2人暮らし、椅子は「何脚」必要か?
2023.7.22
数ある家具の中でも、家族やパートナーなど複数人で生活を送る際に(もちろん一人暮らしであっても)必須ともいえるもののひとつにダイニングテーブルがあります。
いまやダイニングテーブルは本来の目的である食事を行う場とするだけでなく、それぞれの作業や趣味の場ともなる多目的な家具となっており、空間の中での占有面積も大きく、その場のイメージさえも左右するものです。
新築や引越しなどの新生活で家具を選ぶ際の優先順位が高いのも頷けます。
そのダイニングテーブルにおいてダイニングチェア、つまり椅子はセットで考えるべき家具と言えます。
ダイニングテーブルで立ったまま食事をする、あるいは作業を長い時間行うということは少なくとも住まいの中では考えづらく、ダイニングテーブルはダイニングチェアが無いと成り立たないと言っても過言ではありません。
ダイニングテーブルに椅子が4脚ある理由
ダイニングテーブルは様々な形状がありますが、一番ポピュラーな長方形の場合、椅子は「4脚」配置されているのが一般的です。
ダイニングテーブルの長手方向、つまり両側に2脚ずつ椅子が並んでいる様子は特段家具に詳しくないような人でもすぐに思い浮かぶでしょう。
量販家具店などでは「5点セット(テーブル1台+椅子4脚)」というように、長方形(あるいは正方形や正円形でも)のテーブルには椅子は4脚付いてくる、というのが大抵の考え方です。
この考え方が強く根付いたのには様々な理由があります。
ひとつはダイニングテーブルとダイニングチェア、つまりダイニングセットを住まいに配置するという考え方が根付いた頃の社会環境にあります。
親世帯と同居するような暮らしのスタイルから「核家族化」と言われる「夫婦とその未婚の子どもで構成される家族」のみの暮らしが一般的になってきたタイミングと、集合住宅の普及に伴うダイニングキッチンの一般化はほぼ同時進行で進みました。
その時にちゃぶ台での食事からダイニングセットの普及と変遷があったこと、そして子供は2人以上いることが今よりも当たり前であったことからダイニングテーブルに合わせる椅子は4脚、という考えが根付いたのでしょう。
また、そのダイニングセットを販売するにあたって同じデザイン・素材の椅子を揃えながら単価を上げて販売するというメーカーや販売店側の効率性も関係していたと思われます。
2人暮らしなら椅子は2脚あればよい
そのうえで現代では様々な暮らしや生き方のスタイルが見られます。
子供の数は1人、あるいは無しということは決して珍しいことではなく、夫婦やパートナーであっても2人で暮らしている人、あるいは親御さんや知人や友人と同居、シングルライフを謳歌する人も大勢います。
ここから生じる疑問は住まいに「4人」はいない場合、椅子は果たして4脚必要なのか?というものです。
少々前置きが長くなりましたが、今回のテーマである「2人暮らしで椅子は何脚必要か」という問いには「2脚あればよい」という回答が導き出されます。
人数分だけの椅子を準備することによるメリットと来客への対応
私どものような家具販売店目線から言えば、一脚でも多くの椅子を購入していただきたいのは本音ですが、果たしてそれが本当に使い手側にとって有益になるのかという点は常に考えていかなければなりません。
仮に2人暮らしであってもテーブルは極力大きなサイズを選択しておくことで、心身ともに「ゆとり」を感じることができます。
その際に椅子が2脚だけでは画竜点睛を欠くというような考え方はあってしかるべきですし、来客に備えてという考え方もあるでしょう。
しかし、それによって予算の関係などで本来自分たちが毎日使用する椅子に妥協が生まれるとしたらどうでしょうか?
椅子はどれだけデザインが良いものでも、あるいは価格が高額であっても、その本質は座り心地にあり、毎日使用するものだけに高耐久性も求められます。
使用頻度が少ないものを揃えるためだけに座り心地や耐久性を犠牲にするのは本末転倒です。
4脚分の椅子を購入する予算を普段使いの2脚に充てることで、本当に満足のいく椅子選びになるとすれば、住まいでの毎日はより充実したものになり、日々の食事や団らんもより楽しいものとなるはずです。
来客の際にはどうするか、という質問にはスタッキングスツールなどを準備しておくことをお勧めします。
ダイニングチェアを購入するよりも価格として購入しやすく、予算への圧迫も少なく済むうえ、重ねて置いておくことでスペースを占有せず、座る以外の様々な用途にも活用できます。
2脚とも同じ椅子でなくても良い
ここで2脚の椅子を購入する際に覚えておいてほしいのは、必ずしも同じものを購入する必要はないということです。
座り心地という点で言えば性別や体形、互いの座りグセも異なるわけですから異なる椅子を選択することは大いにありえます。
偶然にもデザインや求める座り心地が共通したのであれば、同じものを選ぶことで空間の統一感も増すのでそうするべきですが、基本的にはデザインが違っていても素材や色合いが同じであれば、ちぐはぐな感じは生まれません。
ちなみに私ども家具蔵の家具は無着色仕上げですから、仮に素材(樹種)が違っていても自然な色合いを持つ者同士なので問題ありません。
互いの好みの座り心地、デザインを優先することでより快適な空間となります。
一方でやはり4脚以上欲しい、予算も潤沢にあるのでそこは問題ないという場合でも4脚全て同じもので揃えなくても良いでしょう。
例えばキッチンに近い側、つまり出入りの多い側にはアームが無い椅子を置いて着脱を容易にし、その反対側にはアーム付きの椅子を置いてゆっくりくつろぐ、など用途に違いを持たせることで、ダイニングテーブルでの過ごし方がより良いものとなるはずです。
家具蔵では常時50に近いデザインの無垢材チェアをラインナップし、それぞれのスタイルに合ったものをご提案しています。
2人暮らしの人もそれ以外の人も、椅子選びの際には一度お立ち寄りください。
最適な椅子の選び方をお話しします。
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