキッチンやシステムキッチンメーカーでは多くのバリエーションの面材(扉材)を取り揃えています。

その中でもインテリア誌などでとりわけ多く目にするのが「木」をベースにしたものです。

直近のここ10年で考えてもメーカーの技術の進歩は顕著と言えます。

同じ「木」の素材でもシート材・化粧板・突板・挽板・無垢材などたくさんのバリエーションが存在します。

住まい空間の居心地の良さを決める素材選びは、リノベーションや新築の際には多くの人がその選択を楽しみにしている部分でもありますが、同時に大いに悩むところでもあります。

今回はキッチンの面材に使われる「木」の素材について、それぞれの特徴についてご紹介します。

写真では同じく見える「木」ですが、その素材の違いを知ることでキッチンの素材を選ぶ際の参考にして下さい。

 

「木目調」のものの進化


 

 

カタログなどで写真を見ていると、キッチンや家具以外にも、時計などのインテリア雑貨も含め、いわゆる「木」を使用したものは世の中に溢れています。

しかし、実物を見た時に「なんだかイメージと違う」と感じたというのはよく耳にする話です。

写真や動画では素敵に見えていたのに色や質感が抱いていたイメージと異なる…。

その理由の一つに、本物の木で作られているのか、あるいは「木目調」とも呼ばれる「木目をプリントしたもの」でつくられているかがあります。

その質感は、目で見るだけでなく手で触れてみると特に分かりやすいかもしれません。

プリントした木目を使っている素材としては、シート材や化粧板と呼ばれるものがあります。

最近では写真やプリント技術が進化していて、高解像度の大きな石目や木目の写真を、オレフィンシートと呼ばれるポリプロピレンやポリエチレンなどで出来たシート基材に転写することで、緻密な木目や大きな柄のテクスチャーも表現できるようになっています。

更には表面を凹凸加工することもでき、木目やタイル・布の質感をよりリアルに作り出すことも可能です。

色のグラデーションや木目の凹凸感も再現されているので、写真で見る限りでは本物に近い質感となります。

 

「木目調」と本物の木の違い


 

 

ただ、実際に家具やキッチンに使われた面材を見ていると何となく違うと感じてしまうのも事実です。

それは本物の木とは異なり、まず触れた時の温度が違うからです。

科学的に作られた素材が基材となっている以上、本物の木の様な「温もり」を感じることはできません。

さらにはその木目の配置が不自然さを感じさせる要因にもなります。

本物の木であれば同じ木目が繰り返されるということはありませんが、同じ品番の木目シートから作られた面材の場合、(材料の取り方によりますが)必ず同じ木目の部分が現れます。

全体的に木目の均整はとれますが、どことなく不自然さを覚えるのはそのためです。

そして意匠性だけではなく、毎日使う中では機能性という部分も気になるもの。

シート材や化粧板の場合、面材の正面部分・木口部分(厚みの部分)・裏面とそれぞれ面ごとに木目の化粧材を接着材で貼って仕上げます。

そのため初めは綺麗ですが使い込むうちに剝がれてしまうこともあります。

また剥がれるだけであれば見た目を少し我慢すればよいですが、面材の心材に使われているMDFやパーティクルボードは水を含むと膨らんでしまうため、そのまま使い続けると面材としての機能自体が損なわれてしまうのです。

そうなってしまった場合は面材を作り直すしかありません。

ただこうした建材にはトレンドがあり、木目の種類にもよりますがメーカー側は人気の柄は残しつつ、そうでない柄は頻繁に入れ替えて生産していきます。

そのため、面材を一枚だけ作り直ししたいのに同じ品番のものが手に入らない、ということもありえます。

 

無垢材のものは温もりと耐久性が違う


 

 

一方で本物の木=無垢材で作られたものは剥がれる、ということはありません。

もちろんキズが付くこともありますし、モノをぶつければ凹むこともあります。

ただ、内部まで同じ「木」なので薄く削り直すなどのメンテナンスで蘇らせることができるのです。

また一つひとつ表情の違う木目は、自然界の葉や花のように天然の色や質感のグラデーションで私たちを癒し、料理の支度や片付けで触れる度、その温もりで使う人を穏やかな気持ちにしてくれます。

キッチンは毎日使う住まいの場所であり、何度も作り替えるものではありません。

パッと見の印象だけでなく、キッチンを選ぶ際には数年後の姿や、そのキッチンに立つ自分をイメージしながら選んでいくことで、より良いものと出会うことのできる確率は増えることでしょう。

 

着色されたものか無着色か


 

 

また同じ無垢材であってもその表面に色を塗って仕上げているか、木本来の色のままで仕上げているかで、面材の意匠性・機能性が変わってきます。

家具やキッチンに使われる無垢材は主に広葉樹ですが、その中で濃い色を持った木は非常に希少です。

マホガニーやチークといった木の名前を耳にしたことがある方は多いと思いますが、これらは高級材として有名な銘木です。

また家具蔵でも取り扱いのあるウォールナットも人気が高く、一般的には「大きく分けて元々の色が濃い木」は高価格で取り引きされているケースが多くみられます。

そのため、パイン材・オーク材といった、ベースの色が「白(に近)い」木材に着色塗料で色を塗って仕上げているものも多くなっています。

理由は簡単。

その方が高級感があるからです。

ただ、色を塗るという事はその木の持つ自然な色のグラデーションや木目を台無しにしてしまう行為でもあるのです。

そして着色塗料で表面を化粧されているわけですから、当然年月が経つとそれは剥がれ落ちてきます。

逆に無着色のものであれば、経年と共に色ツヤが変わり使う人にしか味わうことが出来ない「味」がある表情へと成熟していってくれるのです。

 

 

毎日を快適に、そしてその暮らしをより長く。

本物の木=無垢材には、その木が育った年数と同じくらい、私たちの暮らしを豊かにしてくれる力が宿っているのです。

 

家具蔵の無垢材オーダーキッチンの実例はこちらから

 

家具蔵キッチンスタジオへのアクセスはこちらから

 

 

 


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