レンジフードと換気扇の違いとは?
2024.4.19
レンジフードとは…
キッチンのガスコンロやIHクッキングヒーターの上には排気のための設備が必ず取り付けられています。
いわゆる「レンジフード」と呼ばれるものですが、その昔は換気扇という呼称が一般的でした。
名前が違うということは両者に大きな違いがあるか、というとそのようなことはありません。
正確には「レンジフード」とは、キッチンのガスコンロの上に設置される換気扇と、その換気扇を覆うカバーのことを指したものです。
その昔、キッチンの換気扇は「プロペラファン」という扇風機の羽のようなファンが剥き出しに近い状態で壁付けされているものが殆どでした。
現在でもそのような換気設備が存在しますが、現在は縦型の羽根が筒状に付けられた「シロッコファン」というものを採用しながらレンジフードで覆うスタイルが一般的となっています。
つまり、レンジフードも換気扇とだけ呼ばれているものも、どちらも「キッチンを換気する設備」という点は変わりません。
レンジフードとは、その仕様こそ異なるとはいえ「カバーの中に換気扇がある」という状況を指したもののことです。
排気性に勝るレンジフード、場所をとらない換気扇
レンジフードと(剥き出し状態の)換気扇の最も大きな違いはファンの形状にありますが、もう一つの違いは「排気方法」にあります。
レンジフードでは「ダクト」と呼ばれる通風管を通って排気が行われます。
一方で換気扇は壁に直接取り付けられていることがほとんどで、そのことにより直接屋外へ排気されるのが特徴です
レンジフードは換気扇そのものがカバーで覆われているので、調理時に出る蒸気や匂いが換気扇に誘導されやすくなり、効率的に排煙ができる仕組みと言われています。
換気扇は、集合住宅の歴史の始まりの頃から主流であったことから古い住宅に取りつけられているイメージを持っている方も多いようです。
また、取り付け自体がレンジフードに比べ簡単で場所もとらないことから賃料が安価な賃貸物件などでもよく見かけるイメージもあり、レンジフードに劣るような感がある人もいることでしょう。
しかし、リモコンで操作可能なものや温度調節機能付きのものなど時代に合わせて進化を遂げていることも忘れてはいけません。
掃除やメンテナンスの簡易性も見逃せないところで、条件が整うであれば選択肢から安易に外すのは勿体ないといえます。
レンジフードの形状の進化の歴史
レンジフードは屋外に直接空気を送り出す換気扇とは異なり、ダクトを経由させることから屋外に面していない壁面にも設置することが可能です。
また、天井に埋め込む形でも設置が可能で、排気効率の良さもレンジフードに軍配が上がります。
電気代の効率性やデザインの豊富さもレンジフードの魅力で、キッチンの設置場所が狭くても問題なく取りつけられるのもメリットです。
そのことからレンジフードが(換気扇と比較すると)圧倒的に優勢ではあるので、あらためてレンジフードについてその違いなどをみていきましょう。
レンジフードはこれまでは「ブーツ型」と呼ばれる深型のタイプが一般的でした。
正にブーツのような形をしているフードですので、深く包み込むような形で蒸気や煙を集めやすいという特徴があります。
浅型と呼ばれるタイプは薄くコンパクトな形が特徴です。
高さが抑えられているので例えば、構造上梁が抜けない、天井が低い等の限られたスペースでも設置できます。
そして最近、採用されることが多いのがシンプルなデザインのスリム型です。
深型、浅型に比べて内部の凹凸が少ない為、油汚れが付きにくくメンテナンスが容易であるのが大きなポイントです。
また、整流板の採用により蒸気や煙の吸い込み速度が上がり、オイルパネル、フィルターレスという要素がメンテナンス性の向上に一役買っています。
レンジフードの取り付け方法の違い
レンジフードの取り付けは、住まいの構造やキッチンのタイプにより天井付け、壁付け、横壁付けといくつか種類があります。
ダクト工事が不可という場合もあり、その場合キッチンのレイアウトも制限を受けることがありますが、これに対応するものとして、フード自体に空気循環機能を持たせたものも存在します。
このタイプはダクト工事が不要であり、取り付け位置を選びません。
カウンターに取り付けるタイプと通常通り天井付、壁付けのタイプがあります。
ただし空気循環機能を搭載した循環ユニットが必要な為、高価になります。
レンジフードの幅にも色々ある
最後にレンジフードの「幅」についても言及しておきましょう。
このあたりは新築やリフォームの際にプロがしっかり設定してくれるものですが、知っておいて損はない情報です。
レンジフードはクックトップの幅に合わせて設計されることが多く、W450のコンロなど賃貸用のクックトップに合わせたW450タイプ・W600サイズ、W600のクックトップにはW750・W900サイズ、W750のコンロやIHであればW850・W900サイズと、一回り大きなサイズをスペックするのが基本です。
存在感をできるだけ抑えたいということで小さめを選んでも間違いではありませんが、クックトップからの臭いと煙を受ける整流版は広いほどより多くを吸い込むことができるため、レンジフードの排気効率を考慮すると大きめがお勧めです。
キッチン本体の質感や表情がどんどん豊かになっている現状にあって、キッチンの進化は換気設備の進化そのものといえます。
レンジフードはシンプル、スリムという形状だけでなく、素材、色調等についてもキッチンや空間との調和が求められています。
換気扇の採用も含め、何がベストかを検討していくのが「吉」です。
私ども家具蔵でもキッチンのご案内を行っておりますので、レンジフードの選定についてもお気軽にお声掛けください。
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