椅子はデザインではなく座り心地で決める理由とその選び方
2023.1.19
目次
椅子はデザインだけで決めるべきではない
椅子というものはその用途による違いから様々な形状のものが世界中に数多あります。
また、仮にダイニングチェアで定義した場合においても他の椅子とスタイルの違いを大分できるとはいえ、そのなかでもデザインの違いはそれこそ星の数ほど存在します。
椅子はインテリアの一部であり、空間の見栄えや自身の視覚、そして所有欲を満たすものである以上、デザインの良し悪し、あるいはそのルックスを自身が気に入っているか否かは欠かせないポイントです。
椅子を選ぶうえでデザインは欠かせない要素の「ひとつ」と言えるでしょう。
しかし、椅子はあくまで座るためのもの。
どれだけ美しくても、高価であっても座り心地が良くないものは、たとえそれに芸術的な価値があったとしても日常を支える「道具」としての価値は半減すると言っても過言ではありません。
椅子はデザインだけで決めるべきではないのです。
椅子選びは座り心地・デザイン・耐久性・メンテナンス性が大事
では椅子は何を重視して決めるのがベストなのでしょうか。
人は見た目が9割などと言われるほど目からもたらされる情報の有効性は大きく、最初は「この椅子が素敵だな」から入るのはまったく問題ありません。
しかし、コレクション目的などを含めた、あくまで芸術的な価値を重視する場合は除いたうえで重視すべきポイントは何をおいても「座り心地」です。
そして「デザイン」、これは「視覚的に美しいこと」と言い換えて良いでしょう。
さらに素材やつくりのディテール、それに伴う「耐久性」は長くそれを愛用するなら欠かせない部分です。
メンテナンス性まで加わればもう完璧です。
椅子選びは第一に座り心地の良い(と感じる)ものを選ぶこと、そしてデザイン性と耐久性、メンテナンス性を加味して検討を行っていくのがベストです。
試座の際には座った状態で身体を動かしてみる
そもそも見て「美しい」「素敵」と感じるものでなくては興味自体が湧きづらいこともあり、まず「良いな」と感じたら座ってみることが重要です。
座り心地とはその言葉のとおり着座した際に快適に感じることができるかであり、椅子を検討する際には試座しての座り心地に確認は必須と言えます。
それぞれに「良い」と感じる座り心地は異なるので誰かのお薦め、というのはあくまで参考意見としておく方がベターです。
ここで要注意なのは一瞬(あるいは数分)試座して「この椅子は座り心地が良い」と判断してはいけない点です。
例えばその前にたくさん歩いて身体が疲労していればどのような椅子でもある程度楽に感じるものであり、即断は禁物なのです。
座り心地が良い、というのは身体へ当たりが良いという意味と長時間座っていても疲れにくい、という2つの意味があります。
座った直後は身体への当たりが良いと感じても時間が経つとそのように感じなくなることもあります。
それは人が長時間同じ姿勢をキープし続けることは難しいためです。
睡眠という無意識下でも寝返りをうつのはそのためで、着座姿勢においてももって30~45分程度、それ以上の着座では必ず身体は左右、あるいは前後に動きます。
足を組んだり、斜めに座ったり、伸びをすることもあるでしょう。
その「椅子の中の身体の動き」があった時にもフィット感を損なわない椅子が「座り心地の良い椅子」です。
とはいえ、実際の店舗内で数十分から数時間同じ椅子に座りっぱなしというのもなかなかたいへんです。
ですので、椅子の試座の際には着座した状態で身体をずらしたり斜めを向くなど様々な座姿勢を試してみるのが良いでしょう。
どのような姿勢であってもフィット感が損なわれないと感じるのであれば、それはあなたにとって「座り心地の良い椅子」と成りえます。
椅子は体圧分散性に優れているものを選ぶ
良い座り心地のもうひとつの定義である「長時間座っていても疲れにくい」という点については、さきにお話しした「椅子の中でいろいろ動いてもフィットし続ける」ことは非常に重要な要素です。
そして「体圧分散性に優れている」ものを選ぶことでその条件は完璧に近くなります。
自重からくる「体圧」をいかに身体の各所に効率よく散らすことができるかは疲れにくい着座姿勢を追求する意味ではマストであり、例えば足裏が床に着くことで足裏からも体圧が抜け、あるいは肘掛けがあることで腕の重さを預ける場所ができ、これも体圧分散につながります。
自重から来る体圧を少しずつ身体の各所に分散させること、それと自由な座姿勢がストレスなくとれることで疲れにくく「座り心地の良い」椅子となります。
見て美しく座り心地の良い椅子なら普段の暮らしをより華やかに、より豊かにしてくれることでしょう。
同じ木の椅子でも素材やつくり、メンテナンス性は大きく異なる
そのような椅子は長く愛用したいものです。
素材はどのようなもので作られているか、どのような工法で仕上げられているか、そして万が一の際にはメンテナンスは可能かなども同時に確認しておきます。
同じ「木の椅子」でも無垢材であるかそうでないかで耐久性やメンテナンス性は段違いであり、釘やビスなどの金物を使用せずに木組みで作られているかそうでないかもその椅子自体の強度や寿命に大きく関わってきます。
それらの要素が自身でも納得できる範囲でどの程度備わっているかの確認作業は購入機会の頻度は少ないながらも日々の暮らしに欠かせないものを選ぶうえでは必須ともいえます。
私ども家具蔵では50以上のバリエーションで様々な座り心地のニーズに対応しながら、無着色仕上げ・木組みの無垢材で座り心地の良い椅子を追求・ご案内しています。
皆様、ぜひ一度お試しになってみてください。
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