ナラ材とオーク材の違いを知る
2022.8.18
目次
住まいに関する素材では大きな存在感を持つ「ナラ材」
素朴で優しい、ナチュラルな雰囲気。
決して他の家具の色味や内装と喧嘩しない、主張しすぎない色合い。
その独特の杢。
長い期間を使い込むことで味わい深くなる表情。
家具や床材をはじめとする内装材でも人気を博すナラ材は世界中で定番と言える支持を集める樹種です。
ナラ材とオーク材の違いは主に「産地」にある
お客様の中には、「ナラ材です」とお伝えすると「あぁ、オークね!」という方も多くいます。
一般的にオーク材と表現されるものは「ホワイトオーク」を指すことが多く、ホワイトオーク材は厳密にはナラ材ではありません。
確かにナラ材とホワイトオーク材は同じブナ科の植物で、仲間の木に当たるため見た目もそっくりで見分けがつきにくいのですが、簡単に区別する方法として産地があります。
先述したように、ナラの原産地は日本や中国、ロシアなど。
一方オーク材は主に北米が原産地となっており、ナラよりも重く、木口に見られる放射組織が大きいのが特徴です。
色味がナラ材よりやや白いホワイトオークと、少し赤みがかったレッドオークがあります。
ホワイトオークやナラは、導管を塞ぐチロースという組織が発達しているため、木に液体が入り込みにくく、ウイスキーやワイン樽などに使用されていることでも有名です。
ナラは「ジャパニーズオーク」とも呼ばれる
優れた構造組織と「純林」を形成する「森の王様」である点は変わりませんが、木材とした際にはよりキメ細かく、力強い精悍な木目によって、その違いを見てとることができます。
特に日本産のナラ材は、非常にたくさんの広葉樹の中でも最高級材のひとつとして珍重されています。
明治時代以降の一時期、ヨーロッパをはじめとする世界各国へも盛んに輸出され、「ジャパニーズオーク」として一目置かれる存在となっていました。
ナラ材の「色」を駆使したコーディネート
「ナチュラルカラー」といったらどんな色を思い浮かべますか?
ファッションのコーディネートでナチュラルカラーといえば、アイボリーやオフホワイト、ベージュ系の淡い色合いのことを指して使われていますね。
これは、綿・麻・絹・羊毛などのような天然繊維をイメージした色合いということで、ナチュラルカラーと呼ばれています。
天然素材の色合いは、服装でも比較的コーディネートの幅が広く、ナチュラルカラー同士の組み合わせや、アクセントカラーにモノトーンを加えた組み合わせなど楽しみ方は色々です。
同じように、天然木のナチュラルカラーの代表格と言えるナラ材家具は、とてもコーディネート性が高く、様々なインテリアテイストを楽しむことのできる家具材です。
例えば、同系のナチュラルカラーのフローリングの室内空間にナラ材家具をセレクトしても、ナラ材が持つ存在感は、いかんなく発揮され、埋もれてしまうことがありません。
ナラ材の「虎班」がコーディネートにアクセントをもたらす
最も進化した樹として、ナラ材の放射組織は虎斑(とらふ)杢という表情として、家具の表面に現れ、ひと際その存在感と個性を表現してくれます。
虎斑杢は、日本では虎の毛皮模様に似ているとことで、虎斑と呼ばれていますが、欧米では「シルバーグレイン」として銀色に輝く杢として、評価されています。
シルバーグレインは、窓から差し込む自然光で見た時と、夜になって照明の光で見た時、見る角度や光の強さなどで、様々に変化する様が、魅力にもなっています。
さらに、無着色の天然木材は、経年とともにその色合いにも変化を見せてくれるのです。
作りたてのナラ材は、明るいベージュ系(染色していない羊毛の地のままのような色)から、黄金色にまで色味を増し使い込むほどに艶が出てきます。
この色合いの変化は、お住まいの空間に時間とともに馴染んで、周囲の様々なアイテムとも調和してくれるようになります。
家具だけではないナラと人の関係性
ナラの立ち姿は太くどっしりと聳え立ち、その様子は森の王と言われるほどです。
ナラの木は「中群性」といって群生するのが特徴で、圧倒的に大きな森をつくることから「森をつくる樹」とも言われています。
ナラはいわゆる「ドングリ」が生る木ですが、それは私たち人間に食という恵みをもたらしてくれました。
その昔、縄文時代の人々はドングリを粉にしてお団子やパンを作って食べていたとされており、欠かすことのできない主食だったと言われています。
そして、広葉樹の中でも多くの葉を落とすナラは豊かな土壌を作ります。
豊富な鉄分やミネラルは森からやがて川へと流れ、海へと運ばれます。
この養分をプランクトンが摂取し、多くの魚がこのプランクトンをめがけ集まります。
その魚を食べるのが私たちです。
今でも私たちはナラの作る豊かな森からたくさんの恩恵を受けているのです。
そんな森を形成し支えているナラの木を実際に自宅に迎えてみたくなりませんか?
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