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家具蔵 の提案する無垢材キッチン ~タイプ別・木のキッチン製作実例紹介~ その6

2023.10.6

 

 

住まいの新築やリフォームを計画する際に、「リビング」や「ダイニング」のような最も人が多く集まり、長い時間を過ごす事が想定される場所と同じように、最近では「キッチン」をどのような空間にしたいか、キッチンでどのように過ごしたいか、そしてキッチンの「インテリア」までを含めて家づくり全体を考えることも多くなりました。

それは、キッチンが単なる機能ばかりを優先する「調理の場」としてだけではなく、リビングやダイニングと同じように、そこで人が心地よく過ごせる空間であることが求められるようになったからに他なりません。

キッチンにもリビングやダイニングの家具と同様に時間とともに深みを増す本物の素材を使い、 腕の良い家具職人が丁寧に作るものを。

木のキッチン・無垢材のキッチンは、しっくりと手に馴染み、空間に美しく溶け込む美しい「生活の道具」となります。家具蔵の木のキッチン製作実例紹介として「ベーシックタイプ」「オーダータイプ」という2つのタイプの概略とその応用をご紹介します。

 

 

家具蔵のキッチンは「ベーシックタイプ」「オーダータイプ」から選ぶ


 

 

私ども家具蔵では木のキッチンをプランニングする際に「ベーシックタイプ」「オーダータイプ」という2つのタイプから選択することが可能です。

お客様ごとにどちらのタイプをベースにすることが相応しいのか、どちらであればよりスムーズにプランの実現が可能であるか、を考慮しながら計画をする必要があります。

ベーシックタイプでは、横幅・奥行・引出しや扉・設備機器の並び方など、デザインに一定の決まりがある中からの選択となります。

そうすることで価格を抑える事も可能となり、また一方ではキッチンの使い勝手やデザインに普遍的な機能性、バランスの良い美しさが担保されたものとなります。

一方、オーダータイプではキッチン本体のサイズはもちろん、L型や二列型といった構成の根本的な部分から使用する機器やその配置、素材のセレクトまで全てを自由にデザインすることができます。

価格はベーシックタイプと比較すると高額となりますが、いわゆる高級オーダーキッチンメーカーと比較すれば安価であり、そのうえで本当に満足できる木のキッチンを計画したいという方には魅力的なものとなっています。

そして、上記の2つのタイプは基本的にどちらかを当てはめて計画する必要がありますが、内容によっては2つを組み合わせてプランニングをする事で、実現の可能性が拡がる場合もあります。

これからご紹介するいくつかのケースでは、どのタイプをベースにしているかも併せて表記しています。

これからキッチンを計画される方の参考になれば幸いです。

 

CASE 6 「魅せると仕舞う」山の家のキッチン(O邸 /長野県軽井沢町)


 

 

【ベーシック + セミオーダー】

普段は首都圏に暮らすO様は、愛犬と共に余暇を過ごす「山の家」を軽井沢に計画することになりました。

海外の生活が長かったO様は、いわゆる「和」への憧れがあったそうです。

ただしそれはインテリアやマテリアルを直接的な和風デザインにすることではありませんでした。

本物の木である「無垢材」を適材適所に使用すること。

住まいの中央に大きな吹抜けを設けた木組みのダイナミックな空間構成にすること。

そして、それを表現した住まいのメインとして引戸を多用したナラ材で製作されたキッチンを導入する、ということでした。

 

収納性・使い勝手・美しい色使いが同居したキッチン


 

 

キッチンの壁にあしらわれた揺らぎのあるイエローは奥様が好きな色ということで選ばれたもの。

そしてそこに差し色として添えられたネイビーが小気味のよいアクセントとなっています。

ナラ材のあたたかな木肌の色合いがますますそのバランスを引き立て、どこか外国の住まいのキッチンのような雰囲気すら漂わせています。

この組み合わせが空間全体の印象をもより華やかなものにしてくれている印象です。

 

 

奥様の趣味は陶芸であり、自身で作陶したたくさんの器を収納する引戸の食器棚と、キッチンの大切な作業台ともなるアイランドカウンターが当初からのご要望でした。

「引戸」という選択は和の要素を兼ね備えつつ、過去に大きな地震を経験したO様にとっては同時に安心感も得ることができる、という重要なポイントでもありました。

 

 

そして、この引戸を実際に使ってみると、改めてその良さや機能性に気が付いたといいます。

「ここは週末住宅なので留守の時間も長いのですが、引戸であれば、戸の両脇を少しだけ開けておくことができるので、自然と空気を回すことができ、湿気を含みやすい器の保管には最適でした。

また、戸のスライドは扉の開閉と違って手前に大きなスペースが不要なので自分の動線もコンパクトになり、無駄な動きをしなくて済みます。

そして収納の半分が一気に見渡せることも、器の出し入れや、どんな器を使おうかと選ぶ際に、ストレスがなくて気に入っています」

 

 

キッチンから続くダイナミックな吹抜け空間には、家具蔵の無垢材家具たちがその場を彩っています。

ナラ材やケヤキ材の一枚板テーブル、無垢材チェア、無垢材ソファ、ヌメ革のパーソナルチェアなどが薪ストーブを囲むようにゆったりと配置されています。

今回の取材・撮影は初夏の爽やかな陽光が溢れる季節でしたが、冬の寒い季節に訪れた際には、薪の燃える暖かなこの空間で読書をしながら、夜になったら素敵な陶器でシチューやワインなど味わってみたい…。

ついそんな妄想をしてしまうような魅力的な木の家でした。

 

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