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「木組みの家具」の奥深さとは?

2023.6.29

 

 

「木組み」は1000年以上の歴史を持つ日本古来の伝統建築です。

例えば、ヨーロッパではレンガや石造りの建築物が多く存在しますが、日本ではそのような建造物はそれほど見られません。

大地震や台風などの自然災害にも耐え、木組みにより造り上げられた寺院、代表的なものでは法隆寺や東大寺などが今もなお残っていることは、何よりそれが優れた技術であったかを証明しています。

家具蔵では、その「木組み」を応用し、金具を極力使わず、熟練した職人によって無垢材家具をつくり上げています。

「木を木で組む」ことで生まれるもの、そして「木組み」そのものについてお話ししていきましょう。

 

木組みとは何か


 

 

「木組み」とは元来は建築工法の一つであり、木に切り込みを入れはめ合わせていく手法です。

金物は使わず、職人の手仕事によって木材を加工して作り上げる「仕口」や「継ぎ手」という接合部によって組み上げていきます。

ちなみに現在の建築では木材同士の接合部に金物を使用する「在来工法」が主流となっています。

作業効率が良く、コストを削減できる良さはありますが、複雑な接合ができず、金物などの補強が必要になります。

一方、純粋な「木組み」では熟練した職人が木の性質を考え、木材同士を組み合わせることで、より強固に、見た目も考え、加工していきます。

そのため、「木組み」はとても丈夫で衝撃にも強いという良さが生まれるのです。

その技術は古くからの伝統工法として職人たちに受け継がれてきました。

 

木組みのメリットとは


 

 

「木組み」の最大のメリットは、圧倒的な強度を生み出せる事です。

木材同士をつなぎ合わせるということは、その接合部に当然強度が必要とされます。

同じ固さの木材を一体化させるかのように生み出された強度は衝撃を分散し、高い強度を保てるように設計されています。

ビスやネジ、ボルトなどの金物を使用した場合、腐食や木の経年変化などにより金物にゆるみが発生してしまい、強度が落ちてしまう恐れがあります。

また、木は調湿効果などの様々な効用があるといわれ、人々にとってより快適な環境を与えてくれます。

 

家具蔵の無垢材チェアにも様々な木組み技術が見てとれる


 

家具職人の力量がもっともはっきりと示されるのが椅子、つまりチェアです。

家具蔵ではすべてのパーツを無垢材から削り出し、日本伝統の木組みの技術によって、1脚1脚を丁寧につくりあげていきます。

家具蔵の家具(チェア)で実際に使われている「木組み」の代表的な仕口方法を見てみましょう。

●割り楔絞め・楕円ほぞ接ぎ

 

ほぞ組みをより強固なものにするために考えられたのが「割り楔絞め・楕円ほぞ接ぎ」です。

通されたほぞ先の挽き込みに楔を打ち込む手法であり、ほぞ穴は入口よりも出口をわずかに広くつくりながらそこに楔を打ち込むことでより強固なものになります。

 

●フィンガージョイント

 

その名の通り接合部分を指形に加工して接合する手法です。

平面で接合するよりも指形にすることによって接合面積が約2倍に広がり接着力が高まり強度が増します。

特にこの手法は上方向からの荷重に耐える力が強く、ズレや段差を防ぐことが出来ます。

しかし、この手法は3次元曲線で構成しなければならず、そのため寸分の狂いも許されません。

高い乾燥技術と熟練した職人技術が必要となります。

 

●持ち出し

 

「持ち出し」とは内部の接合面積を深く取る事によって部材と部材の接合の強度を高める手法です。

分厚い材から接合部分だけを厚く削り上げます。

椅子の強度とデザインの美しさを考えた熟練の職人技術です。

 

●留め

留めとは、接合する二つの材の木口を、必要に応じた所定の角度(一般的には45度)に切断し鉋で削り接合するものです。

留め加工には様々な技法がありますが、画像の留めは雇核留接ぎと言い、留め加工の中に雇を入れ、さらに強度を高めています。

 

●込み栓の応用

日本伝統の木造建築構造である「込み栓」を応用した仕口です。

立ち座りの際に力を受けとめ、椅子の構造の中でも最も強度が必要とされているのが、台輪と脚の接合部分であり、ここに「込み栓」の技術を応用した加工が施されています。

側台輪のほぞに前後台輪のダボを差し込み、固定する事で前後に働く力に対して側台輪が脚から抜けない構造になっています。

そして、貫きを使わないことで貴重な材を無駄にする事なく、強度を保つことができ、軽く仕上げることが出来ると共にスッキリとしたスタイルになる為、どのような空間にも合わせやすいチェアになります。

 

熟練の職人たちが代々受け継ぎ、現代に生きる伝統工法の数々。

その英知と財産を受け継ぎながら、家具蔵では「木は木で締める」という木造建築技術を応用した「木組み」で各パーツを接合し、強度を高めています。

組み上げたパーツは、さらに手カンナによる細部の仕上げによりパーツ同士を滑らかにつなぎ合わせ、材に艶を出します。

触っただけで木の温もり、人(職人)の優しさを感じられ、美しく優雅なフォルムを生み出します。

 

 

家具蔵各店ではチェアは勿論、数多くの無垢材家具を展示しています。

お近くの店舗にて無垢材家具の魅力を肌で感じてみて下さい。

 

家具蔵の無垢材家具へのこだわりはこちらから

 

 

 


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