人気の吊戸棚をオーダー収納で実現させるためには?
2022.10.16
「吊戸棚」とは
「吊戸棚」とは名前の通り、床に接地させずに壁や天井に吊られた状態で取り付けられた戸棚収納のことです。
最もよく見かけるのはキッチンにおいてでしょう。
オープンスタイルのキッチンのレンジフード(換気扇)のとなりに一枚扉のものが付いていることは分譲のマンションでも現在でもよく見られるスタイルです。
もしくはバックセット(背面収納)で下台と上台が分離しているようなものも、上台はこの吊戸棚であるケースが多く見られます。
この文章をご覧になっている中にも、実際に自宅のキッチンに吊り戸棚が付いているという人が多くいるはずです。
最近では箱+扉ではなく、棚板だけを壁に取り付けているスタイルも人気で、いわゆるウォールシェルフも一種の吊戸棚といえるでしょう。
あるいは玄関の下駄箱収納。
下台と上台=吊戸棚がセパレートになっているタイプがあり、そのほかにもテレビボードを兼ねた壁面収納でもこのスタイルを採用するのを見かけます。
これらの吊戸棚を取り入れることは何が良いのか、自宅に吊り戸棚やウォールシェルフを設置したいと思った時に確認すべきことはどのようなことなのかを見ていきましょう。
吊戸棚の大きなメリットと設置に適した場所
吊戸棚を取り入れる最大のメリットは、住まいの中でどうしても生まれてしまうデッドスペースを有効活用できるということです。
キッチンに吊戸棚が付いていることが多いのは、調理スペースやシンクの上のデッドスペースを有効活用するためです。
玄関収納の場合には玄関の採光や通風窓を確保したうえでその上部にある天井近くのデッドスペースを有効活用できます。
いわば壁面がデッドスペースとなりがちであるということですが、この部分の有効活用という意味ではリビングダイニングのテレビボードの上部、あるいは下台と上台(吊戸棚)の間のスペースにウォールシェルフを配して飾り棚とする、洗濯機の上の洗剤やタオルなどの収納場所、トイレの上の備品や清掃用具の保管場所など、様々な場所での設置が考えられます。
特にスペースそのものが限定的な洗面所やトイレなどはデッドスペースを有効活用しながら、すぐに取り出せるべきである日用品や消耗品を収納できることは非常に便利であり、吊戸棚はその場に最適な家具と言えるでしょう。
棚板だけを壁面に固定するウォールシェルフは、圧迫感なく壁を本棚や飾り棚に変身させることができます。
それ自体が壁面のアクセントになることで、比較的簡単に空間の雰囲気を洗練させてくれることでしょう。
吊戸棚の取り付けにあたっての注意点は?
そのようにメリット満載で便利な吊戸棚やウォールシェルフですが、残念ながら壁さえあればどこにでも取り付けられる、というわけではありません。
私達が普段家の中で見ている壁面の多くは「石膏ボード」という画鋲が簡単に刺さるような柔らかい素材の板に壁紙を貼り付けたものです。
この石膏ボードは柔らかいのでビス(ネジ)が効かない=差し込んだ際の強度が確保できない、ので吊戸収納など重たいものを取り付けることはできません。
通常、吊戸棚など重さのあるものを壁に取り付ける場合には、壁面の内部に下地(したじ)と呼ばれるビスを「効かせる」ための構造材が必要となります。
木造住宅であれば石膏ボードの裏に等間隔で立っている柱を使ってそこにビスを打って固定するか、書籍などの重量のある物を収めるような目的の吊戸収納であれば「構造用合板」と呼ばれる厚みのある下地板を事前に壁に貼り付けておく場合もあります。
マンションなどで見られるRC造の場合、室内壁(部屋と部屋を仕切る壁)の石膏ボード裏に、軽量鉄骨というビスを取り付けることのできる柱が等間隔で立っていることが多く、こちらに固定することも可能ですが、特に重い吊り戸収納を付ける場合には木造住宅と同様に下地板の準備が必要なこともあります。
また、マンションで注意が必要なのは外壁に面した壁と、隣の住戸との間の壁(戸境壁)です。
RC造の場合にこれらは躯体壁、あるいは構造壁と呼ばれ、コンクリートに壁紙が直貼りしてあるか、コンクリートにGLボードと呼ばれる石膏ボードを貼り付けて更に壁紙が貼られた状態であることがほとんどです。
コンクリート自体にはビスがしっかり効くので、戸建住宅であれば吊り戸棚を取り付ける事は可能です。
ただし、マンションの躯体壁は共用部分とみなされるので、ビスを打つには管理組合の許可を得る必要があります。
戸建、マンションに関わらず賃貸住宅にお住いの場合は、壁に大きなビス穴を開けることになりますので、必ずオーナーの許可を取る必要があるでしょう。
オーダー家具で実現する理想の吊戸棚
「このようなデザインやスタイル、仕様の吊戸棚が欲しい」
と頭の中でイメージしても、それをどこで購入できるのか、あるいは依頼すればよいのか、そしてどのように取り付ければいいのか分からないという人も多いことでしょう。
また、基本的には一度取り付けたら取り外すことは考えにくいものです。
デザインや機能も満足のいくもので長く使い続けられるものを選びたいものでもあります。
そんな時には無垢材オーダー家具を取り扱う、家具蔵にぜひお声掛けください。
無着色仕上げの無垢材で製作する収納家具は使い込むほどに味わいや風合いを増していきます。
それは吊戸棚でも同様です。
個々の事情に応じた仕様やサイズの吊戸棚を1㎝刻みのサイズ展開でご提案します。
各店には吊り戸棚やウォールシェルフをはじめとした収納家具の展示や、キッチンなどの専門知識と多くの納品実績を持つスタッフが常駐し、一人一人に寄り添った収納家具の提案を行っています。
店舗近隣エリアであれば無料にて出張採寸での下地位置の確認や提案も可能です。
お気軽にお問い合わせください。
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