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日本と海外の「キッチン事情」の違いとは?

2023.5.24

 

 

海外から日本に入ってくる価値観と文化


 

 

インテリア雑誌、あるいはファッション雑誌やニュース雑誌など多くの刊行物において「日本版」と「海外版」が存在し、それらは国外では今どのようなものが話題となっているのかを、世界的な視野と価値観で確認できるという意味で非常に有益なものとなっています。

ここ日本には海外から入ってきた文化や価値観を時には自国向けに上手にアレンジしながら暮らしに根付いているものが多々あり、そのようなことが得意な国民性を持ってもいます。

今回のテーマであるキッチンも元々は海外から入ってきた文化です。

 

日本と海外のキッチン事情の違いを知る


 

 

今でこそどのような住まいでもサイズや仕様の違いこそあれ、キッチンはあって当たり前のものです。

日本のキッチンの歴史は海外の文化にインスパイアされたものであり、1960年にクリナップがセクショナルキッチンを世に出し、いわゆるシステムキッチンというものが生まれたことに端を発します。

それから現在のような多様なキッチンスタイルを選ぶことができる時代に至るまで、様々な進化を重ねてきたわけですが、元である海外諸国と日本では住宅事情や家族環境なども異なるため、キッチンの仕様は現代においても国外と国内で異なります。

住宅や家族環境の違いから国内メーカーのものを選ぶ方が理にかなっていることも多く、実際にキッチンを検討するとなると国内のキッチンメーカーを選ぶことが多いのは確かです。

しかし、日本と海外のキッチンの違いについて、その意匠性や機能性などにも着目することで、より幅広い視野でキッチン選びが可能になります。

 

海外ではキッチンは自分が好きなもの適宜導入する


 

 

キッチンはトイレやバスルームと同じような「住宅に付帯している設備」である、日本ではそう考える人も多いのではないでしょうか?

これは正解には違いないのですが、海外の場合は必ずしもそうとは限りません。

海外ではキッチンは家具や照明器具などと同じように「そこに住む人が自分の使いやすいものや好みのものを導入する」という考え方がどちらかと言えば強く、賃貸物件であってもキッチンがついていないこともままあります。

日本ではキッチンはそこに住む上での最低限の設備として捉えられていますが、海外ではその空間を作る要素の一つとして考えられています。

家具やカーテンなどと同じようにインテリアの一部としての役割が大きく、この点が後に触れる「インテリア性重視」という側面に繋がっているのでしょう。

日本では賃貸や建売住宅の場合は建主がキッチンを選びますが、海外では家を売りに出す際には既存のキッチンを全く撤去した状態にすることは珍しくありません。

 

海外のキッチンはインテリア性を重要視する


 

 

海外ではキッチンは「空間の一部を構成するもの」としての考え方が強く、それは空間バランスや他の家具との調和という部分を意識して選ばれます。

海外のインテリア誌で目にするキッチンは、照明器具とのバランスやライティング、家具との一体感、扉割付のスケールが大きいこと、カラーバリエーションなど目を惹くものが非常に多く、それぞれ使う人の個性を感じることができます。

また、キッチンや家具だけにとどまらず、大判のタイル貼りの床や窓の取り入れ方・壁の仕上げなど建築までを含めた空間構成として考えられていて、日本では取り入れづらい大柄の大理石のワークトップの模様などもその良さを十分に発揮できるものになっています。

一方、日本では新築やリフォームの場合でもハウスメーカーなどから「キッチンはこの中から選択するように」と選択肢が絞られていることがほとんどです。

その為、各キッチンメーカーの商品開発もエンドユーザーに選んでもらうためのもの、というよりはハウスメーカーや工務店から選ばれやすいように発展を続けた経緯があります。

日本でもここ数年「キッチンの家具化」は進んでいて、家具メーカーがキッチンまで手掛けるということは多くなってきました。

次にお話しするような、国内事情に沿った高機能ものが家具を選ぶような視点で検討できることは、選択肢を広げる意味でたいへん有益です。

 

日本のキッチンは機能性に長けている


 

 

インテリア性というよりは効率性などを重視しながら、日本の住宅事情に合わせて発展してきたシステムキッチンはメーカー各社がオリジナリティを競い合う事で進化を続けています。

その進化はどちらかと言えば機能面におけるものでそれにより各社の差別化がされたわけですが、キッチンはあくまで作業の場であり、それ自体は正当且つユーザーにも有益なものでもありました。

クックトップに装備されているグリルは日本ならではのものであり、海外では焼き物はオーブンで焼くのが一般的なため、ガスコンロはあってもグリルはついていません。

そのうえでメーカー独自の技術も多数あり、例えば「洗えるレンジフード」や「3口横並びのクックトップ」などは耳に残りやすいキャッチフレーズとともに印象的です。

その導入においても是非を悩む人も多い食洗機は、コストこそかかりますが海外製のものの方が優れているものが多くあります。

海外では日本よりも水がとても貴重な資源となるため、水を循環させて洗浄する食洗機については海外の方が普及率も高く、その機能や容量も充実しています。

 

 

このように違いはたくさんある日本と海外のキッチンですが、最近では国産キッチンもオーダーキッチンなども含めインテリア性は格段にアップしています。

海外製のキッチンは完成度も高く素敵ですが、価格と納期面でのハードルはいまだ高いものとなっています。

それでもキッチンは長い時間を過ごす場所ですから、キッチンを検討する際にはたくさんのものを見比べて自分に合うものと出会っていただきたいものです。

 

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