一枚板テーブルは「価格の上下」でその良さが決まるのか?
2023.11.20
目次
価格の上下で一枚板の「質」は変わるのか?
無垢材テーブルはあらゆる層に高い支持を受けており、家具選びの際には高い確率で選択肢の一つに上がります。
その無垢材テーブルにもたくさんのデザインや種類がありますが、その中の最高峰と位置付けられているのが一枚板天板を使用した一枚板テーブルです。
世の中で流通するものは総じて「価格」があり、それをもとに様々な場所とレベルで取引が行われています。
当然、一枚板テーブルも(基本的には)お金を払って購入するという前提では「価格」が存在します。
一方で、一枚板天板や脚が付いた状態の一枚板テーブルはじつに価格がまちまちです。
同じサイズ、同じ樹種であっても価格が異なるものがあり、あるいはメーカーや販売店などでそもそもの価格帯が違っていることもあります。
家の顔として長い間使用することが見込まれる以上、どのようなものを選ぶかにおいて失敗はしたくありません。
誰もが「できる限り質の良い一枚板天板を手に入れたい」と考えるなかで、その価格が適正なものかどうか、あるいは価格の上下で一枚板の「質」は変わるのかは知っておきたいところです。
一枚板天板が高額なのはその希少性から
そもそも一枚板テーブルは一般的なテーブルと比較しても、また、無垢材テーブルという枠の中においても価格自体は高額な類となります。
その理由は「希少である」ためです。
「個人の思い入れ」というものを度外視すれば、世の中には「同じもの」が多々あります。
一般的なテーブルは、たとえ「木のテーブル」であったとしても芯材に表面材を貼り付けて製作する「木質系加工材料」のものであれば、規格化されたものを大量に安価で製作することが可能です。
つまりは「同じものがたくさんある」ということであり、そこに(一部のものを除いては)希少性はありません。
無垢材テーブルはどうでしょうか。
原木から切り出した厚みのある板を接ぎ合わせて作られる無垢材テーブルは、一台ごとに異なる木目を持つことがそれぞれの独自性に繋がります。
その意味ではそれぞれが「世界に一台のもの」です。
しかし、その多くは決められたデザインの中で製作されるものであり、本当の意味での「一点もの」ではないと言えます。
対して一枚板天板はどれをとっても形状も含め、同じものは一つとしてありません。
それぞれが世界に一つだけの一点ものという希少性を持ちます。
さらに一本の木から一枚取れるか取れないか、という点でその希少性は高まります。
高樹齢で同じものが無いという希少性
この希少性は高樹齢のものからしか採ることができない、という点でさらに高まり、そのことが元々の価格を押し上げます。
一枚板天板はダイニングテーブルに使用されることが現代では多いですが、その役目を十分に果たすことができなければ暮らしの道具としての価値は半減します。
一般的にダイニングテーブルで必要といわれる「80~90cm」の奥行を確保するには、元の樹木がそれだけの直径を持っていないといけません。
中心部分は耐久性に劣るので一枚板としては使用できないことも多く、80~90cmの奥行を確保するにはそれ以上の直径を持った樹木である必要があります。
それだけの奥行を確保できる樹木の樹齢はおおよそ100年以上です。
なかには150年や200年、それ以上の樹齢を持っていたものもあります。
そのような木が世界的に見ても希少であることはここで語るまでもありません。
この「高樹齢」、そして「どの一枚板もひとつとして同じものが無い」という希少性が一枚板天板の価格の理由です。
知名度やサイズ、形状は価格の上下の理由になりうる
需要と供給という経済の原理原則に従うと「人気(有名)樹種である」ことは価格の上下に影響します。
あるいはダイニングテーブルとして使い易いサイズであれば、そうでないものと比較して価格は上になりがちです。
また、一枚板天板は自然が生んだその形状こそがデザインに昇華したものですが、テーブルという暮らしの道具でありインテリアである以上、あまりにユニークな形では使いづらいものとなります。
そのことからその形状、つまり使い易い=真っ直ぐに近い形状のものは価格が上がることになります。
人気や知名度、サイズ、形状が高いレベルで揃っていれば価格は上がっていく傾向があり、逆にこれらの条件が揃わない、例えば「マイナーである」「サイズが一般的ではない」「ユニークすぎる形状である」という要素が出てくると価格は下がることになります。
つまり買い易くなるのですが、その点ではどこまで納得したもの選びとなるか、長い目でじっくりと検討する必要があります。
重要なのは自身にとっての価値
では高額であればあるほど、良い一枚板天板であるのかというと必ずしもそうとは限りません。
上に挙げたような「価格の根拠」はあっても、それが自身にとって良いものとなるための基準にはならないからです。
あまり有名でないことから価格が抑えめとなっている樹種でも世界的な銘木に負けない素晴らしい樹種も多々あります。
一般的なサイズでなくともそれが自身の暮らしにとって丁度良いものであればそれは「掘り出し物」と言えるかもしれません。
それはまさに一点ものを探す醍醐味です。
一枚板天板選びは価格だけを見てその良し悪しを判断してしまうのではなく、大事なのはそこに自身の事情や希望がどこまで高いレベルで反映されるかが重要です。
さらに言えば自身や家族が「これが一番」と思うことができれば価格はどうあれ、それは世界で一番素晴らしい一枚板天板です。
私ども家具蔵でも世界中から集めた多様な一枚板天板をご案内していますが、何よりもその人が長い期間愛でることができる、そのような選び方をお手伝いしています。
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