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ダイニングチェアを「背当たりで選ぶ」という考え方

2023.11.24

 

 

ダイニングチェアの座り心地は重要


 

 

ダイニングチェアは言うまでもなくダイニングテーブルで食事や作業を行うために使用する椅子であり、それが本来のアイデンティティでもあります。

一方でその汎用性やデザインの多様性からダイニングテーブルに合わせて使用するだけでなく様々なシーンで活躍するものです。

同時にダイニングテーブル自体が現代の住まいにおいて多用途なものとなっており、長い時間使用するものとなっています。

それはつまりダイニングチェアに着座している時間も長くなっていることを意味し、その座り心地は空間そのものの居心地や自身の身体的な負担の軽減の面からもより重要になっています。

 

座り心地を軽視してはいけない


 

 

ダイニングチェアに限らず、チェアや椅子を選ぶ際には様々な要素が重要な決め手となります。

インテリアである以上、デザインの良さやそれが自身の好みに合っているかという点は軽視できません。

お気に入りのものがそこにあるという充足感や、ふと視界に入った際の満足感は特に精神面においてポジティブな要素をもたらし、同時に空間の「格」を上げるものとなります。

毎日使用するものであることから過度に重いものは使いにくく、それでいて耐久性に優れていることも重要です。

チェアは暮らしを便利にする道具でもあり使いやすく、壊れにくく、傷みにくいものであることは余計なストレスの無い毎日に直結します。

そして、何よりも座るために使用するものですから座り心地が良いに越したことはありません。

むしろそれがチェアという家具の存在意義においてもっとも重要とも言えます。

チェア選びで何を優先するかは人によってもそれぞれですが、座り心地を軽視した選び方を行うことで「居心地の良さ」「疲れにくさ」「作業の効率性」などが損なわれる可能性は高くなります。

決してお勧めできるものではありません。

 

「背当たりの良さ」も座り心地の良さを大きく左右する


 

 

座り心地を決める要素も多々あります。

身体に自然にフィットする、という身体への「当たりの良さ」もそのひとつです。

チェアは大きく分けて「座面」「脚」「背もたれ」から成る家具です。

背もたれは「笠木」と呼ばれる背もたれ部の最上部に横向きで配される部分で、それを背板(背もたれに縦方向につけられるパーツ)や背貫(同様に横方向に付けられるパーツ)と背柱(笠木の両端に取り付けられ、背もたれの枠を構成する部材)で支え、チェアの背もたれは完成します。

後脚がそのまま背柱の役目を果たすものや、背板や背貫を擁しないチェアもありますが、この背もたれ部分がもたらす「背当たりの良さ」もそのチェアの座り心地の良さを大きく左右します。

 

背もたれがあることで着座の際に背中を寄り掛からせることができ、それは体重を預けることができる部分がひとつ増えることを意味します。

そのことは効率的な体圧分散に大きく貢献し、疲れにくさや居心地の良さに直結します。

この背もたれ部の形状が人体工学に基づいたものであれば、それは「背当たりの良さ」を求める意味では非常に有益なものとなります。

 

「良い姿勢」「正しい姿勢」を支える「補助具」がチェアである


 

 

人の背骨というのはS字曲線を描いています。

それは立って歩くのに都合が良いからです。

四本足の動物の背骨は、弧状か直線形状で人間のように曲がってはいません。

人間が他の四足歩行動物と違う大きな特徴は、二本の足で立って歩くということです。

実は座ったときの姿勢は立ったときの姿勢よりも無理があります。

座るためには骨盤が回転しなければならず、同時に仙骨も回転するため背骨をS字に保つことができないのです。

このS字曲線がつくる快適な状態を保つために背もたれにも様々な形状があり、座面はその骨盤を支えるために心地の良いデザインが研究されてきました。

椅子について述べるうえで「姿勢」は切り離せないもので、いわゆる「正しい姿勢」というのは直立した姿勢のことであり、身体に一番負荷のかからない体勢であるともいえます。

人は正しい姿勢の場合には身体も心も十分に機能しますが、そうでない場合には心身の機能は著しく低下することが研究の結果、判明しています。

見た目のデザインのみに走らずに「良い姿勢」「正しい姿勢」を支える「補助具」であると考えた設計が成されている椅子は、その背もたれの形状にも理由があり、背当たりの良さを実感できるものも多くなります。

 

本当の意味での背当たりの良さを実感するためのコツ


 

 

ここでひとつ「本当の意味での背当たりの良さ」を実感するためのコツをお話しします。

それは試座の際に様々な姿勢をその場でとってみることです。

浅く座って寄り掛かる、斜めや横を向いて寄り掛かる、伸びをする…。

チェアに座っている際に考えられる動作を行い、背中へのフィット感が損なわれない、つまり固さや痛みを感じないチェアは本当の意味で背当たりが良いと言えます。

何故なら人は座っていても一定の姿勢ではなく、様々な動きを取るためです。

そのサポートを適切に行う補助具としてチェアを考える際に、あらゆる動きに対応するという点は居心地の良さを追求するうえでは重要なのです。

 

 

快適な座り心地を約束する背もたれを持ったダイニングチェアなら、体の負担を軽減し、その場を常に快適な空間としてくれます。

ダイニングチェアを選ぶ際には背もたれも意識しながら選ぶと良いでしょう。

背当たりの良い椅子は快適性、健康への配慮、姿勢のサポートなどさまざまなメリットを持ち合わせます。

きっと価値ある投資となるはずです。

家具蔵の無垢材チェアも人間工学や日本人の体型を設計に取り入れたもので多様なデザインがあります。

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