家具蔵 の提案する無垢材キッチン ~タイプ別・木のキッチン製作実例紹介~ その9
2024.3.8
目次
最近では住まいの新築やリフォームを計画する際に、「リビング」や「ダイニング」のように多くの人が集まり、長い時間を過ごすことが想定される場所と同じように「キッチン」の重要性も高まっています。
キッチンをどのような空間にしたいか、そしてどのように過ごしたいか、キッチンの「インテリア」まで含めて家づくり全体を考えることも多くなりました。
それは、キッチンが単なる機能ばかりを優先する「調理の場」としてだけではなく、リビングやダイニングと同じように、そこで人が心地よく過ごすことのできる空間であることが求められるようになったからに他なりません。
キッチンにもリビングやダイニングの家具と同様に時間とともに深みを増す本物の素材を使い、 腕の良い家具職人が丁寧に作るものを。
木のキッチン・無垢材のキッチンはしっくりと手に馴染み、空間に美しく溶け込む「生活の道具」となります。
家具蔵の木のキッチン製作の実例紹介として「ベーシックタイプ」「オーダータイプ」という2つのタイプの概略とその応用をご紹介します。
家具蔵のキッチンは「ベーシックタイプ」「オーダータイプ」から選ぶ
私ども家具蔵では木のキッチンをプランニングする際に「ベーシックタイプ」「オーダータイプ」という2つのタイプから選択することが可能です。
お客様ごとにどちらのタイプをベースにするのが相応しいのか、どちらであればよりスムーズにプランの実現が可能であるか、を考慮しながら計画をする必要があります。
ベーシックタイプでは、横幅・奥行・引出しや扉・設備機器の並び方など、デザインに一定の決まりがあるなかからの選択となります。
そうすることで価格を抑えることも可能となり、また一方ではキッチンの使い勝手やデザインに普遍的な機能性とバランスの良い美しさが担保されたものとなります。
一方、オーダータイプではキッチン本体のサイズはもちろん、L型や二列型といった根本的な構成の部分から使用する機器やその配置、素材のセレクトまで全てを自由にデザインすることができます。
価格はベーシックタイプと比較すると高額となりますが、いわゆる高級オーダーキッチンメーカーと比較すれば安価であり、そのうえで本当に満足できる木のキッチンを計画したいという人には魅力的なものとなっています。
基本的には物件の状況やお客様の好み・事情に合わせてどちらかを当てはめながら計画する必要がありますが、内容によっては2つを組み合わせてプランニングをすることで、実現の可能性が拡がる場合もあります。
これからご紹介するケースでも、どのタイプをベースにしているかも併せて表記しています。
これからキッチンを計画している場合の参考になれば幸いです。
CASE 9 リフォームでキッチンを我が家の特等席に(I邸 東京都東大和市)
【フルオーダータイプ】
約30年前に建築家に設計を依頼し、大切に手を入れながら過ごしてきたI様の愛着のある住まい。
家族それぞれの現在のライフスタイルに合わせてその住まいを大幅にリフォームすることになりました。
新しい間取りをどのようにするのか考えるうえでの大きな悩みの一つは、何よりも「キッチンの位置」でした。
それまでキッチンは家の北側に位置しており、どちらかというと暗い場所にありました。
加えてシンクやコンロの配置はキッチンに立つ人にとっては、家族に背を向けて作業をしなくてはならないものであった、という他のケースでも良く聞き及ぶような「不満」もあったキッチンでもあったのです。
それに対して家の中で南側に配置されていた寝室などは日中全く使われていない状況にあり、熟考の末に互いの場所をそっくり入れ替えるという大胆な発想を実現するはこびになりました。
寝室とLDKを丸ごと入れ替えて生まれた理想の空間
キッチンの位置を変更することは実は意外と簡単なことではありません。
配管スペースの確保や、キッチンからダイニング・リビングに至るまでの動線やコミュニケーション上の関わりを整理し直さなければならないのです。
しかし、そうすることで
「今度はなんとしてもキッチンを明るく、家族とのつながりも感じられる楽しい場所にしたかった」
という強い希望を元に、何度もプランを検討されたということでした。
敷地自体は南傾斜の高台にあり、窓の外には素晴らしい眺望が開けています。
南側のそれまで寝室であった場所をダイニングスペースとし、そことオープンにつながる対面キッチンを隣接させました。
それによってキッチンで作業する人にとっても外の景色の拡がりを感じながら、家族と会話ができるスペースとなっています。
キッチンに天窓を設けて爽やかな自然光を取り込む特等席に
さらにキッチン内部の天井に「天窓」を設けました。
これにより、南側のダイニングスペースからは少し奥まった位置となるキッチン内部に一日中爽やかな自然光が降り注ぎます。
こうしてI様邸のキッチンは陽光に満ち溢れた気持ちの良い「我が家の特等席」になったのです。
「キッチンスペシャリストでもある家具蔵のスタッフの方が、とても丁寧に無垢材キッチンの使い勝手だけではなく、そこからの視線や動線まで考慮しプランニングしてくれて、安心してお任せることができました。
また、キッチンだけでなくダイニングやリビングなど空間全体の家具の相談にも乗っていただけたので、とても統一感のあるインテリアになったのだと思います。
思い切ってリフォームをして本当によかった!」
と奥様は振り返ります。
室内には今回のリフォームに際して様々なアイデアを出されたご主人様が収集されている小物や美術品がセンスよく飾られています。
それらもまた住まいの居心地を高める重要なファクターとなっています。
ダイニングスペースの窓際に配置されたオーダー収納家具は、造り付けではなく敢えて「置き家具」にすることで可変性を持たせながら「抜け感」を出しました。
造作家具では出すことが難しい無垢材ならではの質感と細やかなディテールの上質感を出すことで、空間のアクセントとなっています。
無垢材アイランドキッチンカウンターの対面部分の下部収納(ディスプレイスペース)も含めて「見せる・隠す」のバランスが考えられた木のインテリアの参考になりそうな素敵なキッチンが完成しました。
天井に半分見えているのが天窓です。
木の枠で囲まれたシンプルな造形なので一見すると照明器具のような印象。
全体の面材はナラ材ですが、ライン状の取手をウォールナット材にしたことで、程よいアクセントとなっています。
これはそれだけでなく、実は「汚れが目立たない」というメリットも併せ持ちます。
引き戸の吊棚の下には、LED照明をすっきりとビルトインさせ、手元の作業を明るく照らしてくれます。
このような細部に渡るきめ細かい提案、工夫が実現されるのも、オーダーキッチンの醍醐味かもしれません。
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