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「箱物家具」と「脚物家具」の違いとは?

2024.2.1

 

 

箱物家具と脚物家具


 

 

家具の種類の分け方のひとつに「箱物家具」と「脚物家具」というものがあります。

それぞれのイメージは、その言葉の持つ雰囲気から何となく想像がつくかもしれません。

箱物家具は、その名の通り「箱」の中にものを入れることになる収納家具全般を指す言葉です。

対して脚物家具はこれもまた名は体を表すように脚がついた家具、つまりテーブルや椅子、ソファなどを指します。

同じ家具ではありますが「箱物」と「脚物」では根本的に作り方も変わります。

そのため、こうした区分けがされているのです。

家具販売店でスタッフが家具を「箱物」「脚物」と呼ぶことがありますが、このことを知っておくと「?」とならずにスムーズな対話が可能です。

 

箱物家具とは?その歴史とは?


 

 

箱物家具とはいわゆる「収納家具」を指しますが、箪笥や食器棚、飾り棚などがこれに当てはまります。

もう少し詳しく掘り下げていくと、主に天板(最上部に来る部分)・地板(底になる部分)・側板(横の部分)・棚板(内部の棚)、ものによっては扉や引き出しなどを用いて作られる家具のことです。

ご存知のように収納家具は、その使用において頻繁な移動はあまり行いません。

基本的には室内の所定の位置で使い続けることが多くなります。

目的を満たす収納量とそれに呼応する家具の耐久性が求められることから、箱部の構造強度を持たせることは非常に重要な課題となります。

家の中を見回してみるとじつに多くの種類の収納家具、つまり箱物家具に囲まれていることが分かります。

かつて、日本には家具が無かったともいわれます。

厳密に言えば銘々膳などを含めたものは存在していましたが現代のような家具が一般的に広まったのは明治維新以降、そして大衆的になったのは戦後になってからです。

しかし、箱物家具についてはその源流は日本においては平安時代には既にあったとされています。

「厨子」と呼ばれる小型の収納です。

この厨子は調理道具や食材などを入れるものとして使われていましたが、徐々に身の回りのものを仕舞う収納としても活用されるようになりました。

室内に置くものとして、ある意味現代のインテリア収納の始まりとも言えるでしょう。

そこから葛篭(つづら)や行李(こおり)、櫃(ひつ)、長持ちなど用途に合わせた収納が現れ、市民権を得ていきます。

実際に収納家具として意識され始めたのは江戸時代に衣装箪笥が作られたことが始まりとも言われています。

 

箱物家具の脚元のデザインの違い


 

 

箱物家具=収納家具は「箱の中にものを収納する」という基本的なコンセプトは世界共通です。

しかし、そのディテールには違いがあり、特に脚元のデザインは大きく分けて2つの分類が可能です。

それが「4本脚」と「台輪」という2つのスタイルの違いです。

「4本脚」、つまり下部に脚を持たせた構造はそのプロポーションの良さが特徴的です。

ヨーロッパのアンティーク家具の脚にも特徴的な装飾や形状があるものも多く、現代においても収納家具に脚を求める人も大勢います。

実用面でのメリットは何と言っても家具下のフロア面が見えることで家具自体に軽やかな印象を与えることができる点にあります。

これは空間全体で見ても「抜け」が生まれることでの軽やかさに繋がり、収納下部が空いていることは特に現代においては掃除ロボットが進入しやすいという相乗効果があります。

対して「台輪」とは収納家具下部が箱状になっているものです。

収納家具には扉や引出しなどが装備されていますが、それぞれを床から離しておかないと床に接してしまうことで扉や引出しの開閉に困難が生じます。

それを避ける存在が台輪であり、室内の床と壁の境目にある巾木(はばき)を避け、収納家具と壁の隙間を無くす意味合いも持っています。

土台のように床面に家具本体がぴったりと付いている状態になるので見た目の安定感も生まれます。

 

脚物家具とその強度の高め方は


 

 

一方「脚物家具」として代表的なものはテーブルや椅子、ソファなど現代のリビングダイニングで主に使われる家具の類です。

今では当たり前のようにダイニングテーブルやダイニングチェア、ソファを皆が使用していますが、脚物家具が一般の暮らしの中に浸透してくるのは戦後になってからでした。

それまでの日本では床座の暮らしが主であったためです。

箱物家具は内部にものを入れる際の強度を重視しますが、脚物家具は上に物を乗せる、その際の荷重を支えるという考え方を前面に押し出す家具づくりを行います。

例えばダイニングチェアやソファ或いはベッドなど、人の体重が掛かり、しかもその場所での移動もある家具はそれに対応する構造強度が求められます。

たとえば椅子は上から掛かる荷重だけではなく、前後左右への動きにも耐えうる構造でなければなりません。

釘やビスなどの金属を接合部分に用いると木の繊維が脆くなりやすくなり、ぐらつきの原因になっていきます。

それはその家具の寿命が短くなることを意味します。

そこで私ども家具蔵では木造建築で使われる様々な「仕口」を家具製作に用いています。

「木は木で締める」という、木材同士を組み合わせる仕口は様々な種類がありますが、建築技法にも相通じる点もあることから、椅子は家の建築と同じように捉えられることも多くあります。

この構造強度を高めるための仕口の構造は、ある意味では家具を作る職人の腕の見せ所ともなるのです。

 

 

 

このように家具のジャンルの中でも使用用途に合わせた構造の作り方に分かれてくることから、箱物家具と脚物家具は全く異なる区分けと考えられています。

それぞれの家具たちがどのように作られているのかを見ていくと、更に家具選びが楽しいものとなるかもしれません。

そして、ぜひ家具蔵で職人技の数々を実際に確認してみてください。

 

家具蔵の無垢材家具づくりの詳細はこちらから

 

 

 

 

 

 

 


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