収納力で考えるならオーダーキッチン
2022.5.13
目次
暮らしとはモノが増えること
暮らしを営むことはモノが増えていくこととある意味で同じです。
便利なものが身の回りに多くあることは暮らしを豊かにします。
ですが、あまり使用しないものが増え続けることは限られた収納スペースを圧迫し、その時に使用したいものがそのせいで見つからない、ということもありえます。
それゆえに「いかにモノを増やさずに生活するか」と考えたり、不要なものの処分に頭を悩ませたりするのです。
キッチンにもたくさんのものが収納されている
それはキッチンにおいても同様です。
大掃除でキッチンに収納してあるものを全部外へ出したり、リフォームや引越などでキッチンを片付けたりしたことを経験した人が皆口を揃えて言うのは「想像をはるかに超える量のモノがキッチンにはある」ということです。
住まいの他の場所と同様に、いつ買ったか分からないものや本当に必要かどうか不明なものも含めて非常にたくさんのものがキッチンには収納されています。
昨今の断捨離ブームやいわゆる「丁寧な暮らし」というトレンドの中では、本当に必要なものだけを手元に置き、要らないものに収納スペースを占拠させないことが鉄則です。
それはキッチンという場所においても同じことなのです。
調理器具やキッチンツールなどは日々新しいものが出て来ます。
便利と思って購入しても、一度使用してその後は使わなくなったものもあるかもしれません。
そういったものが溜まっていくと収納スペースが圧迫されていきます。
キッチンには「量」と「使いやすさ」も含めた収納力が重要
収納計画においては「仕舞うものが収納全体の8割に収まるように」ということがよく言われます。
2割の「ゆとり」を残すことで、買い足しなどで今後収納物が増えることにも備えることができるというわけです。
キッチンにおいての収納を進めていくと「冷蔵庫上のスペースを有効に使えたら」といった要望や、「収納場所はあるけれども、何となく使いづらく感じる」といった違和感に行き当たります。
キッチンを選ぶうえでその決め手となる部分は多々あります。
そのひとつが収納力です。
より良いキッチンとするためには様々な要素を取り込んだ今回は収納「量」に留まらない「使いやすさ」も含めた収納力が重要です。
引出し収納をより使いやすく
最近はスライド収納、いわゆる引出し仕様が主流となっていて、キッチンでも多くのものが収納部は扉ではなく引出し仕様になっています。
その部分に使われるレール金物の機能性や荷重に対する強度も向上しました。
そのため、一つの引き出しを大きなサイズで作ることが増えています。
引き出し収納のメリットには「一度に内部を見渡すことができること」いうものがあります。
また大容量の引き出しは多くのものが収納できることによる収納力が特徴です。
ただ、力が弱くなった年配者にとって、大きな引出しは逆に使いづらいものになることもあります。
大きな幅の大容量の引き出しは、場合によっては二分割に幅を分ける、もしくは握りやすい形状のハンドルを取り付けるなど、使う人に合った形状にするようなカスタムを加えることもキッチンを検討する際に考慮したいポイントです。
お米の収納と炊飯後の動線を考える
私ども家具蔵でも、お客様にキッチンをご案内する中でじつに多くのキッチンを見てきました。
その中でも家庭によって本当にまちまちなのが「お米の収納の方法」です。
お米をあまり食べないからと2キロの袋をそのまま冷蔵庫に入れている人もいれば、古くから使い込まれた木製の米櫃にキャスターをつけてキッチンに置いている人もいます。
最近ではキッチン横にパントリーと呼ばれる食品庫を設ける人も多く、他のストック食材も含めて全て食材はその中に仕舞うという人も多くいます。
ここで一つ気にしたいのは、仕舞う「場所」ではなくそのあとのお米の「行方」です。
洗米する場合はもちろん、無洗米の場合でもシンクで水を入れ炊飯器もしくはガスコンロへと運ばれます。
更には、その後お茶碗に盛り付けて食卓へと運ばれるわけですが、この一連の流れがスムーズにできるかどうかは毎日のことになる場合、非常に重要です。
つまり、炊飯→盛り付け(→その後の収納)という行動がしやすい収納となっているかどうか。
米櫃・シンク・炊飯器・ごはん茶碗が手の届きやすいライン上にあるキッチンは使いやすくなります。
パントリーへの収納はキッチンをスッキリ見せてくれますが、こうした作業性を考慮するのであればパントリーの中でもキッチンからアプローチしやすいところに米櫃を置くなどの工夫が必要です。
食洗器やオーブンの位置も重要
オープンスタイルのキッチンでの定番となっているペニンシュラタイプ。
この片側が壁に接しているキッチンレイアウトは、左右どちらが壁になっているかによってシンクやクックトップのレイアウトも必然的に決まります。
それに伴い、食洗機を導入する場合はシンクに向かって右になるか左になるかが決まります。
しかし、右利きの人が多い日本であるにも関わらず、このレイアウトの影響で食洗機が左側になってしまうことも多いのが現実です。
シンクから食器を食洗機に入れる、という流れを考えると自然な動きとしてはやはり利き手側に食洗機がある方が望ましいと言えます。
またガスコンロ派とIH派が近頃は半々になっていると言われますが、オーブンを使う方はどうしてもガスにこだわるという方も少なくありません。
ただガスオーブンはコンロ下の設置となるため、屈み込む作業が必要となります。
ごくたまにということであればそれも気にならないかもしれません。
ですが、その「屈みこむ」という作業があることで使いづらい感じ、ついつい使用頻度が減ってしまうという人もいます。
せっかく費用を掛けてビルトインしたのに、使わなくなってしまうというのは非常にもったいない話です。
そこで考えられるのはウォールオーブンにして、腰より上の高さにオーブンを設えること。
その分、クックトップの下を鍋やフライパンなどの収納に使えるようになり、取り出す作業もスムーズになります。
オーブンが使いやすくなるだけではなく調理器具も扱いやすくなれば一石二鳥です。
最近では電気オーブンも種類が増え、海外製のハイスペックで高価なものだけでなく国内メーカーの機種も出てきています。
使う頻度やどこにこだわるかにもよりますが、一つの選択肢として今後日本のキッチンにも増えていく機器になるのではないでしょうか。
今回は3つの例を元にキッチンの収納力についてお伝えしました。
些細なことですが収納のサイズ・位置・高さを考慮することでキッチンは格段に使いやすくなります。
こうした微調整が叶うのはオーダーキッチンであればこそ。
キッチンメーカーを色々見たけれども納得できるものがないという場合には細かな要望も叶うオーダーキッチンを検討してみてはいかがでしょうか?
家具蔵ではキッチンの悩みについてもじっくり伺い、あなたにとって最良の提案をいたします。
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