家具蔵 の提案する無垢材キッチン ~タイプ別・木のキッチン製作実例紹介~ その7
2023.12.30
目次
最近では住まいの新築やリフォームを計画する際に、「リビング」や「ダイニング」のように多くの人が集まり、長い時間を過ごすことが想定される場所と同じように「キッチン」の重要性も高まっています。
キッチンをどのような空間にしたいか、そしてどのように過ごしたいか、キッチンの「インテリア」までを含めて家づくり全体を考えることも多くなりました。
それは、キッチンが単なる機能ばかりを優先する「調理の場」としてだけではなく、リビングやダイニングと同じように、そこで人が心地よく過ごせる空間であることが求められるようになったからに他なりません。
キッチンにもリビングやダイニングの家具と同様に時間とともに深みを増す本物の素材を使い、 腕の良い家具職人が丁寧に作るものを。
木のキッチン・無垢材のキッチンは、しっくりと手に馴染み、空間に美しく溶け込む「生活の道具」となります。
家具蔵の木のキッチン製作実例紹介として「ベーシックタイプ」「オーダータイプ」という2つのタイプの概略とその応用をご紹介します。
家具蔵のキッチンは「ベーシックタイプ」「オーダータイプ」から選ぶ
私ども家具蔵では木のキッチンをプランニングする際に「ベーシックタイプ」「オーダータイプ」という2つのタイプから選択することが可能です。
お客様ごとにどちらのタイプをベースにすることが相応しいのか、どちらであればよりスムーズにプランの実現が可能であるか、を考慮しながら計画をする必要があります。
ベーシックタイプでは、横幅・奥行・引出しや扉・設備機器の並び方など、デザインに一定の決まりがある中からの選択となります。
そうすることで価格を抑えることも可能となり、また一方ではキッチンの使い勝手やデザインに普遍的な機能性、バランスの良い美しさが担保されたものとなります。
一方、オーダータイプではキッチン本体のサイズはもちろん、L型や二列型といった根本的な構成の部分から使用する機器やその配置、素材のセレクトまで全てを自由にデザインすることができます。
価格はベーシックタイプと比較すると高額となりますが、いわゆる高級オーダーキッチンメーカーと比較すれば安価であり、そのうえで本当に満足できる木のキッチンを計画したいという方には魅力的なものとなっています。
そして、上記の2つのタイプは基本的にどちらかを当てはめて計画する必要がありますが、内容によっては2つを組み合わせてプランニングをすることで、実現の可能性が拡がる場合もあります。
これからご紹介するいくつかのケースでは、どのタイプをベースにしているかも併せて表記しています。
これからキッチンを計画される方の参考になれば幸いです。
CASE 7 自然素材による家づくりとオーダーキッチンの幸せな関係(金澤邸 /埼玉県 )
【フルオーダータイプ】
今回は家具蔵が提唱する「家具から考える住まいづくり」を実践した、埼玉県の工務店「カネザワ」の金澤会長夫妻のために作られた木のキッチンと住まいを紹介します。
以前よりクオリティの高い家具蔵のプロダクトに惚れ込んでいた夫妻は、無垢材のダイニングテーブルと木のキッチンを家の中心に据える自宅の設計を計画することになりました。
50年近く工務店を経営してきた2人ですが、8人のお孫さんを含め計17人の家族と社員の集まり、それ以外にも来客が多い自邸にはまず大きなダイニングテーブルが必需品だったといいます。
そして、料理をつくるのもふるまうのも大好きな明るい奥さまのご要望は、木の質感溢れるリビングダイニングのインテリアと完全に一体にとなった木のオープンキッチンでした。
家自体の設計士(当時)でもある家具蔵のスタッフとゼロから考えてデザインした木のキッチンは、無垢材の質感や木目の美しさもさることながら、リビングダイニングに対して「見せる・隠す」のバランスが良く、家族やお客様も含めて、大勢で料理を楽しめるレイアウトとなったことから、「長年の夢が叶った」と大満足の様子でした。
チェリー材のオーダーキッチン & 大テーブル を家の中心に
この住まいは、こだわりのキッチンの他にも「木の家」としての見所が多々あります。
通常は目にすることの少ない幅24センチ×厚さ3センチという杉無垢の床材、また耐久性が高く赤味が美しい貴重な杉の芯材をふんだんに使ったテラス、太さ30センチ以上もある檜の大黒柱、樹木の自然形状を活かした松の太鼓梁、さらには左官職人が家中の壁全てに腕をふるった珪藻土の壁。
住まいのどこに目を向けても自然素材へのこだわりが詰まった気持ちがいい空間となっています。
金澤会長は「仕事柄、お客さんの家はたくさん見てきたはずなのに自分の家については不思議とイメージが沸かなかった」とのこと。
それが結果的に「100点満点」の住まいになったのは「家具から具体的に自分たちの暮らしをイメージできた」からだと話します。
こうして家族や友人たちが集う、理想の暮らし、家具蔵の家具に彩られた心地よい木の住まいが実現しました。
寝室と和室によってコの字に囲われたリビング外のデッキテラスは波の穏やかな入江のイメージ。
室内に落ち着きを与え、山方向への風景を切り取る効果もあります。
リビングダイニングは季節や来客状況で自由に家具の配置を変えて楽しめるような空間の構成になっています。
四方の庭に向けた視線の抜けと風の流れが気持ち良い空間でもあります。
檜の大黒柱は、大切な構造材でもありますが、空間を意識的に仕切るパーテーションの意味合いも持つものとして設計されました。
ダイニングとキッチンからは北の庭が見えます。
奥の半分が壁に隠れたキッチンが家具のように空間に調和しています。
3.5mあるキッチンも半分が壁に隠れている効果で、正面からは意外なほどコンパクトに見えます。
たくさんの来客にも対応する収納力を誇るキッチンはこの家の文字通り中心でもあります。
取手はウォールナット材で程よいアクセントにしつつ、経年による傷みも目立たないような工夫もされていて、シンプルながら無垢材の質感が際立つキッチンが完成しました。
30人分の料理でも手際よく調理が進む機能的なキッチンは、背面収納との距離や高さも使い勝手を左右する大切な部分です。
金澤さん夫妻の近影。
40年前から材木商と工務店を経営してきた、家づくりに関するプロ中のプロでもあります。
土地選びの段階から長い時間をかけて完成させた住まいは、「過ごす時間が長くなるほどその良さが判ってきました」とのことです。
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