子供とキッチンワークを楽しみたい!を叶えるコツとは?
2024.7.8
私ども家具蔵で新規の家具の打ち合わせを行う際にはお客様のライフスタイルについても伺うことが多くあります。
リビングダイニングやキッチンでの過ごし方も5年ほど前と比べても大きく変わってきた印象です。
自宅で食事をする機会が増えただけでなく、食卓の準備から片付けといった食事にまつわる「作業」については家族で分担して行う習慣があるケースも多くなっています。
洗い物を担当するのはご主人、お子様も都度準備を手伝うなどキッチンを家族で使う機会が多いことから、リフォームや新築においてはキッチンスペースを大きくする・回遊性を高く確保したい、という希望もよく耳にするようになりました。
今回はその中でもお子様のキッチンワークへの参加について「家事参加のメリット」「その為のキッチンの工夫」「年齢別の作業内容」の3項目に分けてまとめています。
子供の家事参加のメリット
食卓を家族みんなで囲む一番のメリットは「自然とコミュニケーションができる」ことでしょう。
また、食事をすることに加えてその準備や片付けまでを一緒に行うことで、お子様も家族の一員としての役割を果たしているという自己肯定感の醸成に繋がります。
任された作業を成し遂げることは子供の自立心や自尊心の発達にもつながり、褒められる→また手伝いたくなるという良いサイクルも生まれるでしょう。
同時に食材に触れながら作業をすることで食べ物の大切さに気付くといった情操教育も兼ね、何よりもみんなで作ったものを楽しむ食事とであれば、更に会話も多くなり家族のコミュニケーションは深くなります。
もし、お子様がキッチンに立つことや準備・片付けの手伝いをさせたいがハードルが高いな…と考えているのであれば、
まずは、「今日は何が食べたい?」という献立を考えることから一緒に始めてみてはどうでしょうか。
時間が許すのであればその食材の買い物も一緒に行うなど、その料理に何が必要なのか、どうやって食材を選ぶのかなどを知ったり考えたりするきっかけにもなります。
サラダなど比較的簡単な料理に関わる作業を一緒にすることもいいかもしれません。
あるいは夫婦共働きでなかなか一緒に買い物までは行っている時間がないという場合。
ダイニングテーブルを片付けて・拭いて・ランチョンマットを敷いて・飲み物を用意してといった、食事前の準備はお子様の役割にするなど、タイミングや年齢に応じてできることから手伝ってもらい、その後にはちゃんと褒めるということが大切です。
子供と一緒に作業しやすいキッチンとは
●二人以上作業できるワークトップスペース
キッチンを一人で使う場合はシンクとクックトップの間が調理スペースになります。
二人以上で作業する場合はそのスペース自体を広く確保できることが理想です。
もしくはシンクの外側かクックトップの外側にも作業スペースを設けると、複数人での同時作業もスムーズでしょう。
横方向にスペースが取れない場合、対面キッチンの奥行き方向を広くして作業スペースを確保する方法もあります。
しかし、お子様との作業の場合は横から手伝ったりすることも多く、向かい合わせの場合は左右が逆になるので大人の作業を見て真似るときに理解しづらいところなど、少し問題も出てくるので注意が必要です。
●バックセットとキッチンの距離
キッチンは火や刃物を使う場所なので、実際は危険を伴う場でもあることは忘れずにいたいところです。
キッチンと背面収納の間は一般的に800~900ミリ程度あればOKといわれていますが、お子様との作業を前提とする場合、お子様が大人の後ろを通過する(あるいはその逆)ことは想定されます。
そのことをふまえると最低でも1000ミリは欲しいところです。
特にクックトップの後ろについては鍋振りの際に腕を動かすことなども考慮すると大人が二人で作業すると言う場合も想定して1200ミリ程度のゆとりをもった動線設計が理想的です。
もし奥行き方向にスペースを取れないということであれば、キッチンをアイランド型にして2方向からアプローチできるようにするなど、動線についても将来的な視点を持ってキッチンとその周辺の計画をしておくとよいでしょう。
●子供が手伝いやすい環境をつくる
いくらやる気があっても場所や道具が使いづらいとそのやる気が下がってしまうのは大人も同じことです。
例えば食器の準備を手伝ってもらうのであれば、お子様が取り出しやすいようにオープン収納の手が届く位置に普段使いの食器をしまうなどの配慮があるとベターです。
一緒に作業する場合でもボウルやザルなどお子様が(比較的)持ちやすいものは手の届くところに収納するなど、子供目線での収納位置を考えることが基本となります。
収納に関して言えば、何がどこにしまってあるかわかりやすいようにキッチンツールや調味量などは定位置管理で見つけやすくする、調味料は同じ容器に入れてもラベルを貼って分かりやすくしておくことも大切になってきます。
そして作業中には必ずゴミ箱を使うことになりますが、ゴミ箱はキャスターつきで移動しやすいようにしておくとよいでしょう。
必要な時に適切な場所に動かしやすく、ゴミを持って行く途中で落としてしまうといったキッチンが汚れる原因を防ぐことができます。
その他にも、包丁が使えるようになったらお子様専用のマイ包丁を用意してあげるのもお勧めです。
その際、まな板は軽いものに、軽量カップは割れにくい素材にするといったちょっとの工夫でもお子様が一緒に参加しやすくなります。
年齢別で「できる作業」の目安とは?
もちろんこれは個人差や本人の意欲もありますのであくまで「目安」ですが参考としてください。
・1歳・・・トマトのヘタをとる、レタスをちぎる、切った食材をボウルに移すなど
・1歳半・・・カップに入った水を注ぐ、袋に入れた食材を棒でたたく、食器を出す、配膳、食後の食器を運ぶなど
・2歳・・・玉ねぎの皮むき、きのこを手でほぐす、汁物をお玉ですくう、すり鉢でゴマをする、卵を溶くなど
・2歳半・・・やわらかいものを切る(包丁ではなくステーキナイフなどで)
・3歳・・・包丁で切る、火をつける
・4歳・・・軽量カップで測ることも数を数える練習になる
・5歳~一人で上記の一連の作業ができるようになる
いずれの作業も大人がまずは目の前でやって、興味を持ちそうであればやらせてみて、作業を見守ることが大切になってきます。
間違えているからといって叱ったり、途中から大人がやってしまわずに「見守ってあげて、できたら褒める」ことを心掛けましょう。
キッチンで大人と同じことができるようになる、あるいは大人の手伝いを行うということはお子様の達成感や自尊心を育みます。
時間がかかっても子供が自分で成し遂げるということを忘れないように、手伝う場合でも「手伝って良い?」と子供の許可を確認することが肝心です。
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