なぜ無垢材家具は「無着色」であるべきなのか
2023.10.22
目次
技術の進歩が無垢材の良さを再認識させている
木材はあらゆるところで目にし、手に取り、使われている素材です。
木材という大きな括りのなかにおいては、それぞれの加工方法の違いでその呼び名も変わります。
そのなかで無垢材とは、いわゆる原木を切り出した「かたまり」の状態である「木そのもの」を指します。
それを利用して製作されるものは「無垢材○○」と呼ばれ、フローリングなら「無垢(材)フローリング」、そして家具なら「無垢材家具」と呼ばれています。
無垢材家具自体は昔から存在していたものです。
昔は現代ほどに木材の加工技術も進んではおらず、それゆえに木製のもの=無垢材であるのが当たり前でもありました。
時代は進み、技術の進歩で木材の加工にも様々な技術が生まれると「エンジニアリングウッド」と称する木質系材料が続々と誕生し、いつでも大量供給に応じることができる素材として、その存在は大いに役立てられてきました。
その技術進歩の恩恵を今なお多くの人が享受しているなかで、無垢材で作られるものも脈々と人の暮らしを支えてきました。
そして今、若年層を含めた幅広い世代にも支持され、かつてないほどの人気を誇ります。
これは、技術の進歩や新素材の誕生が無垢材の良さを再認識させている結果と言っても良いかもしれません。
現代社会ならではの無垢材家具支持の高まりの理由
これには多くの要素が関係しています。
まずはインターネットの普及により、多方向より情報を得ることができるようになったこと。
それまでは規模の大きなマスメディアが打ち出すものが「唯一の正しい情報」であり、それをもとにした選択肢は画一的ともいえるものでした。
しかし、現代はスマートフォン一台があればあらゆる情報を得ることができ、世界中の「良いもの」を見て、比較することができます。
若い世代ほど、その情報獲得における熟練度は高く、良いものを自身で見抜く力を持っているとも言えます。
その結果、若年層を含めた幅広い層に無垢材家具に対しての認知と高い支持があるのです。
また、SDGsを含めた「持続可能な社会」、すなわちエコロジーについては世界的に見ても現代が一番盛り上がりを見せています。
長期にわたって使用することができ、それ自体が立派なエコになる無垢材家具の使用は世界的な潮流から見ても理に適っていると言えます。
無垢材家具の様々な魅力
無垢材家具には様々な魅力があります。
広葉樹という平たくて幅の広い葉を持つ木から作られる無垢材家具は「強度があり」「傷がつきにくく」「揺れに強い」特徴があります。
これはそのまま高耐久性を持つことに繋がり、揺れに強い点も含め「使いやすい」ということに繋がります。
同時に無垢材は健康に様々な好影響を及ぼすことが数々の実証実験から判明しており、住まいの環境を快適に保つにはもってこいの素材です。
無垢材で製作された家具には一枚板テーブルのような自然が生んだ形状をそのままデザインに昇華させたものや、人の手や機械の力を借りて歴史に残るような美しいデザインとなっているものもあり、それは私たちの目を楽しませ、日々の暮らしに寄り添いながら、親しまれています。
無垢材家具は「無着色」のものが本当の魅力を味わえる
この無垢材家具、さらに細かく分類していくことができるのですが代表的なものが「有着色か無着色か」という点です。
全てのものが色素を持ち、それによって私たちは「これは○○色」という判断をします。
無垢材についても同じことが言えますが、自然のままの色合いは人工的な着色料に見られるような単一の色素からなるものではなく、様々な色素の集合体です。
無垢材家具を工業製品と割り切った場合、全て同じ規格下のものであることが求められ、それゆえに統一性を持たせるために着色料を塗布することは間違ってはいないかもしれません。
しかし、無垢材家具は「無着色」で製作することで本当の魅力をしっかりと味わうことができるのです。
無着色仕上げは経年変化を楽しみつつメンテナンス性にも優れる
着色を施していない無垢材は、使用していくうちにその色合いを変えていくという特徴があります。
それは「日焼け」「色褪せ」といった「劣化」ともいえるものではなく、美しくその風合いを変えていく「美化」です。
次第に色が濃くなっていくもの、あるいは明るくなり木目も際立つもの、その進度も樹種によって様々です。
それは風合いの深化であり、傷みを目立たなくさせるれっきとした「エイジング」といえます。
また、色を上から塗布していないことは傷みが生じた際の「削り直し」による修繕を可能にするメンテナンス性をも併せ持ちます。
多くのものが長い期間使用しているとその見た目を変えていきますが、その変化はほとんどが「古くなっている」ことが分かるものです。
無着色仕上げの無垢材家具は長い期間使用することができ、その間の状態の変化も「味」として楽しむことができる、「使う喜び」にあふれたものなのです。
そう、無着色仕上げの無垢材家具には「使う喜び」があります。
家具は暮らしの空間を美しく彩るインテリアでもあると同時に暮らしをサポートする「道具」です。
道具である以上、快適に使うことができるのが大前提です。
そして、そのようなものは長く使用したいものとなりますが、無垢材家具はそれを可能にします。
それが無着色仕上げであればさらにそこに「喜びや楽しみ」を見出せるのです。
そこには愛着が生まれます。
愛着を感じながら、大事に使うものがある。
そういう存在があるのはとても豊かなことです。
家具蔵ではまさしく無着色仕上げの無垢材で様々な家具を受注製作しています。
まずは各店舗で実際に「見て」「触れて」「感じて」いただけると、その魅力が伝わるはずです。
お気軽にお立ち寄りください。
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