ウォールナットの無垢材家具の塗装でお勧めはウレタンかオイルか
2022.8.29
目次
家具やインテリアへのこだわりが強くなってきている近年
暮らしの道具として家具の素材とつくりにこだわる人が年々増えてきています。
ある意識調査ではコロナ禍で在宅時間が増えた人のうち、60%以上が家具により「こだわり」を持つようになったという結果が出ています。
全年代でも7割以上がインテリアにこだわりを持ち、若い世代ほどインテリアにこだわる傾向が強いようです。
その理由にも近年変化が生まれてきています。
以前は、誰かに見せたい、自慢したいという、他人からの評価を求める傾向は少なからずありました。
しかし最近はシンプルに「居心地のいい空間にしたい」という、他者からの見られ方よりも自分自身が満足することを求める傾向が高まっています。
木製家具でこだわりを追求するなら無垢材家具
そのような背景の中で素材に関してもいわゆる「本物」を選ぶ方が増えています。
家具材でもっともポピュラーなのはやはり「木製」ですが、木製家具における「本物」とは、無垢材のことと言って良いでしょう。
合板材のようなものとは異なり、木そのものである無垢材は強度が高いことはもちろんのこと、手触りの心地良さがあり、そして使い込むことで味わいが増してくる点は非常に大きな魅力です。
無着色で仕上げたものは時間が経つと美しく色合いを変え、傷みが生じても研磨することで修復することができることは長く使用できるものとしても価値があります。
何よりも、住まいを居心地よいものにしたい、という発想において、無垢材のような自然素材を選択することで心身共に快適に過ごすことができるようになるのです。
そのような無垢材家具を選ぶ際に重要となるのが「塗装」となります。
今回は、人気のウォールナット材も例にとりながら、無垢材家具の塗装について見ていくことにします。
家具の塗装とは
無垢材家具は塗装をしていない木の素地状態のままですと、水分がそのまま染み込むので汚れや傷みの原因になります。
これでは、特にテーブルなどは常に注意を怠らないように使用しないといけないので気持ちよく使うのは難しくなります。
また、素材自体の劣化を招く恐れもあり、家具材になる状態の木はしっかり乾燥されていますので艶や潤いなく木目の美しさが際立ちません。
塗装をすることで家具を守り、潤わせ、木目を引き立たせてくれるのです。
人が体にスキンクリームを塗ることで肌のトラブルを避けることと同じようなイメージを、家具の塗装には持っておくとよいでしょう。
塗装の種類
家具の塗装は様々な種類があります。
オイル塗装、ウレタン塗装、ラッカー塗装、セラウッド塗装、UV塗装、その他にも様々な塗装方法があります。
家具の素材や用途、そのメーカーのこだわりによって塗装が選択されます。
その中でも代表的な塗装はオイル塗装とウレタン塗装ではないでしょうか。
簡単にそれぞれの塗装について触れてみます。
オイル塗装
オイル塗装はオイルフィニッシュ仕上げともいわれます。
植物性のオイルを木の表面から導管に染み込ませて内部に浸透させ、オイルが内部で固まることで塗膜となります。
オイル塗装は表面に膜を張らないので、木の本来の風合いをそのまま生かせる塗装となります。
木目の表情をしっとりと浮かび上がらせてくれるので、木の質感がより表現された家具に仕上がります。
触れた感触は木が持っている本来の触り心地をそのままダイレクトに感じることができます。
ただし、定期的なメンテナンスが必要となりますのでその点をしっかり理解し選ばなくてはなりません。
ウレタン塗装
家具の仕上げ塗装で一番多いのはウレタン塗装となります。
硬い塗膜を吹き付けて表面を覆うことでオイル塗装に比べて水分や汚れが染み込みづらい仕上げとなります。
やや艶が出る塗装で、メンテナンスが楽という点では家具以外にフローリング材などにも幅広く使用されています。
硬い塗膜であるゆえに木肌の優しさはオイル塗装と比べるとやや劣ります。
しかし、家具蔵のウレタン仕上げは木目の溝に沿って薄く塗りこむオープンポア仕上げになっています。
「ポア」とは、「導管」のことで、オープンポア仕上げは「導管が開かれた塗装」という意味になります。
それに対してクローズポア塗装は「導管が閉ざされた塗装」という意味になります。
オープンポア仕上げは無垢材特有の木目をある程度生かしメンテナンスも楽な塗装となります。
木材の質感を生かしながら、塗膜の保護も付加できる塗装仕上げで高い塗装技術も必要となります。
ウォールナット材にはオイル塗装が良いかウレタン塗装が良いか
無垢材家具の塗装は、その家具の使い方、使う方の感性や価値観によって変わってきます。
木によって、オイル塗装とウレタン塗装のどちらが向いているかという明確な答えはありません。
ただし、オイル塗装と相性がいい樹種はあります。
ウォールナット材やブラックチェリー材、ナラ材などはオイルが浸透することで木目が際立つ樹種であり、どちらかといえばオイル塗装にも向いているといえるでしょう。
家具蔵各店で多くの無垢材家具を展示しご案内しております。
その選択の中で最終的に塗装を確定していただきます。
お客様の好みやこだわり、継続的なメンテナンスができるかどうかなどを聞きながら塗装をお勧めいたします。
在宅時間が長くなり、「手間をかける」ことに楽しみを見出す方も増えているようです。
面倒に思えること、その工程を敢えて楽しみと捉え、手間をかけたことで愛着が増すという方も大勢います。
大切に使うこと、丁寧に暮らすこと、それを可能にするために「ひと手間」を加えることも重要になります。
家具に何を求めるか、何を大切にするか、答えはありません。
そこを見定めることから家具の塗装選びをされてはいかがでしょうか。
家具蔵の行う「木の風合いを生かした仕上げ」の詳細はこちらから
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