収納家具の脚部の違い、そのポイントとは?
2023.10.11
その用途に応じて様々な種類が存在する収納家具。
その床と設置している部分、つまり「脚元」をじっくり見たことはあるでしょうか?
例えば単純に脚の有無によってもそのイメージは大きく変わります。
また、高さによってもその印象はまた変わるでしょう。
私ども家具蔵でも同一形状の家具だとしても「4本脚(及び5本脚)」にするか、脚の無い「台輪(だいわ)」とするかなどを選んでいただく場合があります。
あるいはキャスター、つまり車輪付きとすることもあります。
今回はそのような収納家具の「脚部」についての違いを深掘りしていきます。
台輪(だいわ)の特徴とは
台輪(だいわ)とは、キッチンを含めた「箱物」「箱物家具」といわれるものの一番底辺に位置する部位で、床と直接接する土台となる台座の別名称です。
この台輪はそれのみを真上から見ると「ロ」の字型の「輪」になっています。
4本脚や5本脚にも同じですが、これは本体を支えるだけでなく床からの汚れや湿気から本体を守る役割も果たしています。
例えば、掃除の際に掃除機のヘッド部分が家具の台輪に当たることがありますが、この台輪があることで本体には傷や汚れが付くことはありません。
また、本体が台輪の高さの分だけ上がる事で扉や引き出しが床に干渉せず、スムーズな開閉動作が可能となります。
引出しを最大限引き出した際には、引出しが少し下の方に下がることもありますが、そのような場合でも床に引き出しが直接当たる心配はありません。
また、台輪で本体の高さも調整して設計することが可能であり、また、巾木による壁と収納家具後方の隙間を排除することも可能です。
(巾木の高さと厚みを計算して台輪の取り付け位置と高さを調整します)
その点では前方の位置設定や高さの調整次第で、特にキッチンなどの家具に人が近づいて使用することが多いものでも自身の爪先が家具と干渉しないように調整も可能です。
汚れや傷みが出てしまった場合に台輪のみを交換するといった修理対応の余地も生まれます。
収納家具に脚があるメリットとは?
収納家具については特に北欧のヴィンテージ家具などでよく「脚付き」のものを見かけます。
脚タイプの魅力はやはりそのデザイン性の高さにあります。
いわゆる「猫脚(ねこあし)」と言われる曲線基調の強い家具もこの脚タイプの家具のひとつです。
それも含めて形状は様々ですが本体を保護し、汚れや湿気から守る、扉や引き出しと床面の干渉を避けるといった効果は台輪と同様です。
一般的には台輪よりもその長所を生かすべく、脚の長さ=脚部の高さは台輪よりも高く設定されていることが多く、そのことで軽やかさや床面が露出して空間を広く感じさせることができる効果も併せ持ちます。
また、いまや一般的ともなった「お掃除ロボット」が家具の下に入る点もメリットと言えるでしょう。
キャスター付きを選ぶ際の注意点は
一昔前のブラウン管テレビを置くテレビボードにはこのキャスター付きが多く見かけられました。
「移動が容易」という点でその可動性は大きなメリットになりえます。
一方でキャスターが露出している場合の見た目の好みやロック付きでないものは扉や引き出しの開閉のたびに家具そのものが動いてしまうこと、中身が重すぎるとキャスター移動が難しくなることや転倒の危険性など多くの注意点をはらんでいるのも事実です。
この点は購入前にしっかりと吟味しておくことをお勧めします。
脚付き家具を選ぶ際のポイントは?
4本脚や5本脚といった「脚付き家具」については、その構造も大切なポイントです。
一般的に脚が装備されている収納家具は、本体と脚が別々の構造になっています。
つまり、本体底部に脚を回転させて取り付ける「ねじ込み式」や、脚付きの下台(架台)に本体を載せる構造=架台式のもののことです。
北欧のヴィンテージ家具では、ねじ込み式よりも架台式が多く見受けられます。
ねじ込み式は脚付きマットレスやダイニングテーブルなどでも見られますが、ねじ込む角度を間違えてしまうとねじ山が傷んでしまい、取り付けそのものができなくなってしまうことも多いため注意が必要です。
ねじ込み式・架台式ともにサイズが大きい家具の場合は脚部が外れる事で搬出入が容易になるというメリットは意外と重要な要素です。
一方で「本体に脚構造が組み込まれている」ものも存在します。
これにはより高い強度が担保されるという強みがあります。
私ども家具蔵の「エミネント」及び「フレスコ」シリーズがまさにそれで、脚は天板下から1本の無垢のブロックを削り出して製作されたものです。
脚構造でありながら強度も高く担保されており、重量が出る本棚等でも4本脚でしっかりと支えてくれます。
また、これは同時に本体から脚まで流れるように一本の構造柱となっているので、立ち姿に品格と美しさを与えています。
本体下の通気性を確保することにも寄与しており、25年以上続くロングセラーとして多くの方にご愛用頂いているものです。
収納家具を選ぶ際は脚元の形状も大切なポイントとなります。
設置場所が畳やカーペットの場合は点過重よりも面過重の方が適当であるため、台輪タイプがおすすめです。
空間を広く見せたい、あるいはお掃除ロボットを使用したい、という場合なら脚付きタイプが適していると言えるでしょう。
まずは設置場所のスペースと床の種類を確認し、何を収納したいか、どのように見せたいかを踏まえて検討することがおすすめです。
悩まれた際は間取り図や室内の写真を元にご提案を行っていますので、お気軽に最寄りの家具蔵へお問合せ下さい。
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