壁面収納を検討する際に気を付けておくこととは?
2023.3.2
目次
暮らしをより良く便利にする壁面収納
図書館のような壁一面の本棚。
テレビ台を兼ねた空間の「顔」となる収納。
あるいはキッチンの背面収納を機能的且つスッキリと。
リフォームや新築、あるいは模様替えなどを考える際にいわゆる「壁面収納」を検討する人も多いのではないでしょうか。
自室の間取りや収納物などに合わせて好みの仕様で自由に設計できること、本来デッドスペースとなる「壁」の有効活用が可能なことは壁面収納の大きなメリットであり、導入の理由です。
壁を上手に利用しながら理想の収納を実現することで、毎日の暮らしもさらにより良いものになるでしょう。
一方で、壁面収納の導入には事前の確認事項や準備が必須事項です。
場合によっては「超」が付くほどの大型家具となり、移動も容易ではないので失敗は許されません。
そこで今回は壁面収納を検討する際の不安を払拭するためのポイントをご紹介します。
「収納の一極化」で整理整頓をスムーズにする
収納家具は既存の屋内収納で不足する収納スペースを補完する役割があり、そこでは「何を置き、入れていくのか」を明確にしておくと、どこに何があるかが住まう人皆が分かりやすくなります。
一般に「モノの住所」が決まると片付けもスムーズになり、探し物を行うような時間も減ることで日々の暮らしに大きなメリットがあると言われます。
これは壁面収納に限った話ではなく、既存の収納家具、例えば腰高のものや手を拡げた程度の幅のものでも「モノの定住化」は叶うものです。
ここで壁面収納を導入する理由、それは収納の一極化にあると言えるでしょう。
壁面収納は「集中収納」の役割を果たします。
集中収納とは屋内の様々な場所に点在しがち且つ散らかりやすいものを一か所にまとめることであり、それはまさに「収納の一極化」です。
基本的にこの壁面収納の前に立てば目的のものを取り出すことができる、片付けることができる、というのは家事動線の簡略化と片付け行為そのものをシンプルにする意味では非常に有益です。
そのためにも壁面収納を検討する際には「何を収納するのか」「どこに収納すると便利なのか」を考えながら選んでいくことで既製品・オーダー問わず、理想のデザインも決まりやすくなってきます。
圧迫感を出さないように気を付けることは
壁面収納は必要なものを1か所に集中して収納しておける点で大きなメリットがあるものですが、反対に気を付けなくてはいけないのが空間全体に影響する圧迫感です。
壁全体が収納となり、それには相応の厚み、つまり奥行きが発生することから、いわば壁全体がせり出してくる、というイメージになります。
基本的に背が高い家具となることもあるので、その点を考慮した際には「あえて高さを抑える」「吊り戸スタイル・コの字型のスタイルで壁面を空ける」「ガラスを多用する」「テレビを置く場合はテレビの後方を空ける」など「壁」が見えるデザインを選択することで圧迫感の軽減に繋がります。
何を入れるか?どこに置いておくか?で決まる使い勝手
いざ導入・設置を行ったとしても「収納したいものが入らない」というのでは意味がありません。
収納家具は、想定しているものが思い通りに収納できて初めて本来の機能を発揮します。
壁面収納に限った話ではありませんが、収納家具を検討する際はまず最初に収納するものを選定し、そしてそのサイズと量を把握します。
同時に不要なものは処分するなどの判断も大切です。
また、今使用している収納家具の使い勝手があまり良くないのであれば、その改善点をふまえたイメージを持って検討に当たります。
壁面収納はその面積も多いので扉・引出しが一つの家具に混在していることも多く、扉収納が便利か、引き出し収納が便利かはその位置とともに何を収納するかで変わってきます。
こまごました小物などを収納するのは引き出しが便利ですが膝より下にあると屈まないとものが取り出しにくく、胸の高さから上にあっても使いにくさは同様です。
腰の高さ付近に位置するのがもっとも使いやすいものになります。
扉収納については逆に胸から目の高さくらいにあると開閉しやすく中に入っているものも一目瞭然です。
何をどの程度収納したいのかによって必要な引出しや扉の大きさ・数も変わるので、自分の用途に合ったものを選ぶためにも、収納量とサイズの確認は必須です。
また、壁面収納は本体の中央にテレビを設置するケースがよくあります。
テレビの配置スペースが今使用しているテレビのサイズぴったりだと、よりサイズの大きなテレビに買い替えをする時にそれが置けなくなる恐れがあります。
テレビの買い替えの場合、現状のサイズより大きくすることが多く、壁面収納は移動させることや買い替えなども容易ではないのでテレビ設置スペースには余裕を持っておくことが大切です。
壁面収納を設置する際には「壁の構造」を調べておく
大型壁面収納は、壁に固定をして使用すること多々あります。
(場合によっては固定せずに置き家具とする場合もあります)
壁面に固定を行うにはいくつか条件があり、特にマンションの場合は戸建てに比べ条件が厳しくなることもあります。
家具を壁に固定する場合は、まず「間柱」の確認が必要となります。
間柱とは柱と柱の間にある小柱のことです。
主に外壁や内壁の下地を支える役割をしています。
ビスを間柱まで打ち込めば抜けにくくなります。
柱自体は30~50㎜程度で柱の間隔は微妙に建物によって異なるので、正確な位置を探す必要があります。
壁裏は見ることができないため、センサーや針、磁石などを使用して位置を調べます。
一方で日本の住宅の壁の9割が下地に石膏ボードを使用しています。
石膏ボードは木材とは違い、もろくて崩れやすいので釘やネジを固定することはできません。
釘やネジを打ってもすぐに抜けてしまったり、石膏がボロボロと崩れたりします。
石膏ボードの壁に何かを設置する際はネジ止めができる「石膏ボードアンカー」で、確実に固定する必要があります。
マンションの場合、壁面収納の固定やリフォームの際に自分の思うように変更できる「専有部分」とそうではない「共用部分」が存在します。
マンションの専有部分は壁や床、天井などに囲まれ独立した住居空間を指しますが、壁面収納を設置する壁は隣の住居との間にある戸境壁になることが多く、ここは共用部分にあたります。
つまりこの場合、戸境壁に対して家具をビスなどで固定することができない場合が出てきます。
あるいは構造壁(鉄筋コンクリートなど)そのものであることもあり、戸境壁をはじめとした規約は物件ごとに異なるので、事前に管理会社に確認してみましょう。
空間におけるデッドスペースを有効に生かし、家事動線などもスムーズにする壁面収納は、特にオーダーメイド政策にすることで自由度が高く、収納物の量やサイズ、部屋の大きさなどの違いも気にせずに理想の家具を作ることができます。
私ども家具蔵でも、要施工・非施工どちらにおいても現場調査を伴う壁面収納の設計・お見積もりを無料で行っていますので壁面収納をお考えの方はお気軽にお声掛けください。
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