身長差のあるカップルの家具選びのポイントとは
2023.11.19
目次
チェアやテーブルの「丁度良い高さ」は人によって変わるのか
人というのはそれぞれに体型が異なります。
それは身長もしかりです。
男性と女性で身長差があるケースは多々あり、それによって何かを決める際にその身長のギャップがスムーズな決定を妨げるケースがあります。
住まいに関するものでいえばキッチンのワークトップ(=天板)高を体型によって選ぶことができるものも多く、それは自身の身長とキッチンの天板高のバランスが適正でないと作業しづらくなってしまうためです。
家具においてもしかりです。
特に「人体系家具」と言われるダイニングチェアとダイニングテーブルは、自身の体型とのマッチングがその場の過ごしやすさを左右します。
具体的に言うとダイニングチェアの座面高とダイニングテーブルの天板高をどのように設定するかが快適性に大きく関わります。
カップルで身長がそれぞれに異なる場合、それぞれに「丁度良い高さ」は変わるのでしょうか。
そして、その調整と決定はどのようにすればよいのでしょうか。
身長差のギャップを埋めるには基準をつくること
例えば身長180cmある人と150cmくらいの一組のカップルがいるとします。
その身長差は30cmとかなりのものです。
この場合、身長の高い人とそうではない人では厳密に言うとそれぞれに合う椅子の座面高もそれに伴うテーブルの天板高も異なります。
そうかといって、一台のテーブルを一緒に使用するのに高さの違うものを使用するわけにはいきません。
テーブルの高さは一定にしておくことになります。
そこで必要なのは何らかの「基準」を作ることです。
椅子の座面高の基準は「一番小柄な人」
この「基準」を何にするのか、それは「小柄な人が椅子に座った時に足が床に着くか」となります。
ダイニングチェアに限らず、身体をしっかりとその場で休める条件に適正な体圧分散、があります。
チェアの場合臀部・背中・(肘掛付きなら)腕、そして床に接地する足裏。
これら身体の各所に掛かる体圧が適正に分散されると身体全体の負担を軽減することができます。
また、足裏が床に着くことで、太もも裏への圧迫も軽減される効果も期待できます。
つまり、椅子選びの際には足がきちんと床に届いているか、理想は足裏がしっかり床に着いているかを確認しなければなりません。
そこで身長の高い人であればどのような椅子に座っても足が床に着かないということはないのですが、身長差がある人が同じ条件の椅子に座っても足が床に着かないこともあるでしょう。
しかし、身長が高い人なら多少座面高が低い椅子に座っても自身の脚を曲げるなどの調整も効きます。
互いに快適性を担保した椅子選びを行うなら、椅子の座面高は小柄な人に合わせるのが「鉄則」です。
これはカップルに限らず、家族など人が増えても同じです。
座面高に適したテーブルの高さを選ぶ
そこからその座面高に適した高さを持つテーブルを選んでいきます。
ここで大きなポイントになるのが「全て椅子は同じような座面高にする」ということです。
ダイニングチェアやワークチェア、そしてダイニングテーブルやワークデスクには互いに「丁度良い高さのバランス」というものがあります。
仮に1脚だけ椅子の座面を低くしてそれに適した高さのテーブルを選び、他の椅子の座面高は高いまま、あるいは完全に異なっていると、身長が高い人にとってそのテーブルは低すぎて使いづらいものとなります。
「この座面の高さの椅子ならテーブルやデスクはこの天板高が適正」というものがあるのです。
チェアの座面の高さからテーブルやデスクの天板高を差し引いた数値がそれにあたり、それを「差尺」と呼びます。
自然な姿勢で食事や作業ができるチェアの座面高とテーブルの天板高の最適なバランスは概ね「28cm~30cm」程度と言われています。
この数値を具体的な例で見てみると、座面高42cmのチェアならテーブルの天板高は70~72cmが適切であるわけです。
1脚の椅子の座面高を身長が高くない人に合わせたとしても、他の椅子も同じような座面高にして、それに適したテーブルの高さとすれば、誰にとってもこの差尺が保たれていることになり、仮に身長が高い人が同じテーブルを使っても食事や作業がしにくいことはありません。
どちらかの買い替えでも差尺を重視する
これは、ダイニングテーブルは変えずに椅子のみを変える、あるいはその逆で椅子はそのまま使用するがダイニングテーブルを買い替える、という状況でも応用できる考え方です。
むしろ、その場合にこそ重要になるものと言っても良いかもしれません。
椅子の座面高とテーブルの天板高が適正でないと、食事や作業の際の姿勢に無理が生じることになり、非常に疲れやすくなります。
ダイニングテーブルの買い替え、あるいはダイニングチェアの買い替えの場合は引き続き使用するものの座面高や天板高は予め把握しておき、家具販売店で申告することで「バランスが合わず使いづらい」という問題を遠ざけることができます。
身長差がある際に、特に住まいにおいては互いが快適に過ごすために様々な要素を加味しておかないといけません。
特にダイニングチェアは身長が高くない人にとっては「足が床に届かないのが普通」と考え、軽視する場合も多いですが、身体を預けるものである以上、自身の体型に合ったものであることが望ましいのは当然です。
私ども家具蔵では多々ある無垢材チェアはどれも受注製作ですので、標準の座面高から脚をカットするなどして調整することができます。
専任のスタッフがお客様の体格や過ごし方など丁寧にヒアリングをし、お客様にあった「高さ」をご提案しています。
是非、ご活用ください。
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