ナラ材家具の特性を知る
2022.3.24
目次
素朴で優しい、ナチュラルな雰囲気。
決して他の家具の色味や内装と喧嘩しない、主張しすぎない色合い。
その独特の杢。
長い期間を使い込むことで味わい深くなる表情。
家具や床材をはじめとする内装材でも人気を博すナラ材は世界中で定番と言える支持を集める樹種です。
ナラはドングリが生る木
「ドングリ」は私たちも公園などでよく見かける、いわゆる木の実としてはもっともメジャーなものの一つと言えます。
そのドングリが生る木であるのがブナやクヌギ、そして「ナラ」です。
「ナラ材」と「オーク材」の違いは
日本や中国、ロシアといった地域がおもな原産地であり、いわゆる「オーク」と総称される欧米のホワイトオークやレッドオークと混同しがちですが、この両者は厳密に言うと異なります。
おおまかにいえば「産地」で分けられ、日本や中国・ロシア産のものは「ナラ」、北米産などは「オーク」です。
優れた構造組織と「純林」を形成する「森の王様」である点は変わりませんが、木材とした際にはよりキメ細かく、力強い精悍な木目によって、その違いを見てとることができます。
特に日本産のナラ材は、非常にたくさんの広葉樹の中でも最高級材のひとつとして珍重されています。
明治時代以降の一時期、ヨーロッパをはじめとする世界各国へも盛んに輸出され、「ジャパニーズオーク」として一目置かれる存在となっていました。
ナラ材の特徴は家具に向いている
ナラ材の特徴としては広葉樹の特性である「強度や耐久性に優れる」うえに「揺れにも強い」という部分を十二分に満たすものです。
その点からテーブル、チェア、ソファフレーム、ベッドフレーム、そして収納家具とあらかた家具と呼ばれるものには好相性の樹種です。
その堅牢性から床材などにも利用されますが、毎日使うものに用いるには最適な材であると言えます。
ナラの木は特に放射組織が大きいことから、直線状の木目が出る「柾目取り」にした場合、穏やかで優しい表情の中に「虎斑紋(とらふ・シルバーグレインとも)」という虎の背中の縞模様や斑点のような杢目が入ります。
光に当たると銀色に輝くようにも見えるこの杢目は装飾的・美観的な価値を持って親しまれるものであり、かの有名な建築家フランク・ロイド・ライトも虜になったことで有名です。
ナラ材の魅力は「表情」と「質感」にある
ナラ材の魅力のひとつとして挙げられるのは、やはりその表情です。
「小川のせせらぎのような穏やかで美しい木目」と表現されることもあります。
ナラ材は製材の仕方で表情が変わります。
板目で材を取ると力強い山型のくっきりとした木目が表れ、優しい色合いの中にも存在感を見せてくれます。
また、柾目で材を取ると主張の少ない細かな木目が連続するなかで先述の「虎班」がさりげなく材の一部、あるいは全体を彩ります。
そして、手で触れると微かに感じる凸凹感。
これが視覚的にも立体的に映るので、素朴なやさしい雰囲気へとつながっていくのです。
こうした素材そのものの良さを存分に味わうためには、やはり無着色で仕上げた無垢材のものを選ぶことをお勧めします。
量産されるシート材では色合いを再現できたとしても、この個性豊かで一つ一つ違う木目は作ることはできません。
また、経年変化による色合いの違いも楽しむことは難しく、使うごとに深い色合いへと落ち着きが増していくような、年数を重ねるほど味わい深い表情に変わっていくような、そんなナラ材の魅力をしっかりと味わうのであれば無着色で製作する無垢材のものを選ぶべきといえます。
ナラ材でコーディネートされた空間とは
ナラ材の色合いはあくまで色名で大別するなら「ベージュ系」であり、一般的に「ナチュラルカラー」「アースカラー」と呼ばれる色合いに近いものです。
これらの色合いの特徴はコーディネート性が非常に幅広いこと。
洋服におけるナチュラルカラーやアースカラーを考えても、そのことは納得してもらえることでしょう。
そのことから、室内において面積が広い部分となる床や建具にナラ材(やオーク材)を選ぶ人が多いことも頷けます。
ナチュラル系の色合いで空間を揃えると「爽やか」「優しい」「自然感あふれる」というイメージが強い空間が出来上がり、それ自体は非常に人気の空間コーディネートです。
しかし、色が似通っていると同じ質感のものが揃うことにも繋がりやすく、いわゆる「のっぺり」とした雰囲気になってしまうかもしれません。
ナラ材は白木と呼ばれる明るい色味の樹種の中でも、木目が穏やかで表面もいかにも自然素材らしい細やかな凹凸がある材です。
そのなかで時折見ることのできる焦げ茶色の節や入皮、シルバーグレインの色味も相まって、明るめの空間の中でも控えめに、しかししっかりと空間にメリハリを作り出してくれます。
また、色味が濃いものとの相性も抜群。
サッシが黒、という住まいや黒色家電であるテレビ、もちろんウォールナット材のような黒や濃茶に近い樹種との合わせも抜群です。
ナラ材自体が表面に質感があるため、スチールや石、タイル等の表面にテクスチャーのある異素材とも相性が良い一方でパステルカラーとも好相性。
そんな万能性を誇るのがナラ材なのです。
無垢材無着色のナラ材の家具
このようにインテリアとしても汎用性が高く、馴染の良いナラ材ですが、その木目によって空間全体の雰囲気も変わります。
特にテーブルは椅子に座って使用する際には目線に一番触れる部分ということもあり、自分好みな木目を選ぶとより愛着が湧き、気に入ったものが傍にあれば心地よさも増すので、豊かな気分を味わうことができます。
家具蔵の無垢材テーブルの定番「テーブルヴィンテージ」は天板そのものを選ぶので、同じ樹種でも1つ1つ異なる表情の中から自分好みの一枚を実際に見て選ぶことのできるものです。
住まいのシンボルとして、毎日皆で使う家族全体のパートナーとして。
お気に入りのもの、愛着のあるものがいつも身近にある暮らしは、ささやかかもしれませんが確実にその人の暮らしを豊かにします。
家具蔵では無垢材チェアもナラ材で製作が可能です。
40種類以上あるなかから自分に合ったものを選ぶ。
そのことで長く座っても疲れずに寛げることでお気に入りの住まいは更に居心地の良い空間になります。
その他にもソファ・ベッド・デスク・各種収納家具からキッチン・仏壇に至るまで、幅広いラインナップでナラ材の無垢材家具を展開しており、トータルコーディネートも叶います。
ナラ材の魅力をより身近に感じていただける家具蔵各店へぜひ足をお運びください。
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