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「柾目」と「板目」どちらの木目を選ぶべきか

2023.1.23

 

 

家具や住まいの内装を木製のものとしようと調べていくと「板目(いため)」「柾目(まさめ)」という言葉を目にすることがあります。

大まかに言えばどちらも「木目」です。

木製のものというのは、特に着色を施さないものは木目もデザインとなり、この「板目」「柾目」の違いはそのもの自体の見え方も変わる重要な要素ともなります。

樹種やデザイン、サイズは木製家具、そして無垢材家具選びには非常に大きなポイントですが、この「板目」「柾目」の違いを知ることでさらにその選び方に充実度や満足度が増してきます。

 

 

木目とは


 

 

「木目」とは木の成長過程によって生じるものでいわゆる「模様」のようなものと考えてください。

木の種類(樹種)や裁断する場所によっても様々に異なる木目が現れ、その違いは数センチ切る場所が異なるだけでも変わるものです。

それはまさに自然が生んだデザインとも言えるものであり、中には穏やかな流れのものもあれば特徴的ともいえる力強さをおぼえる木目もあり、自然の生み出すもの故の不規則かつ美しい表情に癒されることもあります。

ちなみに木目と似た言葉に「木理」という言葉があります。

木理は木の繊維によって現れる模様であり、年輪から生まれる模様を意味する木目とはまた違うものです。

木理は繊維の向きによって種類が分かれ、直通木理などそれぞれに呼び名があります。

 

柾目と板目


 

 

木目は原木の状態から板状に裁断を行う際に時にどの方向に向けて刃を入れていくかという点で違いが生まれます。

原木を上から見た状態で平行に刃を入れて裁断していくと山型の形状の木目が現れます。

この木目が「板目」です。

反対に原木の中心に向かって直刃を入れて裁断していくと現れる直線的な木目を柾目と言います。

それでは、それぞれの特徴を詳しくご紹介しましょう。

 

柾目の特徴


 

 

板目と比べた際には、柾目はよりすっきりとした印象になりやすくなります。

その印象は「美しさ」とも捉えられ、特に日本家屋では障子や建具等に使われることも多くみられます。

直線状に流れる表情となる柾目はモダン性やスタイリッシュな印象も与えることから、家具に限らずドアなどの建具に使用されることも多くなりました。

一本の木から切り出せる量が少ないのも特徴です。

柾目の場合、原木の芯を中心に切り出すため、最大幅が確保できたとしても原木全体の半径部分しか採ることができません。

芯部を除いた原木の直径サイズ、つまりその原木の最大に近い幅まで切り出せる板目に対して、柾目の方がサイズが小さくなります。

そのことで板目よりも柾目を希少とし、より価値があるとされる傾向もあります。

 

板目の特徴


 

 

等高線状、山型、タケノコ型とその捉え方や呼び名も様々ですが直線状の柾目に対して曲線を大きく描く木目が板目です。

一枚板天板などは天板の中央に大きく描かれた板目がその板の印象を大きく変えます。

柾目と比べて幅広の板が確保しやすいことはその裁断方法からも明らかですが、しっかりと形が整った板目は意外と確保するのが難しいのです。

乾燥の工程では木材は水分を失うことによって反り、割れを生じますが美しい板目を持っていてもどの部分が割れるかはわからず、結果として板目がしっかり残らない場合もあります。

また、板目材は柾目材よりも幅広のものが確保できるということはそれだけ木一本当たりにおける使用量は多くなるわけで美しい板目が残った板材はこちらも非常に貴重なものなのです。

 

柾目と板目はどちらを選ぶのか


 

 

柾目はどちらかというとすっきりと大人しく、落ち着いた印象に。

そのなかでもナラ材の「虎班(とらふ)」のように柾目にしか生まれない表情である「杢」が出ることもあります。

また、タモ材の柾目はその生育のしかたから非常に一本一本の木目の間隔が細い柾目が生まれやすく「糸柾(いとまさ)」などと言われ、タモ材の価値を高めています。

板目はその大きく雄大な表情と基本的に幅広のものが確保しやすいことからより個性的な表情を楽しむことができます。

同じ板材の中で2つの木目が向き合うようなものは「出会い杢」ともいわれ、「良縁があるように」とわざわざそのような木目の材料を内装材に使用する職人もいるほどで、こちらもその違いが生むエピソードには枚挙にいとまがありません。

ただ一つ言えることは木目にはひとつとして同じ形のものはなく、見栄えの良さでどちらも引けをとらない、ということです。

 

木取りの正確性が美しい木目を生む


 

 

自然素材のぬくもりをたっぷりと感じることのできる無垢材家具づくりでは適材適所の素材選定と熟練の職人による「木取り」作業の正確さが欠かせません。

「木取り」とは家具のどこにどの木目を使うのか考えながら部材を切り出していく作業のことです。

いわゆる材木を無駄なく活用するための「歩留まり」や繊維の向きによって変わる「強度」も計算しながら「木取り」を行います。

家具蔵でも厳選して仕入れる原木を徹底乾燥させたのちに木目をプロダクトデザインにまで昇華させるべく職人が日々緻密な目と腕で木取りを行い、木目までもデザインとなるような無着色の家具を製作しています。

 

 

家具を検討する際に柾目、板目を気にされることは少ないかもしれませんが、こうしたことを知っておくとさらに家具選びが楽しくなります。

家具蔵各店でもそれぞれ異なる無垢材の木目の表情をご覧になって下さい。

 

家具蔵の無垢材家具づくりの詳細はこちらから

 

 

 

 

 

 

 

 


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