家具蔵 の提案する無垢材キッチン ~木のキッチンと暮らす その1~
2023.3.21
住まいの新築やリフォームを計画する際に、「リビング」や「ダイニング」といった、最も人が多く集まり、長い時間を過ごす事が想定される場所についてどのような空間にしたいかをイメージする事は、最初に直面する大きな課題となります。
それに併せて、最近ではキッチンをどのような空間にしたいか、キッチンでどのように過ごしたいか、までを含めて家づくり全体を考える事も多くなりました。
それは、キッチンが単なる機能ばかりが優先される「調理の場」ではなく、リビングやダイニングと同じように、そこで人が心地よく過ごせる空間であることが求められるようになったからに他なりません。
リビングやダイニングの家具たちと同様に、キッチンにも時間とともに深みを増す本物の素材を使い、 腕の良い家具職人が丁寧に作る木のキッチン・無垢材のキッチンは、しっくりと手に馴染み、空間に美しく溶け込むインテリアにもなります。
これから続くシリーズでは、そのような上質な木のキッチンとの暮らしを実現した住まいをご紹介します。
歴史を刻む洗練の住まいに品格を添える端正なL型キッチン(I邸 東京都)
閑静な住宅街に完全に溶け込みながらも、邸宅としての品格をその外観や外構に滲ませるI邸。
室内に一歩足を踏み入れると、まるで由緒ある洋館を訪ねたかのような凛とした空気感が漂います。
建築家によって設計され建てられたというこの住宅は、国際的なお仕事に関わっていらっしゃるご一家にふさわしい風格と、木や鉄といった自然の素材が緊張感をもってバランスし同居するような「大人の空間」です。
折り上げ天井には自然光が優しく落ちるような天窓が設けられており、無垢材の質感がより一層美しく見えます。
「キッチンと食卓、それぞれから見える景色が繋がったようで、テーブルも新しくして正解だったと思います」と奥様。
ところで、I邸に家具蔵の家具とキッチンを迎え入れることになったきっかけは、意外なことに冷蔵庫の不調でした。建築家によって綿密に設計されたキッチンの冷蔵庫スペースでしたが、当時の冷蔵庫のサイズは現在では入手が困難な事がわかり、そのシステムキッチンにぴったりとおさまった冷蔵庫の位置を変える必要が出てきたのです。
その為にはキッチン全体のレイアウトを変更する必要がありました。
たくさんのお客様のおもてなしをしてきたキッチンも、少し古くなってきたと感じていた設備機器を含めて「替え時が来た」と感じたと奥様が仰います。
そして、結果的にはキッチンとその脇にあるパントリーも含め、全体のプランを刷新して生まれたのが写真のような木のキッチン空間です。
(画像)右側のグレーの食器棚は既存のもの。
今回のキッチン改修では、生かせるものはなるべく残して活用するという方針をとっています。
I邸の室内を見渡すと、奥のキッチンスペースが手前のダイニングスペースと自然と繋がるようにコーディネートされている印象を受けます。
淡いナラ材のL型のキッチンと移動も可能な小振りなアイランドカウンターは天板に白い石があしらわれ、清潔な印象を与えています。
ダイニング空間にはキッチンと同材のナラ材でゆったりと大きな丸いテーブルを誂えました。
「夫婦で過ごす時間が増えた今は、キッチンをもっと落ち着いた場所にしたいと思い始めていた時期でもありました」と奥様。
輸入家具から日本の工芸品、美術品まで日常的に優れたものに触れてきた奥様は、キッチンにも同じ意識を持って良いものを探していた、と仰います。
折しも娘さんの熱海の別荘で、家具蔵のオーダー家具を採用する機会があり、クローゼットや玄関収納など、無垢の木材で思いのままに家具を作れる経験をされて大満足だった娘さんが
「家具蔵ならキッチンも自由につくってくれるんじゃない?」
とアドバイスされたそうです。
そうした経緯もあり、奥様は早速、表参道のキッチンスタジオを訪ねました。
そこで見たのは和風とは少し違う、モダンを感じる無垢の木のキッチンでした。
新しい木のキッチンが完成した自宅では野菜や魚を中心にした食事が多くなったといいます。無垢の木にはそんな暮らしのスタイルとイメージがぴったりと合うようにも思えました。
家具蔵の担当者には「木綿のように気取らず、丈夫で、でも端正で美しい、そんなイメージをオーダーしました」と奥様。
細かいデザイン上のディテールとしては、キッチン上部の吊り戸棚の収納は、敢えて「羽目板」の鏡板としてアクセントにした一方で、下の作業台のキャビネットはすっきりとした「板目」の鏡板にして メリハリをつけました。
そして今回新設した小振りなアイランドキッチン(作業台)ですが、「盛りつけをしたり、大人数で囲みながら作業をしたり、ここがあるだけで本当に料理が楽になりました」と大絶賛します。
隣りの部屋のダイニングのテーブルは、 この家のシンボルともいえる内装に合わせて、その真下に直径1500mの丸いテーブルを置くことで、空間が本来求められる姿となり、理想的な求心力が生まれました。
今回の家具とキッチンに合わせて、ペンダント照明は「スノーボール」 や 「トルボー」など、北欧のデザインを取り入れたことで、洗練の中に、どこかほっとするような穏やかな空気感にもなっています。
こうして、冷蔵庫の不調から端を発したキッチンリノベーションは完成を迎え、ずっと前からそこにあったように馴染んでいる家具蔵のキッチンと家具がI様のご家族と住まいの歴史に加わることになりました。
無垢材の上質なラウンドテーブルと本当に座り心地のいい椅子を探し続けてやっと実現した風景。
デザインやスタイルだけでない「本物」と言えるような家具に出会うのは意外と難しいのかも知れません。
L型キッチンと小振りなアイランドカウンター。 4つの面には開き扉、ゴミ箱用のオー プン棚、タオルバーなど家事動線を考えた配置がなされています。
無垢板の面材に削り出しの取っ手が並ぶ圧巻の眺め。床もコルクに張り替えました。
もともと冷蔵庫のあった場所には同素材の収納をぴったり収めました。
壁のモザイクタイルは、無垢材の素材感や人工水晶の天板との調和を考えて選んだものです。
料理やインテリア、おしゃれの話まで、なんでも話せる関係のお二人。
インテリアとしては、モダンな趣味の奥様と 北欧好きの娘さんで意見が分かれることもあり、「それもまた楽しい」とお二人は笑います。
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