狭小住宅におけるテーブルの選び方
2022.10.15
目次
狭小住宅とは
戸建住宅を表現する際に「狭小住宅」という言葉を使うことがあります。
「小さいので狭いイメージ」と一括りにするのは勿体ないような工夫された間取りも多々あり、取得できる土地の広さには限りがある東京を中心とした都市部では戸建住宅を購入する人にとっては重要な選択肢のひとつです。
狭小住宅は明確な定義付けこそされていませんが、15坪(50㎡)以下の土地に建てられた住宅を指し、庭を造らずに敷地ギリギリまでが建物、ということが殆どです。
床面積を増やすために地下階などがあるケースも含め3階建て、あるいは4階建てになっていることも多く見られます。
狭小住宅の増加とメリット
住まい選びは様々です。
都心から離れた郊外に広くて大きな住まいを求める人もいれば、通勤や通学、その他の利便性を求め都心部、あるいは都心近くに住まいを求める人もいます。
都心部、あるいは都心近くでは地価が高いので、マンションではなく戸建てを選ぶ際には狭小住宅の選択は必然となることも多いようです。
そのようなことから狭小住宅の需要は高まりを続けています。
ローンや光熱費などの固定費も下げられることや、室内の面積に限りがあることで、身の回りは必然と必要最低限のものだけとなり、いわゆる「無駄のない空間」「シンプルな暮らし」が出来上がりやすいこともあります。
ダイニングテーブル選びが利便性や快適性、住まいの雰囲気を決める
戸建てであっても集合住宅であっても、住まいが大きくても小さくても家具は必要です。
そこには「サイズ」「レイアウト」の問題があり、屋内の面積が広ければ広いなりの、そして小さいなら小さいなりの悩みが出てきます。
住まいの主役といえばやはりリビングダイニング。
狭小住宅に限らず、今はキッチンも一緒になったLDKスタイルが主流です。
そしてそこにはほとんどのケースでダイニングテーブルが置いてあるはずです。
今や食事の場という役割に限らず、家族それぞれが個々の作業を行う場であり、来客にも対応する場でもある、いわば「家の顔」ともいうべき家具です。
空間において、この場合はリビングダイニングである程度のスペースを占めるものなので、そのサイズ選びはテーブルを使用する際の利便性、空間全体の快適性や雰囲気を左右することになります。
テーブルで過ごす時間は長いか短いか?他の家具や設備との間隔は?
住まいの間取りというものはそれぞれに異なりますが、狭小と言われる住宅の場合、可能な限りの広さや部屋数を確保するために少々変則的な形状となることもあります。
部屋ごとの形状に応じて、テーブルのサイズやデザインが変化することはある意味当然のことですが、部屋の形状がどのようなものであれ、以下の2点を考慮したものを選ばなければいけません。
それは
「ダイニングテーブルで長い時間を過ごすことが想定されるか」
「壁や柱、設備や他の家具とのスペースを十分にとる」
ことです。
ダイニングテーブルで長い時間を過ごすのか否か
「ダイニングテーブルで長い時間を過ごすことが想定されるか」という点は、テーブルのサイズとそれに伴う他の家具の選定やサイズ選びにも関わってきます。
仮に食事をとるだけの場所、と限定させるならサイズは極力小さいもの(どのようなサイズを選ぶかは家族や同居人数が何人かでも変わります)にして、ソファなどを大きめにとります。
逆に食事だけでなくあらゆる作業をそこで行い、皆が常にそこにいる、というような状況を望む場合、テーブルは最大限大きなものを選ぶことをお勧めします。
要は長い時間を過ごす場所が広い、あるいは大きいほうが心身共にゆとりを持って日々を送ることができる、ということです。
結果としてソファを排除するようなこともあるかもしれません。
その分さらに大きなサイズのテーブルを置くことができます。
ただし、いずれの場合も搬入経路についてはしっかりと確認をするべきです。
戸建住宅の場合は階段にクランクがあることが多く、特に狭小住宅の場合は3階建てなどになっていると、1階から2階に上がる階段の天井部が3階部分への階段の影響であまり高く確保されていないケースもあります。
テーブルを購入する際には、その点を購入する予定の販売店に確認してもらうなど、納品時に想定外のことが起きないような配慮も必要です。
周囲のスペースは十分に確保
「壁や柱、設備や他の家具とのスペースを十分にとる」ことは特にダイニングテーブルのように椅子の出し引きやそれに伴う人の出入り、周囲の回遊も多い家具では特に大事なことです。
多少であれば許容範囲ですが、椅子の出し引きのスペースが非常に狭いことで出入りが窮屈であったり、収納家具やソファとの距離感が無さすぎて横歩きしないと通過できない、あるいは通過は可能だが近すぎるため圧迫感がある…といったケースは避けたいものです。
快適な回遊動線や家具間の距離にはすべて目安となる数値があり、大きな広いテーブルを希望するのであればそれを確保したうえで最大限のものを選ぶ。
そこからソファのサイズやレイアウトなども決定されていきます(あるいは逆のパターンもあるでしょう)。
私ども家具蔵でも、手描きの製図・間取り図を生かしたプランニング・CGを駆使した3Dシミュレーション・型紙をお持ち帰りいただいて(もしくはお持ちして)の実寸計測などで空間全体と他の家具や設備とのバランスをとったベストなサイズをご提案しています。
色やモノの配置によって部屋に開放感を
色を上手く使って解放感を演出することも有益でしょう。
家具や床などの建具・設備、カーテンなどの色とその組み合わせを工夫することで、間取りに対して大きめな家具を置いたとしても、空間を広く感じさせることができます。
青系の寒色は後退色と呼ばれ、他の色と比べると遠くに見えるように感じることで空間に奥行を感じさせる効果があります。
配置は部屋の一番奥や角に青系の色を使うとより広く感じさせます。
また海や空をイメージさせるので、カーテンやラグなど広い面積のインテリアアイテムは特に有効となります。
床が明るい系統の色合いなら家具は黒や茶などの落ち着いた色合いのものを選ぶことでメリハリが出てやはり広く感じさせる効果があります。
モノの配置でも一工夫が可能です。
例えばフローリングがキッチンから窓に向かって縦方向に伸びているのであれば、ダイニングテーブルもキッチンから見て垂直、つまり縦方向に配置します。
そうすることでフローリングが張られている方向とテーブルの向き、さらにはフローリングの木目とテーブルの木目の方向が揃い、窓方向に伸びやかな印象が生まれて空間全体が広く見えるようになります。
また、空間の奥の角になっている部分が窓に近ければそこに背の高い観葉植物や間接照明を置くことで「フォーカルポイント」が生まれ、目線の誘導となります。
このことが空間に奥行き感を出し、部屋全体を広く見せるのです。
ダイニングテーブルはオーダー家具販売店で選ぶ
このような知見を持って、ダイニングテーブルを探しても希望のサイズに出会うことができない、ということもあるでしょう。
そこで頼りになるのが「オーダー製作を行う家具販売店」です。
私ども家具蔵もそのひとつで、一枚板のみで展開をする樹種も含めれば30前後の樹種から様々なデザインの無垢材テーブルをセンチ刻みで製作できます。
主に長い時間を過ごすに相応しいサイズの家具を選び、それに伴い他の家具のサイズも決まっていく。
その時に大きめのものを選ぶにしろ、小さめのものを選ぶにしろ、希望通りのサイズが手に入ることはとても心強いはずです。
狭小住宅だから小さいテーブルしか置くことができない、ではなく、狭小だからこそできる家具配置や動線計画、家族とのコミュニケーションの仕方があるはずです。
それを一緒に考え、ベストな答えを出していきませんか?
住まいの間取りに対する空家具の配置やサイズにお悩みの際にはぜひお近くの家具蔵へお越しください。
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