テーブルの「幅」と「奥行」のベストなバランスとは
2023.9.11
目次
使い勝手と見た目のバランスが大事
いわゆる「使いやすい」ダイニングテーブルの条件とは、使う人数や使い方に合わせて最適なサイズのものであることがそのひとつです。
同時に空間の大きさごとにそれに見合ったテーブルのサイズがあることもまた事実です。
テーブルのサイズは「幅」「奥行き」「高さ」から構成されますが、それは「何人で使用できるか」「それは狭くないか(広いか)」という使い勝手の部分から「テーブルそのものの見た目」「空間における全体の見た目(のバランス)」を左右します。
いざテーブルを探し出すと、じつにいろいろなサイズを目にしますが、この使い勝手と空間での見え方のバランスを兼ね備えたものを選ぶことが「ストレス無く」使うことのできるテーブルとなります。
何人で使用するかは重要な要素
テーブルというのは食事や作業に使用するための「台」であるという、道具としての側面を持ちながらインテリアとしても空間の印象やオーナーの嗜好性を物語る重要な役割をもつものです。
同時にその占有空間も大きくなることで、そのサイズは非常に重要な意味を持ちます。
まず、食事台・作業台としての道具としての役割から見ると「使用が想定される人数がそれぞれ快適に食事や作業ができる」ということがそのサイズ選びの大前提となります。
つまり何人掛けとなるか、が重要です。
テーブルとして一般的である長方形の場合、長手=長辺側に複数人が座ることが想定されます。
それが2人なのか、3人なのか、はたまた4人なのか。
何人が横並びとなるか、はテーブルの「幅」を決めるポイントの一つです。
また、2人以上が向かい合って使用する場合は「奥行」のサイズも軽視はできません。
あまりに互いが近いと落ち着かないばかりか、食事や作業の妨げにもなりかねません。
使用感で考える4人掛けの適正値
ここでニーズが高い「4人掛け」を例にして必要な幅と奥行を割り出してみます。
まず、一人の人が食事や作業の際に必要な横幅は600mmと言われています。
つまり、横並びに2が座ると600mm×2でテーブルには幅1200mmが必要になる計算です。
そこにテーブルの左右の脚の太さが加算されていくと、1350~1500mmの幅が欲しい計算です。
奥行について、これも一人のスペースとしては400mmは欲しいとされています。
向かい合う人との距離感を確保し、向かい側からの過度な圧迫感を受けることが無い数値です。
このことからテーブルの奥行は800mm以上あることが望ましいことがわかります。
つまり、4人掛けのテーブルで使用感のみを考えた幅と奥行の適正な数値は「幅1350~1500mm」「奥行き800mm」であるということです。
インテリアとしての見え方を考えた場合のベストは?
次にインテリアとして見た場合からのテーブルの適正な幅と奥行について考えてみます。
どのようなものでもそうですが、テーブルにも「一番美しく見えるサイズのバランス」というものがあります。
基本的に各メーカーはこの基準に基づいて自社のテーブルのサイズを展開しており、ここについてはメーカーごとに大きく異なる点はあまりありません。
例えば先程お話したテーブルを複数で向かい合って使用する際に必要な奥行である「800mm」を確保した際に美しく見える横幅は「W1350~1400mm」となります。
W1500mmなら奥行(D)は850~900mm前後が妥当なところであり、4人掛けとしては少し広めとなるW1650~1800mmの場合はD900mmが一番テーブルが美しく見えるバランスです。
とはいえ、想定される配置スペースを鑑みてW1800mmは置けるがD900mmとなるとやや狭くなる、奥行きは800mmのものにしよう、ということもありえます。
その場合、テーブルの見え方としてやや長細く見えることはありえます。
また、W1350mmに対して奥行きはどうしても1000mm取りたい、という場合も逆にやや幅広に見えることもあるでしょう。
その場合でも「何を重視するか」が大事になってきます。
繰り返しますがテーブルはインテリアであると同時に暮らしの為の道具です。
見え方を重視しすぎて使いづらくなる、ということでは本末転倒とも言えます。
細かなサイズオーダーが可能である場合、その点を家具販売店のスタッフとよく打ち合わせをしながら使いやすく、見栄えも良いものを選択する必要があります。
ベストサイズはテーブル周辺のスペースから逆算する
テーブルの幅と奥行きのバランスについて使い易い組み合わせと美しく見える組み合わせはこのような関係性があります。
そのうえで自宅にベストなサイズのテーブルを迎え入れるには、テーブル周辺に確保しておきたいスペースから逆算すると良いでしょう。
テーブルから椅子を出し引きする際に必要なスペース、着座している状態でその後方を人が通過するかどうか、あるいはテーブル後方や妻手(短辺側)には開き扉のある収納家具などがあるか、その使用頻度は?
また、人が無理なくその場を回遊するには60cmあることが理想ですが、壁とテーブルの間でその距離は確保できるか。
そして60cmあれば回遊こそできますが、テーブルの近くにソファなどの家具がある場合、その60cmでは互いが近く見えすぎて圧迫感に繋がるため、100cm以上は離れていてほしいところです。
テーブルを配置する想定の場所からそれを差し引いた数値が、大きすぎず、また小さすぎず見えないテーブルサイズとなります。
結果としてテーブルが長細く見えるものを置くことになるかもしれませんが、いざ置いてみた際に大きすぎて椅子の出し引きができないといったような事態は避けることができ、同時にさきに挙げたようなサイズバランスを知っていれば極端に使いづらいものにはならないでしょう。
私ども家具蔵でも、間取り図面からの各種シミュレーションや型紙などの貸し出し、現地に伺っての採寸など様々な方法でそれぞれの住まいにベストなサイズのテーブルを、レイアウトや形状の提案もふまえご案内しています。
ダイニングテーブルは暮らしの中心になる家具です。
まずは空間全体からどの程度の大きさまで置くことができるのかをしっかりと把握しながら、バランスの良いサイズを選ぶようにしましょう。
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